連載企画 『これだけは知っておきたい!心臓の病気のお話』 第1回

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第1回 心臓は人のからだを動かすエンジンである!

皆様はじめまして!一宮西病院・循環器内科の寺村真範(てらむらまさのり)と申します。今回からこのコラムでは、心臓病に関しての情報を皆様にわかりやすくお届けしたいと思います。

私の専門である循環器とは主に心臓のことをさします。心臓は胸の真ん中にあり、“心筋”と呼ばれる筋肉でできた袋のような構造になっています。この心筋が1分間に60~80回の頻度で伸びたり縮んだりすることで袋(心臓)に溜めた血液をポンプのように全身に送り出しています。人のからだは全て心臓から送られてくる血液をエネルギー源に動いており、人のからだを自動車とすると心臓はいわば自動車(からだ)を動かすエンジンのような役目をしているのです。生きていく上で必要な酸素や栄養を含んだ血液は、心臓から血管を通して全身を循環していますので、われわれ心臓や血管を診る医者を“循環器内科”と言うのです。エンジンが壊れると自動車が動かなくなるのと同じように、心臓病になると様々な症状が出て、場合によっては命に関わる事態となります。厚生労働省の統計によると、日本人の死因の第1位は「悪性新生物(ガン)」ですが、次いで第2位に「心臓病」がランクインしています。その心臓病の中でも、特に命に直結する可能性があり、近頃よく耳にする「動脈硬化」と大きな関係がある疾患に、「狭心症」や「心筋梗塞」があります。

次回はこれらの疾患について深く掘り下げてみたいと思います。

一宮西病院 循環器内科 医長 寺村 真範(てらむら まさのり)