CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第9回(令和2年7月29日放送内容)

7CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第9回(令和2年7月29日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)このコーナーでは肺がんについて色々と教えて頂いております!「肺がんになってしまったらどんな症状が出るの?」など教えて頂いてましたが、今日は「肺がんになったら今はどんな治療法で助けて頂けるんでしょうか?」というテーマでお話しを聞いていきたいと思います。

(竹下)今はですね、肺がんといってもいろんな細胞の種類があるので、まずその細胞の種類を決めることと、もう一つは肺がんのステージをまず調べてから、治療方針を決めます。肺がんの治療は、手術、放射線治療、あとは薬の3種類があります。

(小高)治療法は種類とかステージによって変わるんですか?

(竹下)そうですね。ステージによって変わってきます。比較的軽い、肺に病変があるのみでリンパ節がないようなステージ1、もしくはがんが肺にあって、肺門と呼ばれるところにリンパ節があるようなステージ2は手術治療が標準的な治療になります。

(小高)普通の病気はやっぱりまずお薬での治療ですよね。

(つボイ)そうよね。

(小高)で、もうしょうがないから手術しましょうっていう流れだと思っていたんですが、肺がんでは逆なんですね。

(竹下)がんを取り除いて治す、本治を目指した治療というのが早い段階では出来ます。基本的にそのステージ1、ステージ2の治療は外科的な治療でその病変を取るというのが治療になります。

(つボイ)本治治療ということですからね、ステージ1.2の人は生存率がいいということですか?

(竹下)そうですね、ステージ1であれば、手術で8割ぐらい治ると言われてますし、ステージ2であれば、5割ぐらい治るって言われていますね。

(小高)手術によって生存率が高くなっていると。

(竹下)そうですね、治すための治療を行うってことになります。

(小高)その手術は以前と比べて、進歩しているんでしょうか?

(竹下)以前は、胸を開いて手術するといったことが行われてたんですけど、最近では低侵襲のBats(バッツ)と呼ばれる、小さい穴を3箇所ぐらい開けてそこに手術器具とカメラを入れてモニターを見ながら手術するという胸腔鏡手術というのが主流になっています。

(小高)Batsですか?

(竹下)そうです。小さい穴にすることで、患者さんの痛みが少なくて回復が早いんですね。術後の跡も綺麗っていうところもあって、体にすごく優しい手術が主流になっています。

(つボイ)何か音だけ聞くと、バッツ!!てバシッと切るような感じに聞こえますけどね。

(小高)バッツ!!ってね。なんか意味があるんでしょうね。

(つボイ)そうねえ。

(小高)でも昔は開いて手術をしていたということは、ろっ骨を切っていたということ?

(竹下)本当に大きい手術なってくるとろっ骨を切除して…ということもありました。

(小高)「まだ軽いステージで肺がんが見つかってよかった~手術受けて治そう」と喜んだのも束の間、ろっ骨切除します!って言われたら…ドキドキしちゃいますが、今はそんなことないんですね?

(竹下)そうですね。当院もまだ8年前くらいは1桁くらいしかBatsをしてなかったんですけど、去年の手術の記録を見ていると、6~7割くらいBatsで手術を行ってます。

(つボイ)まあ長生きしないといけないね。

(小高)技術は日々進化してますもんね。

(竹下)本当に手術の回復が早くて、退院までの期間もすごく短くなってきています。

(小高)平均でどれくらいで退院できるんですか?

(竹下)10日前後で帰れますね。

(つボイ)そんなにあっという間なんですか。

(小高)そうやって聞くとね、もう肺がんになったからといって、諦めちゃいけないぞっていう希望もできますね。あと残っている放射線治療薬物療法はまた来週伺っていきますので、また来週もよろしくお願いします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)ということで、今日も一宮西病院の竹下先生にお話しを伺いました。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

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一宮西病院 / 地域連携室ページをリニューアルしました

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地域連携室(紹介受付)は、紹介状をお持ちの患者さまが、ストレスなく安心して受診いただくための、病院の大切な窓口です。そしてこれからは、地域の中での病院と病院の連携、病院とクリニックの連携はますます重要になってきます。「地域との密接な連携」を大切にする一宮西病院では、この度「地域連携室」のホームページをリニューアルしました。診察予約の方法、健康診断2次精査、各診療科紹介、医療機関向けの検査予約についてなど、患者さま・医療機関さま双方が欲しい情報を、項目ごとに詳しく掲載しております。

◎地域連携室(医療連携・紹介ページ)はこちら。
⇒ 医療連携・紹介 | 一宮西病院 | 社会医療法人 杏嶺会

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紹介受診の流れがよくお分かりいただけると思います。ぜひご覧ください。

 

YouTube<一宮西病院>チャンネル【新人助産師の1日】産婦人科助産師

一宮西病院・産婦人科配属、新人助産師のある1日を追いました。

「出産」という、女性にとって人生の大きな場面に関わる彼女は、日々どんなことを思い“助産師”という仕事と向き合っているのか?

彼女の1日を追う中で見えてきた、看護師の「リアル」をぜひご覧下さい。

★2020年8月4日19:00 公開です!


新人助産師の1日(一宮西病院/産婦人科助産師)

膝関節のスペシャリスト 整形外科医 巽一郎

一宮西病院・医師採用サイトに、今月二人目となる単独インタビューを掲載しました。今回登場するのは人工関節センター長・巽一郎医師です。巽医師はこれまでに3800例以上の手術を経験した膝関節手術のスペシャリストです。一方で「すぐには手術をしない医師」としても有名で、膝の保存療法の第一人者でもあります。アクティビティ溢れる巽医師を突き動かすものは何か、これから一宮西病院の整形・関節部門はどんなステージを目指していくのか。更なる高みを目指す巽医師の熱い思いをご覧ください。

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◎画像クリック(タップ)で、一宮西病院・医師採用サイトへリンクします。

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第8回(令和2年7月22日放送内容)

7CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第8回(令和2年7月22日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)先週は肺がんへのタバコの影響を教えて頂きました。

(つボイ)百害あって一利なしというのは、本当に昔の人はよく言いましたね。

(小高)しかもタバコを吸っている人だけではなくて周りにいる人、受動喫煙も非常に危険だということでしたよね。

(竹下)火のついたタバコの先から立ち上がる煙『副流煙』は、その煙の中にでもニコチン、タール、一酸化炭素などの成分が含まれているんですね。タバコを吸う人が直接吸い込む『主流煙』以上に含まれている、と言われています。

(つボイ)タバコを吸っている人はフィルターを通していますけど、立ち上る煙はそのままダイレクトに来ますからね。受動喫煙の方がたくさん煙を引き受けてるような気がするんですけど…。

(竹下)その通りですね。

(つボイ)やっぱり。

(小高)特にタバコを吸わない人は、街歩いてるだけでもタバコの匂いがするとか、わかるもんなんですけれども、タバコの匂いがするっていうのはすでにその受動喫煙となっているんですか?

(竹下)そうですね。被害にあってると言っても過言じゃないですね。

(つボイ)最近マンションでもね、ホタル族とかって「お父さん!タバコは外で吸って」って言われてましたが、外で吸うタバコの煙がベランダから上の階に行くから、今はベランダですら吸わないでくださいと言われてますよね。

(竹下)はい、下の階からの煙でも被害にあっていると思いますね。

(小高)例えば、もう吸ってる人はいないけど、部屋の中には臭いがまだ少し残ってるな…とかもだめですか?

(竹下)極端な話、タバコの煙っていうのは、家具とかカーテンとか子供のおもちゃとかにも付着して、その後徐々に空気中に遊離していくんですね。タバコの煙がない環境でもタバコを吸わない人は、有害物質にさらされていることがあります。

(つボイ)あらま。

(小高)そういった環境で吸い込んでいる受動喫煙の人も、やっぱり肺がんリスクがあると?

(竹下)はい、やはりリスクになります。

(つボイ)これ一番損ですよね。タバコ吸っている人は覚悟して吸っているけど、

受動喫煙の人は覚悟してませんからね。

(竹下)ほんとそうですよね。

(小高)子どものためにタバコやめてよ!とか喧嘩になる夫婦とかっている話聞きますけど。

(つボイ)今のお話だとおもちゃにもついているから、子供のために本当にやめてほしいですよね。

(小高)やはりお子さんは受動喫煙とか影響大きいですか?

(竹下)喘息の悪化とか中耳炎を起こすとか、そういった危険性に晒されている可能性がありますね。

(小高)特にお子さんできたとか結婚したとかっていうのはちょうどいい機会ですから、タバコをやめることを考えた方がいいですね。

(竹下)やっぱり何かの機会がないとやめようと思わないので、そういう機会があれば是非やめることをオススメしたいですね。

(つボイ)私のお父さんは、子どもが生まれた時にやめましたよ。

(小高)なるほどね。実は今年の4月1日から『改正健康増進法』という法律が施行されまして、飲食店や職場などの屋内での喫煙が原則禁止になったんですね。

(つボイ)なりましたね!

(竹下)やはりマナーからルールへ変更ということで、受動喫煙を防止するために前進したと思います。ただやっぱまだまだ西洋諸国に比べても完全というわけではない状況だと思います。

(小高)医療の問題として病院が治療法を確立していくというのももちろんですが、社会的に私たち自身がこういった環境を作っていくというのも大事ですね。

(竹下)ほんとおっしゃる通りだと思います。

(小高)私は自分でするんだ言う人も今の話をちょっと聞いて、周りの人への思いやりも大事にすることが必要だと思います。

(つボイ)そうだね。

(小高)ということで、今日も一宮西病院の竹下先生にお話しを伺いました。ありがとうございました。

(竹下)ありがとうございました。

(小高)新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

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CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第7回(令和2年7月15日放送内容)

7CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第7回(令和2年7月15日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)今日は肺がんにおける『タバコの影響』について先生にお話しを伺います。やはり喫煙するということは、肺がんになりやすいということでしょうか?

(竹下)そうですね。もちろん、肺がんのリスクがタバコだけということではないんですが、他の肺疾患があると肺がんになりやすいということがあります。
例えば『慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)』。みなさんは『肺気腫(はいきしゅ)』という名前の方が聞きなじみがありますでしょうか。これはタバコで肺の壁がどんどん壊れて、大きな袋みたいになって、息苦しさや咳がでるような病気です。
もう一つは『間質性肺炎(かんしつせいはいえん)』といって、肺が固くなり膨らまなくなる病気です。これも200種類ぐらいの原因があるんですけど、これも肺がんになりやすいと言われています。とはいえ、一番の危険因子はやはりタバコです。

(小高)タバコを吸っている人、吸ってない人はどれくらい違うものなんでしょうか?

(竹下)男性で4~5倍くらい。女性で2~3倍くらい肺がんになりやすいと言われています。

(小高)肺がんは肺のいろんな場所にできるとのことでしたが、肺がんになりやすい場所はあるんですか?

(竹下)肺の真ん中にできるような『扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)』とか『小細胞(しょうさいぼう)』といわれるタイプの肺がんは、ほとんどが喫煙者です。

(つボイ)そうかぁ。

(小高)これ、一番気になる人が多いと思うんですど「タバコをやめたんだけど…つい最近なんだよね」って人。やめてどれくらいたったら危険度が減るなど、あるんでしょうか?

(竹下)いろいろ言われていますが、一般的には20年ぐらい経たないと、吸ってない人と同等のリスクには戻らないと言われています。

(小高)あら…。今ガーンって衝撃を受けている方も何人かいるかもしれませんね…。

(つボイ)ほんとやわ…。吸いだしたらだいぶ長い間リスクを背負わなくてはいけないということですね。

(竹下)そうですね。

(つボイ)でも「うちのおじいちゃんは90歳まで生きて、たくさんタバコを吸ってたよ」なんてことも言われることもあると思いますが、個人差はあるんでしょうか?

(竹下)タバコの感受性というのがありまして、感受性が高い人もいれば、そうでもない人もいるので個体差があります。

(つボイ)そうなんだ。お酒みたいに、ちょっと飲むだけで酔っぱらう人と酔っぱらわない人がいるのと同じですか?

(竹下)そうですね。

(つボイ)周りがたくさん吸うからって、真似してやるとダメな人もいるわけですね。

(小高)なるほど。「自分は大丈夫と思ってたくさん吸っていたら病気になっちゃった」って後から気付いても遅いもんね。

(つボイ)遅いね。分からないからやめておいたほうがいいですよね。

(竹下)やはり禁煙は大事ですね。

(小高)肺がんになってしまった人って「俺もうなっちゃってるし」ってタバコを吸う人もいると思うんですけど、これもやめた方がいいですよね。

(竹下)予防という観点でも禁煙は大事ですが、病気を持っている人の禁煙(重症化予防)も大事です。例えば手術をするときに、タバコを吸っている人だとリスクも上がります。抗がん剤なんかも、タバコによって影響するような薬剤もあります。

(小高)やっぱりタバコは百害あって一利なしですね。

(つボイ)効果が薄れてしまうということですね。

(竹下)そういうケースもありますね。

(つボイ)あらま~。

(竹下)ちなみにタバコを吸っている方は、肺がんだけでなく心臓や血管系でもリスクが高くなります。禁煙をすれば、およそ3年でリスクは1/3まで下げることができると言われています。

(つボイ)やっぱり禁煙しないといけないんだね。

(小高)そうだね。自分で吸っている人も禁煙した方がいいし、家族とか周りの人が吸っててもやめてって言いたくなりますね。

(つボイ)はぁ~。受動喫煙

(竹下)そうですね。

(小高)受動喫煙については、また来週、先生にお話しを伺っていきます。先生、来週もよろしくお願いします。

(つボイ)お願いします。

(竹下)宜しくお願い致します!

(小高)はい。ありがとうございました。一宮西病院の竹下先生でした。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

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一宮西病院・医師採用サイト内に、放射線診断科・副部長の木口貴雄医師の単独インタビュー記事をアップしました。木口医師は北米学会が主催する画像診断コンテストで毎年チャンピオンに輝く『世界が認める放射線診断医』です。木口医師が一宮西病院へ赴任したきっかけ、画像診断に向き合う思いなどを熱く語っています。

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