CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について③~」 第3回(平成31年4月17日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について③~」第3回(平成31 年4月17放送内容) 
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺本智彦医師(一宮西病院循環器内科部長・ハートセンター副センター長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~心臓病について~』。日本人の死因の第2位の心臓病について専門の先生のお話を伺っております。ゲストは一宮西病院・循環器内科部長でハートセンター副センター長の寺本智彦先生です。こんにちは。

(寺本)こんにちは。よろしくお願いします。

(小高)今回お送りしている心臓病のシリーズではですね、寺本先生のご専門である、心臓病への内科的なアプローチを中心に伺っております。1回目と2回目は寺本先生のご専門のカテーテルについて色々伺ってきたんですが、今日は改めて『主な心臓病』についてもう一度ちゃんと教えていただこうと思います。

(寺本)はい。心臓の周りには、心臓に血液を送る冠動脈があります。皆さんのよくご存知とは思いますが、冠動脈が詰まってしまう・閉塞してしまう病気が「心筋梗塞」です。

(つボイ)私ですね。

(寺本)あとは、詰まってはいないんだけど狭くなっているのが「狭心症」です。今のは心臓の外を走る血管のお話なんですけれど、今度は心臓の中をパカッと割ると、血液が逆流してこないように「逆流防止弁」という扉みたいなものがついているんですが、そこが狭くなってしまうこともあります。例えば、左心房と左心室の間には僧帽弁という弁がついているんですが、そこが逆流してしまう「僧帽弁逆流症」だとか、狭くなってしまう「狭窄症」だとか、こういうのを「弁膜症」を言います。

(小高)弁の病気ですね。

(寺本)はい。もう1つ大きなものが、「不整脈」。

(小高)私だ。私は不整脈から「心房細動」っていうのになりました。普通は規則的に鼓動を打って血を送り出すんだけれど、それが震えるみたいな状態になるんですよね。

(寺本)そうですね。“心房が細かく動く”と書くんですけど。

(小高)そうそう。そうすると、本当は規則的に出している血液がそこに溜まったりして血の塊ができちゃって、それが下手すると脳に飛んで「脳梗塞」になる危険があるって言われた!

(つボイ)ありゃ!心臓と脳はちょっと離れていますけれど、関連してくるんですね。

(寺本)そうですね。全員がそうなるわけではないんですけれど、原因の一因ではあります。

(小高)「リスクが上がるのでちゃんと治療しようね」って言われました。

(つボイ)ちゃんとしてあるの、治療は?

(小高)おかげさまで、治療して心房細動はなくなりました。それもカテーテルで治療して。

(つボイ)ということは、カテーテル治療はいろんなところで役に立つんですね。

(寺本)そうですね。なんとなくカテーテル治療って聞くと血管を広げるような治療が多いようなイメージがあるかもしれないんですけれど、「アブレーション治療」も大きな流れの一つで、カテーテルで電気の流れを焼いてしまうような治療もすごく盛んに行われています。

(つボイ)カテーテルは広げるだけじゃなく焼くこともできるんですね。

(寺本)カテーテルは純粋に「管」のことを指すんです。

(つボイ)そうか。その先に色んな器具がつけられるんですね。

(寺本)仰るとおりです。

(小高)つボイさんはカテーテルで詰まった血管を広げた。

(つボイ)それでステントをそこまで運んでいきましたね。

(小高)私は心臓の変な電波を出すところを焼いた、という。だからカテーテル治療といっても様々あるんですね。

(つボイ)本当にカテーテル治療には色んな可能性があるんですね。

(寺本)そうですね。最近は、さっきお話した左心室と大動脈の間にある大動脈弁が狭くなってしまう「大動脈弁狭窄症」の治療もカテーテルでできるんです。TAVI(タビ)と呼ばれる、先進医療の1つなんですけれど。

(つボイ)患者さんの負担が全然違いますよね。

(寺本)そうなんですよ。一般的には弁膜症の治療は胸を開けないといけないと言われていましたので、それがカテーテルで出来るんですから。

(小高)でも、胸を開ければ状態が直接見られるわけですから、そこで手術を行っていくっていうのは素人考えでもわかりやすいんですけれど。

(つボイ)分かりやすいし、治療しやすいですよね。患者さんの負担は大きいですけれど。

(寺本)そうですね。外科の先生の手術というのは、習熟度でいえばものすごく必要なんですけれど、カテーテルもやっぱりすぐにはなかなかできないですね。ただ外科の先生の手術ほどは経験や習熟年数は必要ないと思います。

(小高)いや~ちょっとなんか謙遜して・・・。

(つボイ)20年やってきてるから・・・。

(小高)やっぱり、習熟の技術の種類が違うという感じがしますね。

(寺本)そうかもしれないですね。

(小高)おかげさまで、ありがとうございます。

(つボイ)本当ですよ。

(小高)ということで今日も一宮西病院の寺本智彦先生にお話をお伺いしました。ありがとうございました。

(寺本)ありがとうございました。

(小高)皆さんも心臓病や脳卒中に関して、専門家の先生に教えて欲しいことがあったらこのコーナーまでお寄せください。

(つボイ)お待ちいたしております。

(小高)「健康のつボ~心臓病について~」でした。

 

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