CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第4回(平成30年6月28日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」第4回(平成30年6月28日放送内容) 
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、菊地慶太医師(一宮西病院・ハートセンターセンター長)

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(小高)日本人の死因の第2位となっている「心臓の病気」を中心に、健康と最新医療について専門の先生に伺っております。ゲストは一宮西病院のハートセンター・センター長で、心臓血管外科統括部長の菊地慶太先生です。よろしくお願いします。

(菊地)よろしくお願いします。

(小高)先生のご専門は外科的なほうですよね。そして「低侵襲手術」という最新の手術なんてものがありますよと前回お聞きしております。この「低侵襲手術」というのは、傷口も小さくて患者さんの負担も軽い。特に女性なんかは、いざというときでも安心して手術が受けられる。

(つボイ)女性の方はやっぱり体に傷がついたりするのはデリケートな問題ですもんね。

(菊地)女性の場合は実はおっぱいの下のラインにメスを入れるんですね。そうすると前から見ると全然傷が分からないんですよ。そうすると、温泉なんか行っても心臓の手術をしたと全然分からないんですね。

(小高)そんなメリットもあるんですね。

(つボイ)大事なことですよね!

(菊地)皆さんやっぱり、中がキチンと治るのであれば傷は無いほうがいい、小さいほうが良いと思いますからね。

(小高)心臓の病気というのは、分かりやすく心臓がキューっと痛くなって倒れて「先生!救急車で運んでください!」みたいだったら分かるんですけど、それだけが心臓病じゃないですものね。

(菊地)意外と気が付かないような症状もあるんですね。

(つボイ)小高さんは気が付かなかったんでしょ?

(小高)私は不整脈だったんですけれど、全く気が付かなかったです。あんまり無いですね症状。感じる人もいるらしいんですけど。

(つボイ)それは不整脈ですから、おかしな心臓の打ち方をするんと違うの?

(小高)でも普段からずっと脈を自分で測っているわけじゃないじゃないですか。だから症状がないとなかなか気づかなくて、私は健康診断で心臓の脈を心電図で測って。

(菊地)本当に症状が無かったんですね。

(小高)そう。それで、だんだんだんだん回数が増えてくるようになっちゃって、最終的に心房細動になったので、そのときにはさすがに。心臓が変に脈を打つって本当に、その場で死ぬんじゃないかって思うぐらい。

(つボイ)不安がものすごいですよね。

(菊地)気持ち悪いですよね。

(小高)気持ち悪いんですよ!不整脈もそこまで心配しなくていいよというものから、今すぐ手術したほうがいいですよというものまで様々なので。どういう症状が出たら注意しましょうってなりますか。

(菊地)一般的には「胸が痛い」。

(つボイ)これは私の場合ですね。

(菊地)そうですね、胸がグーッと締め付けられるようになる。特に心臓病の場合は指先で「ここが痛い」と指し示すことができないんです。実は心臓病の方の場合は、手のひらを広げて胸を覆うように「この辺が痛い」とい方がほとんどなんですね。あとは胸だけではなくて、顎が痛くなったり、左肩が痛くなったり、胃の辺りが痛くなったり。「なんか胃が痛いなぁ」というような症状も出てくることがあるんですね。

(つボイ)顎が痛いなら、ちょっと放っておいて一晩寝て明日ゆっくり病院でも行こうか・・・って気持ちになっちゃいますよね。

(菊地)そうですね。肩が痛いというと整形外科に行かれたりもしますよね。

(つボイ)ただ僕ら、先生にも他の先生にも聞きましたけれど、心筋梗塞なんかは一刻を争いますので、放っておいて「肩は明日の夕方ぐらいでも病院に行ってこよう」と思っても、たいがいは夜中とか明け方に症状が起こるもんですから。「明日の夕方行こうか」ではだいぶ手遅れになりますよね。

(菊地)詳しいですね。さすがですね。やはり症状があったとき病院に行くというのがとても重要ですよね。あとは例えば「息切れ」なども心臓の弁膜症の症状だったりするんですよね。少し歩いてどうも息が苦しいとか、ゼェゼェ言っちゃうとか、ずっと歩いていたのになかなか歩行の距離が伸びないとか、最近階段を上らなくなったりエレベーターを使う回数が増えちゃったりとか、そういうようなことも意外と隠れて、症状がないように見えるんですけれど、実は苦しいからやらなくなっているという方もいらっしゃるんです。

(つボイ)自然にそういうことになっているんですよね。心臓に負担を掛けることをやめよう、みたいな。

(菊地)その通りですね。人間は非常に良く「防御反応」というものが出来ているので、「なるべくしんどいことはやらないようにしよう」といって坂道を登らないなんて方もいらっしゃいますね。

(小高)実は私の母も心臓の病気だったんですけれど、確かに、長い距離が歩けなかったです。途中で止まっちゃう。だから最初私たちは、「年なので足が悪くなったんだ」と思っていたんですけど、病院で違う病気で診察を受けているうちに「心臓の病気がありますよ」ということが分かりました。

(つボイ)なんか弁が悪かった?

(小高)そうそうそう、大動脈弁狭窄症。

(菊地)非常に多い病気ですね。最近日本人の、特に女性の方には非常に多いです。症状が出にくかったり分かりにくかったりするんです。それと日本人は非常に我慢強いんですよ。ですから胸が苦しいとか痛いとか言うことが「恥ずかしい」と思っている方もいらっしゃると思うんですね。でも重大な病気が隠れていますので、そういうことは恥ずかしがらず、少しでも苦しくなったり異変があれば病院にかかるのがいいと思います。聴診器をあてれば心臓の弁膜症はすぐに分かりますし。

(小高)私たちが自分で「あれっ?」と思うのが一番大事なんですね。

(つボイ)大事!!

(小高)ということで今日もお話を伺いました、一宮西病院の菊地慶太先生でした。ありがとうございました。

(菊地)ありがとうございました。

(小高)「健康のつボ~心臓病について~」でした。

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