7月14日(土)、救急超音波検査の世界的権威であるDr.Blaivasが来院され、医師を対象に「人工知能と救急超音波」について講義いただく機会を得ました。超音波検査は短時間でリアルタイムに臓器の情報が得られるため、救急外来でもよく使われるものです。我々救急医も日常のように使用して、救急患者の診療にあたっています。
さてその“超音波検査”と、いま話題の“人工知能”がどのように結びつくのか…と不思議に思う人もあるかもしれません。最先端の人工知能は、超音波検査で得られるリアルタイムな画像を高精度に認識することができ、その精度の高さは熟練の医師に劣らないことが科学的に証明されています。Dr.Blaivasによると、その技術を応用してリアルタイムな画像を人工知能が判断し、最適な画像が得られるまでをナビゲーションする装置がすでに開発されているとのことでした。
検査のための探触子を体に当てる最適な位置や強さは、患者さんによって個人差が大きいため、超音波検査をするにはある程度の習熟が必要です。実際にその人工知能の入った超音波検査装置を、医療者ではない素人の人に持たせてみると、非常にキレイな心臓の超音波画像がナビゲーション通りにするだけで得られていて驚きました。スマートフォンに接続して検査ができる装置がすでに米国では承認され、低価格で医療者なら聴診器代わりに超音波検査装置を持ち歩く時代ももうすぐそこまで来ているようです。
「街と人が明るく健康でいられますように」という病院理念のもと、当院では最新の設備と高度な医療技術の提供を目指しておりますが、そのための基礎となる“医療者側の学習の機会”も設けて、今後も努力して参りたいと思います。
一宮西病院・総合救急部 部長 安藤裕貴
◎Dr.Blaivas 略歴
Michael Blaivas (マイケル・ブレイバス)
米国救急専門医、MBA
ミシガン大学卒
ジョージア工科大学MBA
マサチューセッツ工科大学スローン校のAIコース履修