連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 第10回

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第10回 足のアカギレが治らない!?それって本当にアカギレ?

みなさん、手などにちょっとした怪我したことありますよね。でもどうでしょうか、1週間もあれば切り傷はくっつくし、擦り傷はカサブタになって治りますね。しかし足の血管が詰まって血行が悪くなると、足の指や踵にできた傷が治らないことがあります。

先日も、“アカギレと思って2か月ほど皮膚科に通って軟膏を塗っていたのに治らない”ということで、循環器内科に紹介になった患者さんがおられました。案の定、足の動脈は左右詰まっており、血流障害で傷が治らない状況でした。こういった状態は「重症下肢虚血(じゅうしょうかしきょけつ)」といって、足の血管病の最重症といえます。症状の放置で実際に足を失う(切断する)方も多く、問題となっています。特に糖尿病を長く患っている方は感覚障害があって、足の痛みを感じにくいです。なんと、画鋲を踏んづけても気が付かない方もいます!

できた傷が治らないのには必ず原因があり、下肢動脈の血流障害もその一つです。それでは次回はもう少し重症下肢虚血の話をさせていただきたいと思います。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)