連載企画 『これだけは知っておきたい!心臓の病気のお話』 第10回

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第10回 心臓カテーテル治療について

狭心症心筋梗塞に対しては、心臓カテーテル治療を行います。これは前回お話したカテーテルという細い管を用いて、動脈硬化で狭くなったり詰まったりした冠動脈を広げる治療の事です。治療は以下のように行います。

まず治療用のカテーテルを手首や太ももの付け根の血管から(約9割の方は手首から)局所麻酔で心臓に通します。次にガイドワイヤーと呼ばれる0.3mm程度の細さの柔らかい針金を冠動脈の奥まで入れます。続いてガイドワイヤーに添わせる形で医療用の風船(バルーンと呼びます)を冠動脈内に持ち込み、動脈硬化で狭くなった所で内側から膨らませるのです。これで狭くなった血管を広げることができます。ただし風船だけではまた詰まってしまう場合がありますので、現在ほとんどの方にはステントと呼ばれる金属の網状チューブを留置して血管を広げます。ステントはステンレスやコバルトの合金でできていて、狭くなった血管を広げたまま保持する効果があり非常に有効です。

治療時間は1~2時間、メスを入れるわけではありませんので傷はほとんどありません。また多くの方は治療後すぐに歩くことができ、治療の翌々日には退院です。治療のことでちょっと聞きたいなという方は、外来で簡単にご相談いただけます。

一宮西病院 循環器内科 医長 寺村 真範(てらむら まさのり)