放射線被曝ゼロの心房細動クライオアブレーションに成功しました

一宮西病院・不整脈科は、治療中の放射線被曝がない心房細動に対するクライオアブレーションに成功しました。
The Ichinomiyanishi hospital Cardiac Arrhythmia Service offers the latest diagnostic and treatment options to manage heart rhythm conditions. Our team performed over 1300 catheter ablation procedures, including over 300 fluoroless catheter ablation procedures. Our team of experienced electrophysiologist, medical engineers and nurses made a success of fluoroless cryoballooon ablation for atrial fibrillation on September 2017.

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※画像提供:日本メドトロニック株式会社

心房細動の問題点と治療について
心房細動の発症により、死亡率が上昇し、脳梗塞心不全認知症の発症リスクを高めることから、心房細動に対する根治療法が求められてきました。薬物療法では心房細動を根治できないため、根治療法として経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)が国内でも広く行われるようになっています。

医療被曝について
近年、検査治療に伴う放射線被曝(医療被曝)が健康に影響を及ぼす可能性が懸念されており、医療被曝は合理的で達成可能な範囲内で最小限にすることで、医療被曝を低減することが求められています。

心房細動治療における医療被曝について
心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術における放射線被曝の程度を知る指標として、治療中の透視時間があります。日本不整脈心電学会では2013年から毎年9月に行われた心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術について全国調査を実施し、その概要を発表しています。2016年の調査では心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術中の平均透視時間は46分でした。治療中、46分間放射線を浴びていたことを示しています。

当院不整脈科の取り組み
一宮西病院・不整脈科では、治療中の医療被曝対策として、2015年から経皮的カテーテル心筋焼灼術中の透視時間が0分で治療(放射線被曝ゼロのカテーテルアブレーション)を行なっています。