熱き働き人 内分泌・糖尿病内科 副部長 伏見宣俊(ふしみのぶとし)

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

私は主に内分泌・糖尿病診療と総合内科診療を行っております。大別して二つのことを意識しながら日々仕事をしています。一つ目は医師個人としてのスキルアップです。具体的には臨床医として最新の診断・治療に関する知識獲得であり、そのための文献検索や学会活動を積極的に行うことは必須と考えています。また患者さん個々に合った医療(テーラーメイド医療)を提供するための患者さんとのコミュニケーション能力の向上も個人スキルに含まれると思っています。二つ目はチームの中で果たすべき役割を意識することです。様々な場面があると思いますが、例えば診療科内では副部長の立場として若手医師教育や部長のサポート役などがあげられますし、糖尿病チーム医療としてはチームを牽引する立場としての役割、病院全体としてはより良い病院にするために他科や他部署との円滑な院内連携構築や地域連携への貢献などです。そして最終的にはこれらの自分の行為が患者さんにとって有益であるかどうか省みることを怠らないようにすることが大事だと思っています。

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明日への挑戦~自らに課している要求~

個人としては有益な治療方法の探索です。いわゆる臨床研究のことです。臨床研究を行うメリットとしては患者さんにとって有益な発見ができる可能性があること、探究心が養成されることがあげられます。特に探究心の養成は高い洞察力につながり、通常診療にも役立つものと考えており、若手医師にも推奨していきたいと考えております。チーム(診療科)としては糖尿病診療の更なる整備です。糖尿病領域では次々と新規薬剤が発売され、より専門性が高まっています。一方で、糖尿病患者数は今後も増加が予想され、高齢化社会を背景により個々に合った治療提供が求められるなどニーズの高まりを感じております。これらのことを実現していく上でチーム力の向上が不可欠と考えております。特に糖尿病治療のうち約半分は自己管理(療養)が占めるため、療養指導に携わるコメディカル(看護師、栄養士、理学療法士など)の協力が必須です。このようにコメディカルが主役となって治療に関わることができるのが糖尿病診療であり、その魅力を伝えながら、療養指導に携わるコメディカルを養成し、チーム力向上に努めたいと思っています。

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理想の病院~こういう病院にしたい~

私はサッカーが好きです。個人的な見解ですが、地域の中核病院は地域にあるサッカークラブのようなものだと思っています。サッカーが盛んなヨーロッパでは古くから地域に根ざしたサッカークラブがあり、人々から愛されています。そして各サッカークラブには必ずフィロソフィ(哲学)があり、全てはこのフィロソフィに従ってチーム作りが行われており、古豪と呼ばれるチームにはフィロソフィが根付いています。当院においては「杏嶺会の理念」や「職員の行動と意識の指針」がフィロソフィにあたると思います。理想の病院とは職員一人一人が理念を意識して行動し、地域から信頼されている病院だと思います。そのためには職員一人一人が病院を形成し代表していることを意識する必要があります。そして個々のスキルやチーム力を向上させ、職場での信用や地域社会からの信頼を実感できるサイクルが理想と思います。強いサッカーチームは常に進化を怠らず、挑戦し続けています。理想の病院にはゴールがないと思いますので、この挑戦し続けるマインドを維持しつづけることも大切だと思います。理想に近づけるように一歩一歩頑張りましょう。

内分泌・糖尿病内科 副部長 伏見宣俊(ふしみのぶとし)

杏嶺会グループ・リハビリテーション科がお届けする「生き生きリハビリLIFEサポート」

杏嶺会グループ・リハビリテーション科がお届けする「生き生きリハビリLIFEサポート」スタート!第1回目はリハビリスタッフがおススメする「腰痛改善ストレッチ」をご紹介します。

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一言で腰痛と言っても様々な種類の腰痛があり、その痛みの原因も異なります。実は、腰痛のストレッチも、屈曲(曲げる)体操と伸展(伸ばす)体操があり、痛みの原因によっては逆効果なることもあります。たとえば、椎間板ヘルニアになりたての方には、曲げる体操は症状を悪化させる可能性があります。お近くの整形外科などで腰痛の種類を確定し、正しいストレッチを選択しましょう!今回は、軽い椎間板ヘルニアからくる腰の痛みに効果が期待できる伸展体操をご紹介します。

毎月さまざまな疾患に効果が期待できる体操や運動をご紹介していきますので、ご期待ください!!


杏嶺会グループリハビリテーション科「生き生きリハビリLIFEサポート【第1回】腰痛篇」

連載企画 『これだけは知っておきたい!心臓の病気のお話』 第1回

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第1回 心臓は人のからだを動かすエンジンである!

皆様はじめまして!一宮西病院・循環器内科の寺村真範(てらむらまさのり)と申します。今回からこのコラムでは、心臓病に関しての情報を皆様にわかりやすくお届けしたいと思います。

私の専門である循環器とは主に心臓のことをさします。心臓は胸の真ん中にあり、“心筋”と呼ばれる筋肉でできた袋のような構造になっています。この心筋が1分間に60~80回の頻度で伸びたり縮んだりすることで袋(心臓)に溜めた血液をポンプのように全身に送り出しています。人のからだは全て心臓から送られてくる血液をエネルギー源に動いており、人のからだを自動車とすると心臓はいわば自動車(からだ)を動かすエンジンのような役目をしているのです。生きていく上で必要な酸素や栄養を含んだ血液は、心臓から血管を通して全身を循環していますので、われわれ心臓や血管を診る医者を“循環器内科”と言うのです。エンジンが壊れると自動車が動かなくなるのと同じように、心臓病になると様々な症状が出て、場合によっては命に関わる事態となります。厚生労働省の統計によると、日本人の死因の第1位は「悪性新生物(ガン)」ですが、次いで第2位に「心臓病」がランクインしています。その心臓病の中でも、特に命に直結する可能性があり、近頃よく耳にする「動脈硬化」と大きな関係がある疾患に、「狭心症」や「心筋梗塞」があります。

次回はこれらの疾患について深く掘り下げてみたいと思います。

一宮西病院 循環器内科 医長 寺村 真範(てらむら まさのり)

中日新聞広告局制作『ドクターQ&A vol.1 心臓血管病について』が掲載されました

中日新聞広告局制作の新企画『ドクターQ&A』がスタートしました。vol.1のテーマは“心臓血管病について”。昨日11月23日(木・祝)付の中日新聞尾張版に掲載されました。

【タイトル】
ドクターQ&A企画 vol.1~心臓血管病について~
寒くなるこれからの時期は要注意!!
専門医に聞きました 狭心症心筋梗塞のこと

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第2回 杏嶺会看護研究・業務改善報告会を開催しました

去る11月18日(土)、杏嶺会看護部主催「第2回 杏嶺会看護研究・業務改善報告会」が一宮西病院にて開催され、各施設から80名の看護職員が参加しました。

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発表された12演題を審査した結果、上位入賞者は上林理事長より表彰を受けました。今回はポスター発表も4題あり、質疑応答も盛んに行われていました。 

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【発表演題一覧】

①「当院での精神科急性期治療病棟における集団心理教育の試み」/上林記念病院B2病棟 秋葉 たみ代
②「21年間入院していたデイケア利用者の現状と今後の課題」/いまいせ心療センター社会復帰部門デイケアオアシス 榎本 幸子
③「統合失調症患者の入院の長期化によりみえてきた課題 ~社会適応を支援するアプローチ~」/いまいせ心療センター 東4階病棟 森 貴美
④「発語が出来なくなった認知症患者の関わり ~自他共に安全な生活・そして退院支援のアプローチ~」/いまいせ心療センター 東2階病棟 田中 進
⑤「荷物紛失ゼロへの取り組み ~目指せ意識改革~」/一宮西病院 救急外来 小川 聡美
⑥「術中標準看護計画導入の取り組み ~術中看護の統一化を目指して~」/一宮西病院 手術室 田中 美紅
⑦「排尿障害により在宅復帰に難渋した一症例~看護師が外出訓練および退院後訪問に同行して学んだこと~」/尾西記念病院 4・5階病棟 小林 佐織
⑧「一宮医療療育センターにおける日中活動の取り組みについて」/一宮医療療育センター L4病棟 三品 ちえり(保育士)

【ポスター発表】

①「リーダー業務体験を通して」/一宮西病院 F5病棟 飯村 愛
②「初めて透析に関わる看護師への透析看護基礎教育プログラムの評価」/一宮西病院 F2病棟 服部 久代
③「乳房痛で外来受診する患者への客観的データに基づいた看護サポート」/一宮西病院 外来 岩原 香奈子
④「このひとだ~れ? ~患者情報を共有するために~」/尾西記念病院 外来 坂東 好美

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後半は、当院のがん疼痛看護認定看護師による「緩和ケアセミナー」も開催されました。休憩時間には、施設の垣根を越えて談笑する職員の姿も見られ、こういった報告会の継続的な開催の大切さを感じました。

次回の開催担当は上林記念病院です。互いの専門分野を知るきっかけとなる貴重な機会ですので、次回も多くの看護職員に参加いただきたいと思います。

看護部長室 下方(しもかた)

在宅医療のあれこれがわかる講演会『ちょっと教えて在宅医療』を開催します

たとえ医療が必要になっても、長く住み慣れた自宅で医療を受けながら家族と一緒に過ごしたい…。これが私たちの描く理想の街です。このような在宅医療のニーズが高まる中、在宅医療のことが勉強できる講演会『ちょっと教えて在宅医療~住み慣れた家で療養するときのために~』が、一宮西病院を会場として開催されます(主催:一宮市)。

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【開催概要】
■タイトル:ちょっと教えて在宅医療~住み慣れた家で療養するときのために~
■開催日時:平成29年12月18日(月) 14:00~15:30
■開催場所:一宮西病院(一宮市開明字平1) 3階・大会議室
■講演内容:
①医師の立場から(講師:一宮市医師会・理事 越野保一先生)
②医療相談員の立場から(講師:一宮西病院・医療福祉相談室・課長 谷藤陽子氏)
訪問看護師の立場から(講師:訪問看護ステーションやすらぎ・所長 長縄直子氏)
■申込:
代表の方のお名前とご参加人数をお知らせください。
一宮西病院内「ちょっと教えて在宅医療」事務局
電話:0586-48-0077(受付時間:平日9時~17時)

在宅医療に興味を持ちの方はどなたでもご参加いただけます。参加は無料ですが、電話による事前申込が必要となります。※会場の席数の関係でお断りする場合もございます。ご了承ください。

連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 最終回

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最終回 休まずに何メートル歩けますか?

世に「健康寿命」という言葉があります。これは誰かの世話を必要とせず自立して日常生活を送ることができる年齢です。世界有数の長寿国と言われる日本人の「寿命」は、厚生労働省の発表によれば男性で79.6歳、女性で86.3歳です。一方で「健康寿命」は男性で70.4歳、女性で73.6歳と実際の寿命よりもずっと少なくなります。ここから分かるのは、“人生で平均的に10年前後は何かしら介護が必要である”ということです。手助けが必要となる状況は様々ですが、足を悪くして歩けなくなることも原因の一つです。

下肢閉塞性動脈硬化症は多くが慢性疾患の為、段々と歩く距離が短くなります。そして長距離を歩かないために自分の症状(跛行)に気づきません。さてあなたは今何メートル休まず歩けるでしょうか?ご自身の健康寿命を延ばすために、足の健康にも気を遣いましょう。

動脈硬化動脈硬化によっておこる足の血管病のお話しをこれまでして参りましたが、このコラムを通じて“少しだけ足のことを気にしてみようかな”、と思って頂ければ幸いです。最後になりましたが、地域の皆さまと皆さまの足がいつまでも健康でありますように切に願っております。どうもありがとうございました。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)