CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について③~」 第8回(令和元年5月22日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について③~」第8回(令和元年5月22放送内容) 
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺本智彦医師(一宮西病院循環器内科部長・ハートセンター副センター長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~心臓病について~』。日本人の死因第2位の心臓病について専門の先生にお話を伺います。ゲストは一宮西病院・循環器内科部長でハートセンター副センター長の寺本智彦先生です。よろしくお願いします。

(寺本)よろしくお願いします。

(小高)このコーナーでは代表的な心臓病について色々伺ってきました。つボイさんはこの前の弁膜症のお話を一生懸命聞いておりましたね。

(つボイ)はい!一生懸命聞きましたよ~。

(小高)先生あのね、私はこの間、狭心症の検査をしたんですよ。お医者さんに「心臓がクーっとなるんですけど」って聞いたら、「狭心症の検査をしましょうか」って言われて検査したんです。まぁ大丈夫だったんですけど、そもそも「狭心症」というのはどういう病気なんでしょうか?

(寺本)狭心症は、狭い心って書くけれど別のケチな人のことではなくてですね。

(小高)今グサッときた!違う違う・・・。

(寺本)心臓に栄養を送っている冠動脈という血管があるんですが、この冠動脈が動脈硬化などで狭くなって、そのために体を動かしたり運動したりとかして血圧が上がる・脈が上がる・心臓がもっと仕事しなきゃいけなくなった時に、狭くなった所から先に十分な血液が送れなくなって胸が苦しくなることがあります。これが一般的な「狭心症」です。教科書的に言うと、放散痛(ほうさんつう)と言って、痛みは胸の一箇所だけではなくて、胸からずーっと下あごのほうにきて歯茎がグッと持ち上がるな感じがするとか、左肩から左腕がだるくなったりする症状もあります。ピンポイントにここだけ痛いというよりは、放散痛で痛みが色んなところに移動していく場合が多いです。

(小高)じゃあ歯が痛いってときにも、心臓が原因だったりすることも?

(寺本)そうですね。胸が痛みの始まりなことが多いので歯だけが痛いという場合はあまりないんですが、患者さんが「胸が苦しくなって歯茎が持ち上がるような感じがする」と訴えられると、狭心症の可能性が高いと思います。

(つボイ)狭心症の原因は何なんですか?

(寺本)やっぱり一番は「動脈硬化」です。

(つボイ)いわゆる、冠動脈が硬くなる?

(寺本)そうですね。血管の中にコレステロールなどのゴミみたいなものが溜まってきて血管が硬くなってしまうのが狭心症の原因です。その「冠動脈硬化症」の危険因子ということになると、コレステロール・糖尿病・血圧・タバコ・遺伝の5つはとても大きな危険因子といわれています。

(小高)放っておくとどういうことになるんですか?

(つボイ)苦しいのは、放っておくと治るんですか?

(寺本)難しいところなんですが、一般的に言うと運動していたときなどに苦しくなるので、休むと良くなることが多いです。ただ、また同じように動くと苦しくなるなど、再現性があるのが特徴です。

(小高)でもしばらくして治っちゃったら、「なんでもなかったな…」と思って病院に行かない危険性もでてきますよね。

(寺本)そうなんです。例えば、毎日通勤で駅まで10分歩いたときに、週3回ぐらい同じような症状がでると大体の方は心配になって来院されるんですよ。ただ、これが人間の身体ってうまくできていて、その苦しいのにだんだん慣れていくことあるんですね。身体が調節しちゃうんです。このように調節がついてしまうと、さらに1段階危険な状態にならないと病気が見つからないことになりますので…。

(小高)さっき先生が、動かないと症状が出てこないっておっしゃっていて、私も検査の時にベルトコンベアの上を一生懸命歩いてから心電図を測りました。やっぱりそういう状態にして心電図を測らないと、よくある健康診断とかでは病気が分かりにくいんですか?

(寺本)おっしゃるとおりです。狭心症は、一般的な心電図だけでは診断がなかなかつかない。体が動いて血圧が高くなって脈拍が上がって、心臓の仕事量が増える状況で初めて発作が出るというのが狭心症なので、安静時の心電図だけでは診断はなかなかつかないんです。さっき小高さんがおっしゃったように、運動してから心電図をとって変化が出ていると、狭心症の可能性があるという診断になっていきます。

(つボイ)小高さんは検査で四股を踏んだり、いろいろやったわけですね。

(小高)やってないですよ!なんで四股を踏むの!走っただけです!先生、狭心症の治療法は?

(寺本)治療法は3つあって、お薬(薬物療法)、僕が専門としているカテーテル治療、そして外科の先生がやられるバイパス手術。この3つが大きな治療の三本柱になります。

(つボイ)この治療も早め早めにするのがいいんでしょうね。

(寺本)そうですね。

(つボイ)分かりました!

(小高)今日もお話を伺いました、一宮西病院の寺本智彦先生でした。ありがとうございました。

(寺本)ありがとうございました。

(小高)皆さんも、心臓病や脳卒中に関して専門家の先生に教えて欲しいことがありましたら、このコーナーまでお寄せください。「健康のつボ~心臓病について~」でした。

 

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