連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 第9回

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第9回 「カテーテル」について詳しく知りたい!の巻

カテーテル」って最近よく聞くけどイマイチ分からない方も多いのではないでしょうか。細くて柔らかいチューブのことをカテーテルと言うのですが、これを血管治療に使えば「血管カテーテル治療」となります。カテーテル(チューブ)は1㎜に満たないものから5-6㎜と太いものまであり長さも様々です。これまで触れてきました下肢閉塞性動脈硬化症の治療にもカテーテルが使用されており、跛行(歩くと足が痛い)の方には膝上まで、重症下肢虚血(血流不全で足にできた傷が治らない)の方には膝下までの動脈に対して治療を行います。

実際の治療は狭くなった血管の中を医療用の風船(バルーン)を使って広げたり、ステントと言われる金属の網状チューブを留置して広げた状態を保持したりして行います。詰まっていた血管を広げると今まで歩行時に感じていた痛みが和らいだり、嘘のように消えることもありますし、なかなか治りが悪かった足の指の傷が快方に向かったりすることもあります。

治療時間は大体1-2時間で入院期間は施設にもよりますがおおよそ4日程度でしょうか。足の傷を治す場合はそれよりも長くなりますが、跛行症状だけであれば治療翌日から歩行が可能で翌々日には退院です。治療のことでちょっと聞きたいな、という方でも外来で簡単に相談頂けます。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)