CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第2回(令和2年4月8日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科副部長)
(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科副部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。
(つボイ)よろしくお願いいたします。
(竹下)よろしくお願いします。
(小高)先週は、死亡者数ががんの中で一番多いのは肺がんであるとお話いただきました。
(つボイ)ただ、ここ数年で5年生存率は著しく改善しているということで、それはちょっと私はいいなと思いましたね。
(小高)希望がね。
(つボイ)ということでしたよね。
(竹下)はい、その通りです。
(小高)今日は「肺がん」というのはそもそもどんな病気なのかというところをお聞きしていきたいなと思っております。今までこのコーナーでは、血管の病気を中心に伺ってきました。肺は初めてなので、肺ってどんなもの?というところから教えていただければと思います。
(つボイ)息吸うのに要る臓器っていう感じがするけど、お医者さんから言うと、どういう言葉で説明して頂けるのでしょうか?
(竹下)肺は呼吸する器官と、今言われた通りなのですが、呼吸は何かというと、吸い込んだ空気「酸素」を体内に取り込んで、体内から「二酸化炭素」を取り出して口から外に吐き出しています。
(つボイ)ふーっ。
(小高)今、呼吸してましたね。
(竹下)大体、無意識のうちに一日に2~3万回を呼吸しています。
(つボイ)ほ~っ。
(小高)めっちゃしてますね。
(竹下)もう少し細かく言うと、口から入った空気というのは、まず空気の通り道「気管」を通って右の肺と左の肺に行く「気管支」に分かれ、それから20回以上分岐して、最終的には「肺胞」という小さな袋にたどり着きます。この小さな袋の「肺胞」は大体成人で3~6億個あるといわれていて、広げるとテニスコート一面ぐらいです。
(小高)その袋を広げていくとテニスコート一面ぐらい?え~!
(つボイ)へ~。
(竹下)その肺胞で二酸化炭素と酸素の交換が行われます。
(つボイ)その肺のどこにがんができるんですか?
(竹下)気管、気管支、肺胞のどこにでもできます。
(小高)全部まとめて「肺がん」というのですか?
(竹下)気管がんという定義もありますが、ひとくくりとすると肺がんのひとつになります。
(つボイ)肺がんは、そこから広がっていくものと、どこかへとんでいくものとありますよね?
(竹下)そうですね。正常な細胞はどこかで分裂が止まります。ただ、がん細胞の分裂は止まらなくてどんどん増えていくのです。やっぱり増殖能力が強いんですよね。周囲の組織にどんどんの浸潤し増殖していくのと、今言われたように、血管とかリンパ管に乗って全身に広がってくというものがあります。
(小高)広がっていくと、あっちにもこっちにもがんが見つかったということになりかねないわけですよね…。
(つボイ)血管は肺からずっと繋がっていますもんね。
(竹下)特に肺がんがとびやすいところは、骨、脳、肝臓などと言われていますね。
(つボイ)あれま。
(小高)よくドラマでは、他のがんにかかった人が色々調べた結果「肺に転移が見つかりました!」みたいなセリフをよく聞きますけど、先生がおっしゃってるのは逆パターンですか?
(竹下)肺がんは、肺そのものにできる「原発性肺がん」。他の乳がんや大腸がんの肺の外に出来たものが肺に飛んでくる「転移性肺がん」という分類にも分かれるんです。今言われたのは「転移性肺がん」のことだと思います。
(小高)なるほど。肺から全身に広がっていくというのを聞くとやっぱ転移する前に発見して、肺だけに納めるほうがまだマシですよね。
(竹下)そうですね。
(小高)でも、自覚症状はあんまりないということですもんね。
(竹下)そうなんですよね。そこが大きな問題ではあって、早い段階で見つけていくというのが大事なことなんですけどね。
(小高)はい。
(つボイ)今「はい」って言ったのがダジャレみたいですね。意図せずに。
(小高)これはもう肺のテーマのときは「はい」って言わないようにしましょう。
(つボイ)「ふむ」って言ったりね。失礼だったら「ほ~」って。
(小高)ははは。「はい」でいいですけど、いちいちダジャレだと思わんようにと。引き続き、先生には肺がんについて詳しく伺っていきたいと思いますので、来週もよろしくお願いします。
(つボイ)お願いします。
(竹下)宜しくお願い致します。
(小高)はい。ありがとうございました。一宮西病院の竹下先生でした。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。
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