熱き働き人 医療情報課係長・医療情報技師 奥田勝朗(おくだかつあき)

プロフェッショナル論~働く上でのこだわり~

日本の電子カルテ整備率(普及率)は、一般病院全体で2002年では1.3%であったのが、2011年では21.9%に上昇し、400床以上を有する病院では2002年では2.9%であったのが、2011年には57.3%にまで達しました。2002年から2011年の9年間にかけて、ほぼ直線的に増加しており、それから2017年現在までの6年間ではさらに増していると思われます(厚生労働省「健康・医療・介護分野におけるICTの活用について」(2015年2月20日))。また、カルテの電子化と共に、1990年代から現在にかけて、ITからICTという、一般的に使われる言葉にも変化が見られるようになりました。ICTとは「Information Communication Technology」の略語であり、直訳すると「情報通信技術」または「情報伝達技術」で、ITにCommunicationを加えたものとなります。情報技術の発展によって、過去には一部の詳しい者だけが扱うイメージが強かったパソコン等が、今では当たり前のツールとなり、それを上手く利用して他者と意思疎通できる能力が重要視されるようになりました。私たち情報技術者という職種は、いまだ閉鎖的なイメージを持たれていると感じることがありますが、だからこそ、たくさんのコミュニケーションを図ることを何よりも重要とし、良い信頼関係を築き、マルチな視野で大きな結果を導くことに積極的でありたいと考えています。

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明日への挑戦~自らに課している要求~

病院における情報システムにおいて「セキュリティ」というキーワードは非常に大切です。しばしば、全国どこかの病院から個人情報が漏洩したというニュースが聞こえてきます。そして悲しいことに、それが珍しいことではなくなっているのが現状です。病院では患者様の大切な個人情報を扱わせて頂いております。至極当然ですが、細心の注意をもってあたらなければなりません。しかし、情報システムが充実してくると、便利さが当然のこととなり、ユーザー視点では、より便利に、より手間がなく、という考え方に傾向することがあります。手間を省くために何かを変える必要がある時、それが本当に必要なのか、問題が起こる可能性はゼロなのか、ということを、冷静かつ慎重に、正しい知識をもって判断しなければなりません。そういった、なにより守らなければいけないものがある、ということを肝に銘じて職務に当たっています。

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理想の病院~こういう病院にしたい~

システム障害に強く、職員全員が同じ方向を見て復旧に当たれる病院にしたいと思っています。障害が起きない為に努力することは当然ですが、障害はいつ発生するかわかりません。2009年に一宮西病院で電子カルテが稼働開始した当時は、障害時に「分からないから何もできない」という職員が見受けられました。2017年現在では職員個々の意識や能力が向上し、「これは出来そう、実行してもいいのかな」と変化しました。しかしながら、その反面、様々な情報が錯綜する場面も見られるようになりました。せっかく上述のように、職員の意識や能力が向上したのですから、見る方向を同じとすれば、ますます良い体制で臨むことが出来る病院になると確信し、努力していきたいと考えています。

医療情報課係長・医療情報技師 奥田勝朗(おくだかつあき)