連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 第6回

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第6回 エービーアイってなんだ?の巻

前々回、足の動脈硬化は”氷山の一角”ならぬ”病山の一角”だというお話をしましたが、そんな病山の一角を探し当てるのはさぞ大変なんだろうと思いますよね。でもご安心を、病院で「ABI(エービーアイ)」という検査をすることでこの一角を見つけ出すことができます。これは両腕・両足に特殊な血圧計を巻いて、せーので血圧や脈波を測定する検査で、時間は5分くらいでしょうか。通常足で測る血圧は、腕で測る血圧のおよそ同じかあるいは1.3倍高いといいます。しかし異常に足の血圧が低い場合はどこかで血管が狭いかあるいは詰まっていると思われます。もちろん値が正常でも、動脈硬化が隠れている可能性もありますし、エービーアイだけで全てわかる訳でもありませんから、他の超音波検査やCT検査などと組み合わせて使います。
「5分で解るなんてとても便利ね、でもお高いんでしょう?」
「いえいえ今なら3割負担で390円です!」
なんて(^^) でも実際、私もコストパフォーマンスがいい検査だな、と思います。これで今後起こるかもしれない心筋梗塞脳梗塞を見つけ出せる、まさに「足がかり」になるならば、お安いものだと思います。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)