CBCラジオ「健康のつボ~脳卒中について②~」第5回(平成31年3月7日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、宮嵜章宏医師(一宮西病院 ストロークチーム・脳神経外科部長)
(小高)毎週この時間は「健康のつボ」です。日本人の死因の第3位となっている『脳卒中』について伺っています。ゲストは一宮西病院ストロークチーム・脳神経外科の部長、宮嵜章宏先生です。よろしくお願いします。
(宮嵜)よろしくお願いします。
(つボイ)やっぱり病気のことは気になる方が多いようでして、お便りもたくさんいただいております。尾張旭市の、ペンネーム『もっちゃん』という41歳の方ですが、『つボイさん、小高さん、先生、いつもありがとうございます。脳卒中に関して教えてください。20年前に亡くなった祖父も、去年亡くなった父方のいとこも、原因は「くも膜下出血」でした。こうしたくも膜下出血や脳の血管の病気は遺伝するものなんでしょうか?私は中年と呼ばれる歳になってきましたが、ちょっと心配しているところなんですが・・・。』というお便りでございます。
(小高)遺伝性があるのか、ですね。
(宮嵜)はい。くも膜下出血は、遺伝は普通はしないんですけれども、約1割ぐらいの方に家族性に起こる方がいらっしゃるんです。例えばご両親とかご兄弟がくも膜下出血で、ご自身もかかったという方がたまにいらっしゃいます。命に関わる病気ですので、もしもご家族の方でそういう傾向があるということであれば、ぜひ脳ドックを受けていただいて『動脈瘤』というくも膜下出血の原因なるものがあるかどうかを調べになることをお勧めします。一度受けていただいて問題が無ければ、よっぽどじゃなければそれで何か起こるというようなことにはならないので、安心できると思います。
(小高)そもそもこの「くも膜下出血」というのは何でしたっけ?
(宮嵜)まず脳は髄液という水の中に浮かんでいるような状態で、それによって守られているわけですが、その髄液を覆っている膜を「くも膜」といいます。そのくも膜の下にある血管が破れると、くも膜の下に血が充満してしまうんです。それによっても呼吸が止まってしまって、突然死んでしまう場合もあるというのがくも膜下出血の恐ろしいところですね。
(小高)発症したときの症状はどういうものですか?
(宮嵜)典型的には、後頭部をハンマーでガツンと殴られたような激しい頭痛が突然起こります。それだけではなくて、嘔吐や意識がなくなる場合もあります。そのまま突然死になってしまう恐れもある病気です。
(小高)そして病院に運ばれたときはどんな治療が行われるんですか?
(宮嵜)まずくも膜下出血かどうかを調べるためにCT検査をします。そこで出血があるということであれば、造影剤を使った検査で血管を調べて原因となっている動脈瘤を見つけ、緊急手術を行います。
(つボイ)先ほどの話に戻りますが、やっぱり脳ドックなどで自分の脳の状態をいつも把握しておくのが大切ということでしょうね。
(宮嵜)そうですね。特にお便りをくださった方のように、近しい方がくも膜下出血をされているなら、脳ドックの検査を受けられることをオススメします。
(つボイ)受けてなんでもないこともあるんですからね。
(宮嵜)もちろんそうですね。
(つボイ)なんにしても、ちゃんと管理をするというのが大切なことですね。
(小高)そうですね。ありがとうございました。一宮西病院の宮嵜章宏先生でした。皆さんも脳卒中や心臓病に関して専門家の先生に教えて欲しいことがあったら、このコーナーまでお寄せください。
(つボイ)質問お待ちいたしております。
(小高)「健康のつボ~脳卒中について~」でした。
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