熱き働き人 リハビリテーション科科長 田中和彦(たなかかずひこ)

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

私は理学療法士として臨床、教育、そして運営管理の業務をしています。現代医療において医療の満足度は年々高まっております。リハビリテーションにおいても同様だと思います。患者さんに一番適したリハビリゴールが必ずしも患者の望む満足ではなく、セラピストが設定した場合があります。私はリハビリテーションの専門職として、患者さんの望む満足または、それ以上をリハビリゴールとして目指しています。この思いは、若い頃に先輩セラピストの運動療法後の著明な改善時や上腕骨近位端骨折の患者を「健側越え」まで改善させた経緯の経験からであり、まさに晴天の霹靂と同時に患者の満足度は計り知れませんでした。すべての患者は発症、受傷前の日常生活活動に戻りたいと思っています。リハビリテーションの効果がよくなればなるほど、患者は満足されます。ただ、満足の上限は決してありません。だからこそ私は、昨年より今年、昨日より今日、さっきより今と患者の満足度以上の運動機能改善や日常生活動作などを得られ続けるよう、セラピストとして向上し続けなければならないと強い使命を抱いて、日々患者さんと真摯に向かい合っております。

明日への挑戦~自らに課している要求~

リハビリテーション科は進化し続けており、常に新たな取り組みや患者介入の創意工夫に挑戦しております。新たな挑戦には慣れた業務を行う何十倍のバイタリティーが必要です。私は10代では「考えるより行動」を優先し、20代では「行動しながら考え」、30代では「行動と考えながら修正し、さらに行動」を行ってきました。ちなみに私は、亥年のしし座のB型です。典型的な「前進あるのみ」の性であります。しかし、厄年終えた40代より「考えてから行動」が多くなってきました。リハビリテーション科の管理運営となったことは大きく影響しています。臨床業務では、セラピストや疾患ごとの専門性も高く、そして医療スタッフとの密な連携が必要不可欠になっています。しかもリハビリテーション科はセラピストが約80名と大所帯で、かつ経験年数は1年目から10年目とチャレンジ精神と向上心を兼ね備えたセラピストが多く在籍しております。だからこそ、私は突進力のある行動力でかつ、誰もが途中で根を上げるような業務でも心底楽しみながら、前へ前へと先陣を切ってリハビリテーション科の未知なる可能性を広めなければならないと思っています。

理想の病院~こういう病院にしたい~

理想の医療はかかりつけ医のような地域に密着した医療であり、理想の急性期医療は精密な検査、診断、治療の基準が高いことだと思います。しかし、当院が担っている急性期医療は、その両方の理想であると考えています。かかりつけ医以上に地域にこそ密着し、あらゆる患者が当院を安心信頼して訪れることができる病院にしたいと思っています。病院はあらゆる医療を施すために多くの人材と最新の設備などが必要であり、さらに地域に密着した医療を成し遂げるためには、患者ひとりひとりに対して笑顔と挨拶、そしてちょっとした患者の声を聞くことが最も重要であると思います。私を含む多くの職員が、医療を志した時の初心である「患者のために」をいつ何時も変わりなく、実践している集団がきっと理想の病院を築いていくものだと思います。

リハビリテーション科 科長 田中 和彦 (たなか かずひこ)

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