連載企画 『これだけは知っておきたい!心臓の病気のお話』 第4回

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第4回 死亡率30%!恐ろしい病気、急性心筋梗塞

以前のコラムで、日本人の死因の第2位が「心臓病」というお話をしました。その心臓病で亡くなる方の半数以上が心筋梗塞だと言われています。

心筋梗塞は、心臓に栄養を送る冠動脈が動脈硬化で完全に詰まってしまい、心臓が壊死してしまうという命に関わる病気です。突然発症することが多いので「急性心筋梗塞」と呼ばれます。急性心筋梗塞では約3割の方が亡くなると言われていますが、亡くなる方の多くは、発症して1時間以内に病院にたどり着く前に亡くなってしまいます。逆に、急性心筋梗塞を発症しても病院に着くことができれば、死亡率は約7%にまで下がると言われています。

急性心筋梗塞は「突然の胸痛」で発症します。狭心症の症状が前兆となる場合もありますが、何の前触れもなく突然発症することの方が多いと言われています。狭心症のように「締め付けられるような胸の痛み」ですが、狭心症と違い安静にしても治まることはなく、我慢できない痛みのため多くの方は救急車で病院に運ばれてきます。冷や汗や嘔吐を伴うことも少なくありません。ただ、ご高齢の方や糖尿病をお持ちの方の場合、胸の痛みを感じにくく症状が典型的でない場合があり、気付かない間に心筋梗塞を起こしてしまっているという方もいますので注意が必要です。では、どのような方が心筋梗塞を起こしやすいのでしょうか?

次回は心筋梗塞を起こしやすい持病、リスクについて詳しくお話したいと思います。

一宮西病院 循環器内科 医長 寺村 真範(てらむら まさのり)