CBCラジオ「健康のつボ~頭痛について~」 第2回(令和6年7月10日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~頭痛について~」 第2(令和6年7月10日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、山口啓二医師(一宮西病院 副院長 脳神経内科部長)

(小高)先週からこの時間は「健康のつボ~頭痛について」は、怖い頭痛の見分け方、つらい頭痛の治し方について、一宮西病院 副院長 脳神経内科部長の山口敬二先生に教えていただきます。

(つボイ)頭痛で悩んでいる人というのは多いし、また頭痛にもいろいろなタイプがあるということらしいですね。

(小高)今日から具体的な「頭痛」のお話をうかがっていきます。

まず今日は、そもそも頭痛はどうして起こるのか?山口先生です。

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(山口)これは非常に面白い話でして、何が面白いかというと、頭が痛くなるので、脳に何か起きたんじゃないかと単純に考えるんですが、実は脳には痛みを感じるセンサーはないんです。

(小高)え!そうなんですか?

(つボイ)頭が割れるように痛いのに、これ頭じゃないんですか?

(山口)そうですよね。普通そう考えるので、皆さん心配されるわけです。頭痛というのは、頭や首にある痛覚受容器という痛みを感知するセンサーが刺激されると生まれます。この痛覚センサーがある場所が脳みそにはないんです。

(小高)どこにあるんですか?

(山口)実際にはですね、頭の中で言うと、頭の中の太い血管であったり、脳を覆っている髄膜(ずいまく)という膜にセンサーがあると言われています。

(つボイ)(小高)へぇ~。

(山口)そう聞くと、頭の中かと思われるかもしれませんが、頭痛の大部分は頭の外のセンサーが刺激されて起こります。頭を覆っている筋肉や皮膚には痛覚のセンサーがあるので、そういうところが刺激されて頭痛が起こることの方がむしろ多いわけです。

(小高)脳みその中ではないということですね。

(山口)脳みそ自体に何か起きても、痛みは脳だけでは起きないんですが、先ほど言った脳の周りの膜にはセンサーがあるので、脳の病気が周りの膜に及べば、一応痛くなることは脳の病気でもあります。

(小高)そこでイテテテテとなるんですね。

(山口)そうなんです。だから脳の手術は、麻酔をしなくても痛くないこともあるわけですが、脳の周りの膜は痛みを感じます。

(小高)そうだ!よく脳の手術は意識あるままやるって言いますもんね。これ痛かったら大変ですもんね!

(山口)おっしゃる通りです。意外なことに、脳みそじゃないというのがポイントになりますね。

(小高)そうなんだ~。ちなみに、この頭痛の原因というのは何なんでしょうか。

(山口)そうですね。頭痛の分類で「器質性の頭痛」「機能性の頭痛」というのがありまして、器質性の頭痛というのは、検査で異常が見つかるような頭痛を指すものです。機能性の頭痛は、これまた不思議ですが、検査をしても全く原因がわからないような、悪いと思われていても異常が見つからない頭痛です。

(つボイ)MRIとかでも何もない。

(山口)やっぱりこの中で、器質性の頭痛が、命に関わるような頭痛になる可能性があるもので、くも膜下出血であったり、脳出血、脳腫瘍といったものがこの器質性の頭痛の代表になります。このような病気の場合は、脳のMRIを撮ると異常が捕まるので診断がつくわけですが、一方、検査をしても異常が捕まらない場合、これは一体何なんだろうということになるわけです。

(つボイ)(小高)はい。

(山口)そして、脳に異常がない頭痛で有名なのが、肩の凝りと似ている緊張型頭痛という、頭や肩の筋肉の凝りからくる頭痛です。あと女性の方に非常に多い、片頭痛というのがあります。これらの頭痛は、検査をしても異常がありませんから、検査だけでは診断がつきません。ですが、診断基準というのがあって、症状の組み合わせから、この病気だという診断をつけていくという流れになります。検査では異常が捕まらないけど、症状から診断がつくというのが機能性頭痛の大部分になっています。

(つボイ)器質性でしたらね、目で見て悪いところを取るとかくっつけるとかできるでしょうけど。機能性はどうやって治していくんですか?

そうですね。先ほど言った診断基準に従って、機能性頭痛は分けていくわけですが、それぞれの病気には治療法ができておりますので、診断がつけば治療に進んでいくという流れになります。手術とかで治すようなものではなく、お薬や様々な手段を使って、頭痛を軽くすることができるということになります。(山口)

命に関わるような(小高)器質性頭痛っていうのは、出てきたのがくも膜下出血脳出血ですから。この辺りの頭痛は、もはや救急車で運ばれるレベルの、それは絶対に病院行くでしょうっていう痛みのような気がするんですが。

(山口)おっしゃる通りです。代表的なものですと、やっぱり激しい痛みで救急車を呼ぶぞということになるんですが、時々激しい痛みが出てもすぐに収まってしまって、調べてみないとわからないというケースもあります。やり過ごしていると、実はくも膜下出血が起きていたとわかることがありますから、必ずしも救急車で来るような頭痛ばかりではないのがトリッキーなところです。

そこは気をつけなきゃいけないところですね。(小高)

そうですね。軽いと思ってそこをやり過ごしてしまうと、後でドカーンとひどいのが来てしまうことがありますので、どういった時に病院に行った方がいいかというのは、非常に大事になってきますので、これはまた後ほどしっかり説明できればと思っております。(山口)

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(小高)ガンガン頭が割れるようなすごい痛みがあっても、すっと治まっちゃうとまぁいっかって、様子見してしまいがちなんですね。

(つボイ)普段と違う痛みがあったら、これは器質性の頭痛を疑って病院へ行ったほうがいいでしょうね。

(小高)はい。それで何もなければ、それはそれで安心したっていうことですもんね。

来週も山口先生に頭痛について教えていただきます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~頭痛について』でした。 

 

■第1回

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