連載企画 『これだけは知っておきたい!心臓の病気のお話』 第7回

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第7回 心臓のCTで狭心症がわかる!!

胸の苦しさを訴え病院を受診された方で狭心症心筋梗塞が疑われた場合、我々はまず「心電図」を見ます。心筋梗塞の方の多くは強い胸痛が治まらないため救急車で来られ、心電図を見ればほとんどの方はすぐに診断がつきます。そして心筋梗塞の診断がつけば救命のための緊急手術(心臓カテーテル治療)が行われます。一方、狭心症の方の場合、症状は労作時や運動時などの一時的な胸痛であり病院受診時には治まっている方も多く、心電図をとっても変化がないことが多くあります。つまり心電図が正常だからと言って大丈夫とは言い切れないのです。そんな時には心臓の「冠動脈造影CT」検査が非常に役に立ちます!

CTとはX線を利用してからだの断面写真をとる検査のことですが、造影剤(ぞうえいざい)という血管を映す薬剤を注射し心臓の断面写真を取ることで、心臓の冠動脈の隅々(ほんの2~3mm)まで詳しく見ることができるのです。狭心症の方のほとんどはこの「冠動脈造影CT」によって診断することができます。

冠動脈造影CTは外来で行う検査で、撮影時間も10分程度です。糖尿病・高血圧・高脂血症などの持病や喫煙習慣をお持ちの方は、「冠動脈造影CT」を一度受けられてみてはいかがでしょうか。

一宮西病院 循環器内科 医長 寺村 真範(てらむら まさのり)