CBCラジオ「健康のつボ~肩の痛みについて~」 第1回(令和4年4月6日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肩の痛みについて~」 第1回(令和4年4月6日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、梶田幸宏医師(一宮西病院  整形外科部長 兼 肩関節センター長)

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(小高)今日から『健康のつボ』は新シリーズです。肩の痛みについて。一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生にお話を伺っていきます。

(小高)肩の痛みは、結構たくさんの方が経験されてるんじゃないかな。

(つボイ)ありますよ~!誰でも知ってる五十肩とか四十肩とかね。加齢による影響もあるでしょうし、そもそも四十肩って何?というところ。

(小高)医学的にいうとどういう現象?と。

(つボイ)それ謎ですよね。そういうとこをちょっと教えていただきたいですよね。

(小高)はい。初回の今日は、肩の痛みの種類についてです。でもその前に梶田先生のプロフィールからお聞きしてますので、それもまとめてどうぞ!先生ね、肩の痛みの専門家なんですよ。

 

~~~~~~~~

 

(梶田)私は肩関節を得意としていまして、特にスポーツ障害であったり、肩の中でも肩の筋肉の損傷や骨折であったり、色々外傷に関してもよく診させて頂いています。

(小高)肩関節というと、整形外科?

(梶田)そうです。整形外科の中でも色々分野が分かれていまして、ひざ関節であったり、股関節や脊椎であったり、手の外科だったり、色々分かれてるんですけど、その中で僕は肩関節を得意としています。

(つボイ)スポーツに肩はまた絶対使いますもんね。

(梶田)そうですね。野球選手が多いですね。

(小高)じゃあスポーツ選手の皆さんも相談に来られたこととかあるんですか ?

(梶田)はい。実際には小学生や中学生が多いですけど、中にはプロ野球選手であったり、あとは高校生の選手も外来に来られます。

(小高)つボイさん、先生は実は日本肩関節学会常設委員会というところにいらっしゃるんです。

(つボイ)あらま!

(梶田)整形外科の中では各関節に学会があるんですが、肩関節学会、膝関節学会と色々学会がありまして、肩関節学会と肘関節学会の両方に所属しています。

(小高)特化するぐらい肩関節って複雑なものなんですか?

(梶田)他の股関節や膝関節と比べるとると、肩って骨と骨の接触面積が少なくて、筋肉が非常に大事な関節です。そのために肩関節は他の関節と比べると動きが大きい関節なんですけども、そのおかげで肩関節の中の筋肉の損傷のが多いせいで、野球選手とか、あとは高齢者のかた方でもよく運動するような方については、肩の障害が多いと言われています。

(小高)そういわれてみると、他の関節に比べてその肩の関節って左右・前後、グルっと回してとかね。

(つボイ)可動範囲が広いですね。

(小高)ね。いろんな動きをしますもんね。

(梶田)はい。肩関節は球関節(きゅうかんせつ)といって、いろんな方向に動くのが特徴です。

(つボイ)球関節って、球っていう字ですよね?

(梶田)はい。

(つボイ)球がこうなってるから色々といろんな方向に動きますもんね。

(小高)球が入っているんで、動きが滑らかでありいろんな方向に動く、と。

(梶田)そうです。

(小高)そんな中、肩関節で先生にかかるという方は『肩が痛い』っていうのがまず大きくあると思うんですけど、痛みっていうのはどこからくるんですか?肩の関節で言うと、どの辺りが痛くなるんですか?

(梶田)頻度で一番多いのは、高齢者の方で肩の腱板損傷(けんばんそんしょう)、腱板断裂(けんばんだんれつ)といって、筋肉が損傷を受けて痛みが出ることが一番多いです。中には肩が上がらない、いわゆる四十肩・五十肩で来る方もいらっしゃいますし、若い子で多いのは肩が緩くて抜けてしまう。

(つボイ)脱臼ですか?

(梶田)はい。いわゆる反復性肩関節脱臼といって、若い方ではそれで受診される方が多いです。

(つボイ)何回も抜けてしまう?

(梶田)そうですね。脱臼癖です。

(小高)よく野球選手で、『投手 肩を痛める』とかありますけど、そういうスポーツ選手が肩を痛めるのはどのあたりなんですか?

(梶田)スポーツ選手で肩を痛めるのは、1つはコンディションっていって体のバランスが悪くて痛めることが一番原因として多いです。どうしても肩の関節が悪くなってしまうので、肩の一方向にストレスが加わりやすくなって、バランスが悪くなって痛みが出ます。

(つボイ)たしかに野球の投手なんかは一定のやり方ばっかりですもんね。こっからいって振りかぶるという動きを何回もやっているから偏るんでしょうね。

(梶田)そうですね。それを繰り返すことによって肩の関節の一部が壊れてしまうのは原因としてよくあります。

(つボイ)やっぱり関節の中でも肩の関節が一番複雑であると。で、複雑であるということは故障も多いということでしょうね。

(梶田)そうですね。

(小高)でも肩を痛めると日常生活のいろんなところに支障が出ますもんね。

(梶田)そうですね。主婦(夫)の方で多いのはやっぱり「洗濯物が干せない」とかは外来で訴えられる方は多いです。

(小高)肩を結構上にあげるからね。

(つボイ)あんたもあんまり干さんけど、それは不精でやらないんだよね。

(小高)(笑)それは関係ない!そういうことではない!

 

~~~~~~~~

 

(小高)ね!肩の関節の専門家。ドラゴンズの選手も診てるってすごいですよね。

(つボイ)これ一口に肩の痛みといっても原因も痛みの種類も色々あるということですよ。

(小高)ですので、来週からはじっくり色々な肩の痛みとその原因、そして治療法なども教えていただきます。一宮西病院 整形外科部長 兼 肩関節センターセンター長の梶田 幸宏(かじた ゆきひろ)先生でした!『健康のつボ~肩の痛みについて~』でした。 

人工関節センター長の巽一郎医師が、韓国MBC(韓国文化放送)の取材を受けました

一宮西病院・人工関節センター長の巽一郎医師が、韓国のテレビ・ラジオ放送局MBC(韓国文化放送)の取材を受けました。韓国でも「ひざの痛み」でお悩みのご年配の方は非常に多くいらっしゃるようです。そんな中「手術をせずにひざの痛みを取り除ける医師が日本にいる!」ということで、今回の取材となりました。

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番組名:ドキュプライム
放送日:令和4年5月1日(日)7:10~(予定)
放送局:MBC(韓国文化放送
タイトル:「自分のひざで歩くご年配(仮)」

◎放送は韓国国内のみで、日本での視聴は出来ません。
◎放送後、一宮西病院のYouTubeチャンネルでダイジェスト版をアップロードする予定です。ご期待ください。

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 最終回(令和4年3月30日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 最終回(令和4年3月30日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院  不整脈センター センター長)

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(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(小高)不整脈について先生に教えてもらってきましたが、今日が最終回ということになります。ですので今日は改めて不整脈 総まとめ』でございますよ。では古川先生です !

 

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(古川)不整脈というのは一番初めに言いました、正常な脈以外を「不整脈と言います。代表的なのは、一発だけ出る期外収縮(きがいしゅうしゅく)、脈が少し早くなる頻拍(ひんぱく)、さらにもっと早くなる細動(さいどう)、それが心房や心室で起こるわけです。もう一つは脈が遅くなる不整脈です。元々持ってるペースメーカーが悪くなる洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)、途中の経路が遮断される房室ブロック、というのが代表的なものだと思います。

小高)まず不整脈発見して、その不整脈がどれにあたるのかというのを診断する。

(古川)はい。それには症状がある時には受診するってはもちろんですけども、症状がなくても年に1回は心電図をとるというのも大事なことだと思います。

(つボイ)心電図をとればどういう不整脈かというのもわかってくるんですか?

(古川)心電図があればわかります。ただ不整脈って難しいことに起こっているときしか心電図に現れないんです。ずっと不整脈が起こっていても心電図をとる5秒前に止まったとしたら、発見できなくなっちゃうんです。(心電図を)とらないとなかなか診断できないものであります。

(つボイ)ほぉ~。

(古川)心房細動に関しては脈がバラバラなりますので、これは心電図だけじゃなくて自分で脈をとる、これだけでもわかることがあります。日本の不整脈心電学会っていうのも、3月9日を脈の日として『脈をとりましょう』っていうことを推奨しています。

小高)自分でもとってみましょう、ということですね。

(古川)そうですね。そこでちょっと脈が乱れていれば心房細動が早く発見できます。心房細動というのは脳梗塞の原因になったりしますので、早く見つけるのは重要なことだと思います。

(つボイ)脈をとるのはお医者さんの役割みたいな感じがしますけど、僕ら素人が触ってどんなものが分かるんですか?

(古川)自分で今触ってみたら、多分一定のリズムだと思うんですけれど、期外収縮の人は何発かに1回脈が飛びます。心房細動の人は完全に乱れます。バラバラになる。

(つボイ)素人でもわかる?

(古川)わかります。

小高)なんかね、心房細動は脈がトトントントントーン・トトトトンみたいになるよ。

(つボイ)モールス信号やん!

小高)へへへへへ(笑) 心房細動はわかりやすいですけど、自分で感じないけれど脈をはかってみると「なんだこれ!」という人も結構いるみたいですよ。

(古川)そうですね。

小高)そういった健康診断などで心電図をとってみたり、時々自分の脈を確かめてみたり、そういったところで不整脈っていうのが感知できると、今度はその不整脈がどんなものなのかっていうの診断できる。

(つボイ)診断できると、今度はそれに合わせて治療法が分かれてくる、と。

小高)治療法もいろいろありましたもんね。

古川)一番よく昔からされているのが薬物治療」です。でも最近は薬物よりも、とくに心房細動に関しては「アブレーション」ってのが大きな役割を果たすようになってきています。これは安全性が高くなりましたし、有効性も高くなったってことだと思います。

小高)アブレーションというのは改めてめてどういうのでした?

古川)アブレーションはカテーテルを心臓にまで持って行って、不整脈の原因となるところを焼くことでその不整脈を根治させる。それをアブレーションといいます。

小高)ずっと心臓まで管を通して、それでジュっと焼くという。

古川)はい。最近では焼くだけでなく、冷やすというタイプのアブレーションもあります。

小高)真逆ですね。

(つボイ)これは暑がりのひとは冷やす、寒がりの人は焼くというね。

小高)そうではないでしょ(笑)

古川)そうではないです(笑)

小高)本当にジュッて焼くか、凍傷じゃないですけど…。

古川)そうですね。凍傷と同じような原理で細胞を障害させるか、焼くことによって細胞を障害するかの違いです。

小高)で、不整脈によってはペースメーカーとか、除細動器を体に埋め込むというときもありましたね。

古川)ペースメーカーはあくまでも脈が遅くなったときに働くもので、よく患者さんも「ペースメーカーを入れているのに脈が設定されている以上の脈です」と不安がる方もいるんですけど、ペースメーカーはあくまでも脈が遅くなったときだけ働くものなんです。脈が遅くなってその患者さんが気を失うだとかフラフラするというのを防ぐためのものがペースメーカーであって、自分の脈が速くなったりすることもあります。なので、「ペースメーカーの私の設定は脈拍60なんです。なのに脈が70です」というのはよくあることです。異常なことではないです

小高)はい。そういったいろんな治療法なんかもあるわけですけれども、私たちが自分でできることって言ったらやっぱり、定期的な検診で心電図を測ってもらうことっていうのと、それから時々自分で脈をチェックしてみましょうということですね。

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)不整脈にも色々あるということを教えていただきましたけどね、ここでもやっぱり大切なのは『早期発見・早期治療』ということでしたね。

小高)そうでしたね。そしてそのためには普段から自分でちょっと脈を測ってみたりに、40歳を過ぎたら年に1回は心電図の検査も受けましょう。そしてすべての病気の元になると言っても過言ではない生活習慣病にも、やっぱり心臓も不整脈に関しても気をつけてくださいよ、ということでした。

小高)一宮西病院の古川善郎(ふるかわ よしお)先生でした!

(つボイ)3か月間、本当にありがとうございました!!

小高)『健康のつボ~不整脈について~』でした。 

 

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一宮西病院・人工関節センター長の巽一郎医師が、雑誌「毎日が発見」の特集記事『全身に効く歩き方』の監修を務めました

雑誌「毎日が発見」(2022年4月号)において、一宮西病院・人工関節センター長の巽一郎医師が、特集記事『全身に効く歩き方』の監修を務めました。

媒体名:毎日が発見(2022.4 No.219)
特集タイトル:保存版 いま覚えれば一生使える「全身に効く」歩き方

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巽医師の医療講演をおさめたYouTube動画も、あわせてご覧ください。

www.youtube.com

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第12回(令和4年3月23日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第12回(令和4年3月23日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院  不整脈センター センター長)

(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(小高)さぁ、色々な不整脈について教えてもらってきましたよ。

(つボイ)気にしなくて良いものから治療が必要なものまで、不整脈にもいろいろありましてね。そもそも不整脈に予防法なんてものがあるのでしょうか?

(小高)はい。古川先生です 。

 

~~~~~~~~

 

(古川)予防は非常に大事なことだと思うんですけども、なかなか難しいことなんですね。例えば一番多い「心房細動」に関して言いますと、高血圧ですとか糖尿病っていう、こういった生活習慣病というのが心房細動の発症するリスクを上げるというのが分かってきています。ですから、そういった高血圧とか糖尿病を予防する・ならなくする、あるいは起こってもそれをコントロールするということは非常に重要なことだと思います。

(小高)心筋梗塞も色んな不整脈を引き起こす、というのは時々出てきてましたが?

(古川)心筋梗塞など心臓が悪くなっても心房細動も起こりやすくなりますし、心室性の不整脈も起こりやすくなるんですね。だから心筋梗塞もやはり高血圧とか糖尿病、2つともリスクになります。あとコレステロールもそうですし、タバコもそうですね。そういったことは心筋梗塞の発症リスクになりますので、こういったことがやっぱり避ける方が不整脈も最終的な起こりにくくなると言われています

(つボイ)タバコが出ましたが、お酒はいかがでしょうか?

(古川)お酒は、実は心房細動を起こしやすくします。

(つボイ)(小高)あれっ!

(小高)ピッタリ符合!

(つボイ)そうなんですか!?ちょこっとでもアカンの?

(古川)これは…実は…どうかなんですよね。僕も実はお酒好きなんで、だから…お酒を飲めない人生というのも味気ない気がしますので…。

(つボイ)はいはいはいはい!

(古川)少しくらいならもちろん良いでしょうし、全てダメというよりは、そういうことも含めて生活していくのが良いんじゃないですか?

(小高)先生、お酒には甘いですね(笑)

(つボイ)先生、その『少しなら良い』というのがね、僕の少しと小高さんの少しじゃ全然違うんですよ!

(小高)いやっ…ほかの病気でもそうですけどやっぱり適度な量であれば良いんだけれども、あまり体に負担をかけるような飲み方をすると、いろんな病気を引き起こしてしまうんですよね。

(古川)もちろん暴飲暴食は避けるべきですね。

(小高)そうですね。お酒によってやっぱり不整脈が起こるリスクが高くなる、という意味では気をつけましょう、ということですね。

(古川)そうですね。

(つボイ)納得できましたか?

(小高)先生、今度飲みに行きましょう!(笑)

(つボイ)ハハハハハ!

(小高)気をつけながらね。

(古川)ぜひぜひ(笑)

(つボイ)一緒に飲むと「それはいかんで!」とか「その飲み方はええ」とかを教えてもらえそうですね。

(古川)僕が注意されるかもしれないですね。

(小高)でもまとめるとやっぱり生活習慣病に気をつけたほうが良いですし、特に不整脈は心臓の症状なので、心臓の病気にならないように、そこの原因につながるような行動や生活習慣は控えましょう、ということです。

(古川)ただ、心房細動に関して言えば、心臓細動はそれだけでも心機能を悪くしちゃうんです。悪くするとまた心房細動が起こりやすくなる。これ無限ループといいますか、心房細動が心不全を起こして、心不全が心房細動を起こして…となってしまうので、どこかで断ち切るのが必要だと思うんですね。こういった心機能が悪い方に関してはアブレーションが最大の治療であり最大の予防になるかなと思います。

(つボイ)でもその前に健康診断とかなんかで、心電図とかそういったもので異常とかを早く発見すうのも大切ですよね。

(古川)そうですね。がんとかも「早期発見・早期治療」が良いといわれていますけれど、心房細動に関してもその通りで、早ければ早いほど治しやすいものなんですね。ただ、心房細動の症状って、小高さんは「動悸がドキドキして…」とおっしゃっていましたが、全員が全員そうではないんですよ。中には症状が全くないという方もいます。そういった方は自分が心房細動だと気づかないとなりますので、やはり年に1回、特に年齢を高くなればなるほど心房細動起こりやすくなってきますので、四十歳を超えた頃にはもう毎年、やっぱり1年に1度は心電図をとるということも重要じゃないかと思います。

(つボイ)なるほど。なんにしても早期発見・早期治療ですね。

(小高)そして節度ある生活!

(つボイ)適度なお酒!

(小高)気をつけましょう!

 

~~~~~~~~

 

(小高)だから心機能を落とさないためにも、やっぱり生活習慣病には注意しましょう、ですね。そして40歳以上は年に1回の検査が大事。

(つボイ)そしてアルコールは適量に!ということでございます。

(小高)先生、お酒にちょっぴり甘かったですね(笑)。さぁ、来週は不整脈をおさらいしていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。 

 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第11回(令和4年3月16日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第11回(令和4年3月16日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院  不整脈センター センター長)

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(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(つボイ)はい!いろんな不整脈の中でも、心室性の不整脈は怖いぞということでした。

(小高)怖いものもありますよということでしたね。特に「心室細動」、これはもう突然死に至ることもあるので要注意ってことでしたよね。

(つボイ)ね~。心室細動を考えるには不整脈だけでなく心臓の病気を考えておくことが必要、ということでしたよね。

(小高)はい。そんな怖い心室細動には、一体どんな準備をしておけばいいんでしょうか?古川先生です 。

 

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(古川)一番昔からされているのは薬物療法、お薬による治療だと思うんですけどね。ただこれも、1990年代から不整脈に対する治療っていうのは臨床研究がされてたんですけども、ほとんどの薬というのは、特に心機能が悪い人、心筋梗塞ですとか心筋症っていう心臓の悪い人に対しては不整脈の薬というのは実はほとんど使えないんですね。不整脈の薬は心臓を抑え込もうとするお薬なんで、やっぱりそういった心機能の悪い人に使うべきでないっていうのが今はわかってきています。

(小高)これまでの先生の話を聞いていると、お薬ももちろん有効な時もあるんだけど、どちらかと言うと今ある状態をちょっと抑えるとか引き延ばすみたいな感じで、これで治るっていうものではないんですね。

(古川)そうです。しかも今回相手は突然死を起こすわけなので、例えば突然死を起こさない不整脈でしたら、お薬にしてもアブレーションっていう方法にしても、もし再発してもその時はもう一度治療すれば良いという考えもできるんですけども、この突然死を起こすような不整脈は、次に起こった時に対応できなければその人は亡くなってしまうかもしれないわけですので、やっぱりそういった状況を防ぐ、突然死を防ぐというのが一番重要なことになってくると思います。それが植え込み型除細動器というものなんですね。これはペースメーカーよりもちょっと大きいんですけども、同じように鎖骨の下に組み込んで、リード線を心臓まで入れておくんですね。そのリード線が心臓の動きを認識してて、ひとたび不整脈が起こった時は、よくテレビとかで電気ショックをドンってするような…。

(小高)AED

(古川)そうです。電気ショックをすると思うんですけど、それをこの機械がやってくれるというものです。

(小高)AEDの役目をするような機械を植え込んでおく?

古川)AEDはそこに倒れている人に貼るという行為が必要なんですけど、これはもう植え込んでいますので24時間ずっと監視してくれるわけなんです。

(小高)じゃあもうその子(機械)が「やらなきゃ」ってときにドン!とやってくれるんですね。

(古川)そうです。最近では皮下植込み型の除細動器も出ています。植込み型除細動器のことをICDって言うんですけども、皮下植え込み型除細動器は SICD と言ってます。これはわき腹にいれて、リード線を心臓の前の皮膚の下に植え込んで、そこでずっと監視して、同じように不整脈が起こったら電気ショックをするっていう方法があります。

(つボイ)ほーん…。

(古川)こういうのを植え込んでおいて、お薬ですとかアブレーションっていうのは確かにそれで有効なこともあるんですけども、あくまでも現段階では補助的役割と言いますか、回数を減らすっていうことがメインの考えになっています。

(小高)緊急度が高いので、そういった場合にはお薬であったりアブレーションであったりで対応て、最終的な治療を目指すというところでいくと、この除細動器が…。

(古川)あ!除細動器はあくまで治療ではなくて、起こった不整脈を止めるだけです。不整脈を予防するわけじゃなくて、あくまでも起こった時に電気ショックを与える。で、電気ショックで不整脈を止めて、突然死を予防するものです。不整脈自体は起こるかもしれないけど、起こっても大丈夫なようにするってのが ICD の役割です。

(つボイ)ICDというのは、1回使ったらどのくらい使えるもんなんですか?

(古川)電気ショックを何回も何回もやったら電池の寿命は短くはなりますけど、一度も使わなければ、最近のものは長くなってきていて7年8年ぐらいは保つようにはなってきています。

(つボイ)7~8年と…。

(小高)どのぐらい不整脈を起こしたかとか、どのぐらい除細動器が稼働したかっていうことも含めながら、定期的に調子を見て、様子を見ていくということになるんですね。

(古川)そうです。もちろん不整脈が何回も起こるようであれば、アブレーションをしてその回数を減らすのが重要にもなります。ICD は植え込んでいるんですけど、あくまでもお守りっていう状態にするのが一番いいと思っています。もし起こっても大丈夫なようにしている、というのがICDの役割です。

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)はい。心室細動が考えられる時には、植え込み型除細動器とのことです。

(小高)除細動器は心室細動治療法、つまり治すというものではないですね。心室細動が起こった時にそれを止める役割、だから先生もおっしゃていた「お守り」のようなものということでした。

(つボイ)はい!

(小高)来週も古川先生に不整脈について教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。 

 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第10回(令和4年3月9日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第10回(令和4年3月9日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院  不整脈センター センター長)

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(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(つボイ)はい!先生にはね、不整脈のいろんな種類を教えていただいていますよね。

(小高)不整脈というのは“正常でない脈を打つ”、これが不整脈。でも時々起こる期外収縮(きがいしゅうしゅく)と呼ばれるものは特に治療する必要があるわけではないということでしたよね。しかし、脈が遅くなる「徐脈」と脈が早くなる「頻脈」、どちらにも治療が必要な不整脈はいろいろあるということも教えていただきました。今日はそうした不整脈の中でも死に至る可能性の高い、つまり一番怖い不整脈ということですよね。これを教えていただきます。

(つボイ)ちょっと怖い話ですが、勉強しようと思います!

(小高)古川先生です。

 

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(古川)怖い不整脈、特に突然死をきたすような不整脈として「心室性」の不整脈というものがあります。

(小高)心室…心臓の下のお部屋ですよね。

(古川)そうですね。心室というのはポンプとして働いているところでして、この不整脈が起こるとポンプとしての機能が破綻することによって、失神するですとか、それが長く続くと突然死ってことが起こる可能性のある不整脈です。

(つボイ)心房性よりも心室性のほうがビックリせないかん話ですかね。

(古川)まぁ怖い不整脈は含まれています。不整脈の種類というのは、心房が原因のものだと、単発の「期外収縮」、ちょっと心拍が早くなる「心房頻拍」、さらに速くなる「心房細動」の3つを紹介したと思うんですけども、心室(が原因のもの)も一緒で、単発の心室性期外収縮心室頻拍」さらに早い心室細動の大きく3つに分かれます。

(小高)まず一番怖いのはどれですか?

(古川)特に怖いのは心室細動だと思います。心室細動のことを考えるには、まず不整脈だけでなくてベースになる心臓の病気を考える必要があります。例えば心筋梗塞とか、心筋症といって心臓の機能が悪くなった人、そういった人っていうのはこういった心室細動とか心室頻拍を起こして突然死する可能性も出てきますね。

(小高)別の心臓の病気を持っている人が、この心室細動という状況を引き起こしやすい、ということですか?

(古川)そうですね。ただそれだけじゃなくて、心臓自体はパッと見たら正常なのに心室細動を起こすような疾患(病気)もあります

(つボイ)あらま!

(古川)それが、ブルガダ症候群というものがあるんです。これはエコーで心臓を診たときに、エコーは超音波で心臓の動きを見るもんなんですけども、心筋梗塞とか心筋症で心臓悪いと、心臓の動きが悪く見えるんですね。エコーで診てもまったく正常なのに突然死をきたす疾患としてブルガダ症候群は一番有名です。これは普通に撮った心電図でちょっとした異常がありまして、こういう人が多いというのは言われています。

(つボイ)それは健康診断とかそういうので見つかるわけですか?

(古川)ただそういう心電図の形がおかしいって言うだけでは、多く人は何も起こらないことがほとんどです。でも過去にやっぱり突然死をきたしかけて病院に来た人見ると、やっぱりそういった心電図が多かったりします。突然死まではいかなかったですけど失神して、途中で心室細動が止まれば目が覚める・あるいは意識は戻るわけですから、そういった失神という前段階を経ることもあるので、そういう人は要注意になってきます。

(小高)心室細動で突然死する場合もあるって先生をおっしゃってましたけれども、その心室細動の危険性がありそうだなとか、心室細動にちょっと気をつけた方がいいですよっていうのは多分心電図を測ったり健康診断なんかでわかるんでしょうけど、それでも心室細動にバーンってなっちゃったらもう救急車で運ばれるとかそういうレベルのものそうなんですか?

(古川)そうですね。救急車で運ばれて蘇生するという方もいっぱいいらっしゃいます。けれども、まずはやっぱりそういったリスクを考えて前もって対応するっていうのが重要なことかと思います。

(小高)じゃあ、そういった危険性がある人は、しっかりとお医者さんに診てもらわないといけないということですか。

(古川)はい。あともう1つ最初に言った「心室性期外収縮」、これに関しては多くの場合は突然死につながることはほとんどないと思います。単発の場合はそんなに心配することはないんですけど、中には心筋梗塞があったとか、心筋症があったという方もいらっしゃいますので、そういった方はやっぱりエコーをとるですとか、一度精密検査をした方がいいのかもしれません。

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)気をつけないかん、ということですね!

(小高)そうですね。心室性の不整脈というのはちょっと気を付けたほうがいいかもしれません。来週はそんな心室不整脈の治療法を古川先生に教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。 

 

 

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