CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第7回(令和5年2月22日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第7(令和5年2月22日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院副院長 呼吸器内科部長)

(小高)「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院副院長 呼吸器内科部長 竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます

小高)今週からは『肺がんになった時の治療法』をお聞きしていきます。

(つボイ)薬の開発も進んでいるし、治療法もどんどん進んでいるんでしょうね。

小高)竹下先生です。

 

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(竹下)肺がんが見つかったら、まず大事な事として肺がんの診断をつける。がんの種類を決めることが大事なのと、もう一つは拡がりをPETとかで検査することによって、がんがどんなところに拡がっているのかを調べて、ステージを決めて、治療方針を決めるということが大事になってきます。

(小高)その治療方針というと、どんな治療法があるんでしょうか?

(竹下)どういったがんでも変わらないんですが、がんの治療というのは手術と放射線治療とお薬、薬物療法というのが中心となります。

(つボイ)簡単に言うと切るか切らへんかってことですかね?

(竹下)そうですね。切れるか切れないか。

(小高)そうすると、がんの種類であったり、拡がりであったりが比較的軽い場合はまずはお薬からってことですか?

(竹下)逆なんですよね。拡がりがあまりなくて、ステージが低いⅠ期とかⅡ期で限局しているものに関しては、手術をして根治を目指すというのが治療の中心になります。

(つボイ)手術するともうあかんな~じゃなくて、早い段階なら手術がいいわけですか!

(竹下)そうですね、治すための治療ができるってことですね。

(小高)それじゃあ、がんですって言われて、すぐに手術!予定は?とか聞かれたら悪化してるのかな~と思っちゃうけど、そうじゃないんですね!

(竹下)限局して留まっているので取ったら治る可能性があるので、手術できるっていうのはいいことなんです。

(つボイ)いいことかぁ~!

(小高)これは覚えておいたほうがいいですね~!それで、この手術っていうのはどんな手術なんですか?悪いところをバーッと取っちゃうってことですか?

(竹下)そうです。外科的な治療っていうのは病変部ですね、いわゆる患部を摘出して根治を目指すというものです。がんが限られた範囲に留まっていることが大事なのと、もう一つは体が手術に耐えられるかどうかが大事になってきますね。

(小高)体力ってことですか?

(竹下)そうですね。あとは肺の状態が悪いと、取った後に生きていくだけの肺の機能が残らないと手術ができなくなるので、本人の体力と肺の機能がちゃんとあるかどうかが手術ができるかどうかを判断をする材料になります。

(つボイ)これも聞いとかなあかんことですよね。あなたには手術するだけの体力があります!って言われてるようなもんですもんね。

(小高)転移があったりすると手術は難しくなるってことですか?

(竹下)そうですね、肺がんでいうとⅠ期とⅡ期といって、Ⅰ期は肺に留まっているだけなんですが、Ⅱ期で同じ肺のリンパ節が腫れているくらいであれば手術で取りにいく。ただ遠隔転移といって脳や骨とかに拡がっているともう手術ができない状態になってしまうので、手術ができるっていうのは限局しているというのが大事になってきますね。

(小高)手術で上手に悪いところを取ってもらうと、根治ってことになるんでしょうか?

(竹下)できる可能性がある。Ⅰ期であれば8割は根治を目指せます。

(つボイ)手術できるってことはいいことなんですよって言われるんですが、やぱりこうばっと胸を開いて手術するわけでしょう?

(竹下)以前は開胸といって、10年くらい前は切って開いて肋骨を取ってみたいなのが主流だったんですけれども、最近は低侵襲のVATS(バッツ)といって、いわゆる胸腔鏡ですね。ちっちゃい2㎝くらいの穴を4つ開けて、そこに手術器具やカメラを入れてモニターの画像を見ながら手術していくというのが主流になっていて、肺がん手術全体の約9割が開胸ではなくVATS(バッツ)といわれる胸腔鏡手術がメインになっています。

(小高)肋骨の奥にあるから、手術する時はやっぱり肋骨を切って?

(竹下)穴を開けて、そこから肋骨の間を。

(つボイ)間をやるんだ!

(小高)切らなくていいと。

(竹下)そうですね。4つ穴を開けてありますので。

(小高)それは患者さんの負担がだいぶ減りますね。

(竹下)そうですね、大きく開胸しないので、患者さんの痛みも少ないですし、術後もきれいです。

(つボイ)なるほど~。

(小高)開胸だと術後にブラックジャック!みたいな手術痕がありますけど、そうではなく。

(竹下)今はもうほとんどそういうのはないですね。10人のうち9人は胸腔鏡でやってますんで。

(つボイ)やっぱり技術がいるんじゃないですか?

(竹下)その通りです。メリットが大きい反面、欠点としては胸腔鏡に特化した高度な技術、経験が大事になってくるんで。

(小高)負担は先生側にあるんだ。

(竹下)はい、技術的なところが…

(つボイ)患者さんは楽やけど先生が負担なんやわ。

 

 

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(つボイ)やっぱり聞いてみなわからんもんですねこういうことは!手術と聞くと怖くなりますけど、ある意味手術ができるってことは患部を取り切れるステージでもあるし、手術に耐えられる体力がありますよって言われてるってことなんですよね。

(小高)手術できるんですね!ってね。

(つボイ)ということですよ。

(小高)手術で体に負担の少ない胸腔鏡手術の場合は、入院期間も短く、1日目からリハビリも行うそうですよ。来週は、『治療法その2』をお送りします。

そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)質問、お待ちしていますよ!!

(小高)『健康のつボ~肺がんについて~』でした。 

 

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