FMいちのみや「アフタヌーン・アイ」に、循環器内科・寺村医師が出演しました

コミュニティFM「FMいちのみや」の生放送番組「Afternoon-i (アフタヌーン・アイ)」に、一宮西病院・循環器内科・寺村真範医師が出演しました。一宮西病院ハートチームの“24時間365日”体制や、狭心症心筋梗塞などの虚血性心疾患の診断や治療に不可欠な、心臓カテーテルに関してお話しました。

■放送局 : i-wave 76.5FM FMいちのみや

■番組名 : 生放送 Afternoon-i (アフタヌーン・アイ)

■放送日 : 12月1日(木) 昼12時~

f:id:kyouryoukai:20161202132346j:plain

熱き働き人 摂食・嚥下障害看護 認定看護師 西川明美(にしかわあけみ)

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

看護師として働く上でのこだわりは、一言で言えば「前進」です。看護師は患者様の一番身近な場所で一番長く関わりを持てる職種です。その責務は、医師の診療の補助、健康の保持・増進、疾病の予防、苦痛の緩和、生活援助など多岐にわたり、多くのスキルが要求されます。当院の理念にもあるように、常に創意工夫し、自己研鑽に励まなければ看護師の責務は果たせません。とはいえ、世間では看護師の仕事は3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれていたり、最近では「帰れない・規則が厳しい・化粧がのらない・薬に頼って生きている・婚期が遅い・給料が安い」が加わり9Kと呼ばれているそうです。簡単な仕事ではありません。時には悩んだり、立ち止まったり、後ろを振り返ることもありますが、後ずさりはしないように半歩でも「前進」することを心がけています。その先には患者様の笑顔があり、成長した自分や看護師としてのやりがい・誇りを感じられるからです。「前進」するためには自分の努力、周りの“支援”が必要だと思います。自分だけではなく、みんなで「前進」です!

明日への挑戦~自らに課している要求~

高齢化に負けない看護力を身につける!です。平成27年度版高齢社会白書によると平成27年10月現在、我が国の高齢者(65歳以上)が総人口に占める割合(高齢化率)は26.7%と過去最高となりました。認知症患者や要介護者の増加に伴い看護業務の負担や看護師のストレスは大きく、認知症や高齢者の特徴をよく理解した上での看護が必要だと感じています。摂食・嚥下障害看護認定看護師の立場で言えば、肺炎患者の多くは高齢者の誤嚥・窒息であることから、加齢による身体機能・嚥下機能の変化をよく理解しておかなければなりません。高齢者は複数の疾患を患っていることが多く、予備能力は低い。肺炎を発症すると重症化し、生命を脅かすことも多い。栄養療法による自己治癒力の強化も不可欠ですが、栄養投与ラインの選択には倫理的ジレンマを伴い、充分な話し合いと意思決定支援が必要です。このように「老年看護学」の視点から高齢者を多方面からアセスメントし、リスク管理を行い、効率よく安全に看護するための知識と技術を学び得ていきたいと思っています。

理想の病院~こういう病院にしたい~

「街と人が明るく健康でいられる」ように、患者様・利用者さま及び家族のために「職員の行動と意識の指針」を職員全員が遂行できる、そんな病院になって欲しいです。どの職種であれ、役職であれ、仕事への価値観はそれぞれ違うでしょう。プライベート、家族、報酬、趣味…一番ウェイトが高いのは何でしょうか。しかし、私たちは一宮西病院で働いている限り、当院の理念を無視することはできません。理念を達成するために役割を遂行することが義務です。仕事が一番と言っているのではなく、当院で働いている時は理念を達成するために、それぞれの役割を最大限にやりきることが義務であり、そのために必要なスキルは自己研鑽しなければならないと私は考えています。質の高い医療を提供できれば必ず患者満足度は上がり、社会的価値や一宮西病院の魅力は上がり、私たち職員の満足度も上がっていくのではないでしょうか。職員一人ひとりが毎日笑顔で働ける、そんな元気あふれる一宮西病院でありたいですね。

摂食・嚥下障害看護 認定看護師 西川 明美 (にしかわ あけみ)

f:id:kyouryoukai:20161201102824j:plain

うがいや手洗いはホントに効果あるの?意外と知らないインフルエンザの基礎知識

この時期必ず話題になるインフルエンザ。予防をはじめ、知っておくべきインフルエンザの基礎知識を、一宮西病院・感染対策室の長瀬仁師長に伺いました。

f:id:kyouryoukai:20161201102207j:plain

インフルエンザは何が怖い?

怖い病気には間違いないですが、感染経路はほぼ「飛沫」とわかっていますので、それに対する対策さえできていれば、そんなに怖がる必要はありません。インフルエンザワクチンを打っていれば、感染したとしても発症を抑えることができるかもしれませんし、重症化を防げるかもしれません。そう考えれば、インフルエンザの予防は進歩しています。だからと言って、もちろん安易に捉えてもいけません。インフルエンザ脳症という怖い病気になる可能性もあります。調子が悪くなったら早期受診が大事です。

インフルエンザはどうやって感染するの?

飛沫感染がほとんどです。他に接触感染もあります。いずれも感染は上気道感染(鼻や口からの感染)ですので、鼻や口を守るサージカルマスクの着用は大事です。

インフルエンザから身を守るには?

基本はうがい、手洗いと思われがちですが、実はうがいは予防になるという裏付けはないのです。うがいの役割はのどの加湿だけです。でも手洗いは大事です。帰宅したらまずは手洗いです。幼稚園でも習いますが、指の間、つめの中、手首までしっかりと洗ってください。そしてあまり知られていませんが、手を洗ったあとのハンドケアも大事です。手が荒れると手に付いた細菌・ウィルスは取れないのです。だから僕の手、きれいでしょ(笑)。

f:id:kyouryoukai:20161201102237j:plain

そして重複しますが、サージカルマスクも非常に大事です。目的は飛沫感染予防とエチケットです。着用のポイントは、針金部分を上にして鼻のラインにあわせ、本体を引き伸ばしてあごまでしっかりカバーすることです。隙間がないように、顔にしっかり密着させてください。少しでも隙間があると、そこから一気に外気が入りますからね。メーカーによっては裏表があるものもあるので注意してください。この時期はなるべく人ごみを避けることも大事です。インフルエンザを拾ってしまうかもしれないし、広めてしまうかもしれません。最後にインフルエンザワクチンですが、打ってから抗体ができるまでは2~3週間ほどの時間がかかります。1月中~下旬のインフルエンザのピークが来る前、できるだけ早く打つのが良いでしょう。

インフルエンザになってしまったら?

職場や学校に行く前に、お近くの医療機関でまずは検査を受けてください。症状は風邪の症状と同じく、咳、くしゃみ、発熱です。体調が悪くなったら、無理せずすぐに病院にかかりましょう。

ラジオ番組出演 “神経難病・脳卒中患者さんの自立、そして介護問題までをも見据えたHALの可能性”

安蒜豊三(東海ラジオ・報道アナウンス部長)× 山口啓二(一宮西病院・神経内科部長)

f:id:kyouryoukai:20161125094850j:plain

患者さんの意思に基づき運動機能を回復させる治療ロボ「HAL」

(安蒜)筋肉が萎縮する筋ジストロフィや、アイスバケツチャレンジで話題になったALSなどの、神経難病の患者さんの歩行を助けるための装着型ロボットスーツ「HAL(ハル)」。この医療用ロボットを、東海地区で初めて導入したのが、一宮西病院です。今日は一宮西病院で神経内科の部長を務める、山口啓二先生にお話を伺います。山口先生、よろしくお願いします。

(山口)よろしくお願いします。

(安蒜)さてこの医療用ロボットのHALというのは、簡単にいうとどういうものなのですか?

(山口)HALは、人の自立動作を支援する装着型ロボットで、装着した患者さんの「動こうとする意思」を、体につけたいくつかのセンサーで感知しながら即座に解析して、装着した患者さんの動作を適切にアシストしてくれるロボットです。ロボットと申しましても操縦する必要はなく、まさに患者さんと一体となって患者さんの動作を支援してくれる、画期的なロボットなのです。このように説明しますと「介護用ロボット」というイメージを持たれるかもしれませんが、医療用のHALはあくまで病院での治療に用いるもので、体の動きに支障がある患者さんの運動機能を回復させる目的で使用します。人の運動機能を回復させるには、患者さん自らの「動かそう」という意思に基づく動作を、繰り返し反復する必要があるといわれております。HALは、患者さんの意思に基づく動作を正しくアシストしてくれるので、訓練を続けることで「動けた」という成功感覚を、患者さんの脳に繰り返しフィードバックできます。このため、従来のリハビリにはない、機能回復効果が期待されております。

f:id:kyouryoukai:20161128075832j:plain

(安蒜)なるほど。HALは装着した患者さんの「動こうとする意思」に基づいて、患者さんの動作を助けてくれるのですね!筋力が弱っていても、患者さんの意図した動きを正しく行えるようアシストしてくれるのがHAL、ということですね! 

(山口)その通りです。HALには「福祉用」もありますが、今回当院で導入した「HAL医療用下肢タイプ」は、ロボットスーツを両足に装着して、病院での歩行訓練に使用するものです。この医療用のHALは全国9ヶ所の病院で行われた治験で、これまで改善が難しいとされてきた難病患者さんの歩行障害を改善する効果が、科学的に証明されております。そしてこの結果を踏まえ、日本「発」の全く新しい医療技術として厚生労働省が医療機器として承認し、今年の4月から筋ジストロフィ、ALSなど、8つの神経難病に限って保険適用が認められました。

(安蒜)神経難病での改善が確認されたということは、例えば今までは車椅子での生活を余儀なくされていたかもしれない患者さんも、自分の足にHALを装着した治療を受けることで、病気の進行を遅らせることができるかもしれない…ということですね?

(山口)そうですね。当院でも、10月からようやく治療を開始したばかりですので、実際にHALで治療した患者さんはまだ数人にすぎませんが、HALの適用がある神経難病患者さんに入院していただき、2週間にわたってHAL治療を行いましたところ、“一定の時間で歩ける距離”が、3割から5割程度のびるなど、歩行機能の改善が認められました。まだ始めたばかりですので、はたして重い障害のある患者さんにどの程度有効なのか、また病気全体の進行をどこまで遅らせるかなど不明な点もありますが、手ごたえを強く感じております。

f:id:kyouryoukai:20161128075911j:plain

患者さんの潜在能力を引き出し、大きな希望も与えてくれる

(安蒜)こちらに10月7日付の中日新聞尾張版がありますが、ここにも実際にHALの治療を受けた40代男性の方の声が書かれています。一部読み上げますと…「どんどん足が動いてくれた」「取り外した後、ジャンプできそうなほど体が軽くなった」と言うことですね。HALを導入されて2カ月ですが、治療の効果は期待通りということですね?

(山口)この方は当院で初めてHAL治療を行った患者さんでしたので、私たちも始める前は、本当に効果があるのか半信半疑でしたが、実際に行ってみますと、単に歩く能力が改善したという事実以上に、治療前には沈んでいた表情が、治療を進めるにしたがって目を輝かせるようになったのが、とても印象的でした。患者さん自身、“とりあえず試してみよう”という気持ちだったと思うのですが、最後は自信に満ちた表情で退院されました。今後も定期的に治療を施すことで、どこまで病気の進行を遅らせることができるか、見守ってゆきたいと思っております。これまでの治療経験を通じて、私はHAL治療というのは、患者さんの潜在能力を引き出し、患者さんに大きな希望と、そして、病気と立ち向かう勇気を与えてくれる、そのような治療法なのだと実感しております。 

(安蒜)HALは神経難病の患者さんの歩行機能を改善させるだけでなく、大きな希望を与えてくれる、画期的な治療方法ですね!では、HALのこれからの可能性、展望をお聞かせいただけますか?

f:id:kyouryoukai:20161128080025j:plain

将来の介護問題を見据え脳卒中への臨床研究も

(山口)現時点では、神経難病の患者さんだけが保険の対象になっておりますが、HALは神経難病以外にも、広く「脳」・「神経」系の疾患による運動障害に対して有効性が期待されております。現在いくつかの大学を中心に、HALの適応拡大に向けた臨床研究が始まっていますが、中でも私が最も重要だと考えるのは「脳卒中」です。というのも、今後わが国では少子化が進む中で後期高齢者が激増し、医療や年金だけではなく、介護の問題も深刻化してゆきます。このままでは日本全体がすさんで立ち行かなくなってしまうのではないかという、強い危機感を抱いているからです。脳卒中は介護の最大の原因です。HAL治療で一人でも多くの脳卒中患者さんを回復させ、そして自立した生活を送れるようにできれば、患者さんご本人にとっても、またこの国にとっても、大きな救いとなるはずです。一宮西病院では、HAL治療が本当に脳卒中患者さんの機能回復に役立つのかを科学的に確かめるため、神経難病の患者さんへの治療と並行する形で、脳卒中で入院された患者さんを対象としたHAL治療の臨床研究を始めたところです。

(安蒜)介護問題の大きな要因が脳卒中であるとするなら、HALの治療が脳卒中患者にも保険適用となれば、日本の介護難民を劇的に減らすことができるというお考えですね!これは決して夢物語ではなく、もう臨床研究も始まっているのであれば、脳卒中の後遺症に苦しむ患者さんへの活用も大きく期待できるということですね!今日は、今年の10月に東海地区で初めて、足の不自由な人や脚力が衰えた人の歩行を助ける治療ロボット「HAL」を導入した一宮西病院から、神経内科部長の山口啓二先生にお話を伺いました。山口先生、お忙しい中ありがとうございました。

(山口)どうもありがとうございました。

東海ラジオ「ニュースファイル」でロボットスーツ「医療用HAL」が紹介されます

10月より導入した治療ロボット「医療用HAL」が、東海ラジオのニュース番組で紹介されます。本日その事前収録が、東海ラジオ放送本社スタジオで行われました。

■放送局 : 東海ラジオ放送(1332kHz / 92.9MHz)
■番組名 : 安蒜豊三ニュースファイル
■放送日 : 11月28日(月)午後8時~

どうぞご期待ください。

f:id:kyouryoukai:20161125171150j:plain

 

第20回全国病院広報研究大会にて優秀賞を受賞しました

事務部 広報・医療サービス課が「第20回病院広報研究大会」にて優秀賞を受賞しました。

【概要】

■受賞者 : 一宮西病院 事務部 広報・医療サービス課.
■研究会名 : HISフォーラム2016in四国中央, 第20回全国病院広報研究大会.
■授与機関 : NPO法人日本HIS研究センター.
■年月 : 2016年11月12日.
■演題名 : その広報活動に根拠はあるか?~1000の声に基づいた広報活動~.

f:id:kyouryoukai:20161114183634j:plain

熱き働き人 リハビリテーション科科長 田中和彦(たなかかずひこ)

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

私は理学療法士として臨床、教育、そして運営管理の業務をしています。現代医療において医療の満足度は年々高まっております。リハビリテーションにおいても同様だと思います。患者さんに一番適したリハビリゴールが必ずしも患者の望む満足ではなく、セラピストが設定した場合があります。私はリハビリテーションの専門職として、患者さんの望む満足または、それ以上をリハビリゴールとして目指しています。この思いは、若い頃に先輩セラピストの運動療法後の著明な改善時や上腕骨近位端骨折の患者を「健側越え」まで改善させた経緯の経験からであり、まさに晴天の霹靂と同時に患者の満足度は計り知れませんでした。すべての患者は発症、受傷前の日常生活活動に戻りたいと思っています。リハビリテーションの効果がよくなればなるほど、患者は満足されます。ただ、満足の上限は決してありません。だからこそ私は、昨年より今年、昨日より今日、さっきより今と患者の満足度以上の運動機能改善や日常生活動作などを得られ続けるよう、セラピストとして向上し続けなければならないと強い使命を抱いて、日々患者さんと真摯に向かい合っております。

明日への挑戦~自らに課している要求~

リハビリテーション科は進化し続けており、常に新たな取り組みや患者介入の創意工夫に挑戦しております。新たな挑戦には慣れた業務を行う何十倍のバイタリティーが必要です。私は10代では「考えるより行動」を優先し、20代では「行動しながら考え」、30代では「行動と考えながら修正し、さらに行動」を行ってきました。ちなみに私は、亥年のしし座のB型です。典型的な「前進あるのみ」の性であります。しかし、厄年終えた40代より「考えてから行動」が多くなってきました。リハビリテーション科の管理運営となったことは大きく影響しています。臨床業務では、セラピストや疾患ごとの専門性も高く、そして医療スタッフとの密な連携が必要不可欠になっています。しかもリハビリテーション科はセラピストが約80名と大所帯で、かつ経験年数は1年目から10年目とチャレンジ精神と向上心を兼ね備えたセラピストが多く在籍しております。だからこそ、私は突進力のある行動力でかつ、誰もが途中で根を上げるような業務でも心底楽しみながら、前へ前へと先陣を切ってリハビリテーション科の未知なる可能性を広めなければならないと思っています。

理想の病院~こういう病院にしたい~

理想の医療はかかりつけ医のような地域に密着した医療であり、理想の急性期医療は精密な検査、診断、治療の基準が高いことだと思います。しかし、当院が担っている急性期医療は、その両方の理想であると考えています。かかりつけ医以上に地域にこそ密着し、あらゆる患者が当院を安心信頼して訪れることができる病院にしたいと思っています。病院はあらゆる医療を施すために多くの人材と最新の設備などが必要であり、さらに地域に密着した医療を成し遂げるためには、患者ひとりひとりに対して笑顔と挨拶、そしてちょっとした患者の声を聞くことが最も重要であると思います。私を含む多くの職員が、医療を志した時の初心である「患者のために」をいつ何時も変わりなく、実践している集団がきっと理想の病院を築いていくものだと思います。

リハビリテーション科 科長 田中 和彦 (たなか かずひこ)

f:id:kyouryoukai:20161105163110j:plain