連載企画 『これだけは知っておきたい!心臓の病気のお話』 第3回

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第3回 駅の階段、ひと息で登れますか?

狭心症になるとどのような症状が出るのでしょうか?ひとことで言うとズバリ「労作時(ろうさじ)の胸痛」です!つまり、「階段や坂道を登ったり運動したり」した時に「胸の真ん中全体」に「圧迫されるような」「締めつけられるような」「重い物を乗せられたような」痛みを感じ、休んでいると徐々に治まります。「最近、駅の階段を登ると胸が苦しくて」「散歩中に坂道を上ると胸が圧迫される感じがします」・・・典型的な狭心症の方はこのような症状を訴えて病院にいらっしゃいます。狭心症は心臓に栄養を送っている冠動脈が動脈硬化で狭くなる病気です。人間は体を動かす時には心拍数を上げて全身の筋肉・臓器に血液を送りますが、狭心症で冠動脈が狭くなると、増加した心臓の仕事量に必要な栄養を補えなくなり痛みが出るのです。また時には、胸の痛みが肩や腕、アゴや歯にまで及ぶこともあります。多くはありませんが、“ひどい肩こりだと思っていたら実は狭心症だった!”なんてこともあります。

狭心症を起こしやすい糖尿病、高血圧、高脂血症コレステロール中性脂肪が高い)、タバコ、肥満などの持病・リスクをお持ちの方でこのような症状がある方は、早めの病院受診をお勧めします。

一宮西病院 循環器内科 医長 寺村 真範(てらむら まさのり)