連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 第11回

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第11回 足の指が痛い、指先の色が悪くなったら要注意!

冬場に足の外来をやっておりますと、やはり「重症下肢虚血」の患者様のご紹介が増えてまいります。寒くなる12月ごろから○○で、という内容で症状を訴える方が多いです。では足(足の指)は本当に「いきなり」黒くなるのでしょうか?あるデータによれば「跛行(はこう)」症状のある方が治療を受けられなかった場合、5年で約5~10%の方が「重症下肢虚血」に移行すると言われています。一方あまり歩かないために、前駆症状である「跛行」症状に気づかず過ごした場合は「いきなり黒くなった」と思われます。そのため早期発見のためにできることは、ABIを測る・跛行症状がないかどうかを調べるということです。

さて、動脈硬化によって出来たり治らなかったりする足の傷の特徴は、心臓から遠い場所にできるというもので、足の指先の潰瘍や黒色化がそれに当たります。一方、糖尿病で出来る足の傷は、足の変形や感覚障害のために母趾(ぼし)の外側など靴の圧迫を受ける箇所や、荷重がかかる箇所(人によって様々)です。また糖尿病を長く患っている方ですと、神経障害によってすごく痛そうに見えても、ご本人は全く痛くないということもあります。

冬場に入って足の指が痛い、指先の色が悪くなったら要注意ですので医療機関に是非ご相談下さい。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)