連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 第7回

f:id:kyouryoukai:20170506122146p:plain第7回 脊柱管狭窄症ってなんだ?の巻

皆さま「脊柱管狭窄症」という病気をご存知でしょうか?脊柱管というのは背骨の中にある管状の空間のことです。脊髄と呼ばれる太い神経がこの脊柱管の中を通って手足を動かす命令を伝えています。年を重ねると骨やじん帯の変形、また椎間板(背骨の間のクッション)が出っ張って脊柱管が狭くなります。狭くなった脊柱管の中で神経が圧迫されるのが「脊柱管狭窄症」という病気です。ここで「おや、動脈硬化の話から骨の話って?」と思われるかもしれませんが、実は関係があるのです。

足の動脈硬化と脊柱管狭窄症は自覚症状が非常に似ており、どちらも歩行時に「足がだるい・痺れる・痛い・つる」等の共通の症状が現れます。

実は先日も整形外科の先生からある患者さんのことで「MRIで軽い脊柱管狭窄ですが症状がひどいので、閉そく性動脈硬化症(足の動脈硬化)もあるのでは?」と相談がありました。するとどうでしょうか、ABIが0.55(0.9以下が血流低下のサイン)と低下しており、よく調べてみると腸骨動脈という足の動脈が一部閉塞(!)、早速外来での治療を開始させて頂きました。症状だけでは見分けがつきにくく、どちらもご高齢の方に多い病気です。ご心配な方、とても簡単ですので一度検査をお勧めいたします。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)