CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第11回(令和4年9月14日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第11回(令和4年9月14日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、澤﨑優医師(一宮西病院  ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長)

(小高)水曜日のこの時間は健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる先生です。

(小高)冠状動脈、大動脈といった心臓にある血管や、4つある心臓の弁などの病気について教えて頂いています。

(つボイ)このコーナーにメッセージを頂いております。HG茶瓶2号さんから頂いております。岡崎の方ですが、初メール!ありがとうございます。いつも聞くだけリスナーでしたけれども、先月8月12日に冠動脈バイパス手術をしました。早朝の異変から目を覚まし…私と同じです。私もそうやった、早朝にめっちゃくちゃ苦しくなるんですよ。

(小高)あれっとなって。

(つボイ)あれっとなった。そして目を覚まして病院へ直行、あっという間に手術台の上に、カテーテル治療も及ばず、バイパス手術の選択を余儀なくされました。今日で手術後ちょうど1か月、医療スタッフの皆様のおかげで、10月1日の復帰に向けてリハビリに励んでおります。この場を借りまして、まったくの赤の他人の命を救って頂き誠にありがとうございました。感謝の念に堪えません。ここのリスナーさんのように楽しい話題を提供できるように、またこの繋いでもらえたこの命を有効に活用できればと思い初メールとさせて頂きました。

(小高)ありがとうございます。冠動脈バイパス手術、このコーナーのシリーズの最初のほうに教えて頂いた手術の方法ですよね。早期の治療で回復ということで、とってもよかったですね~。

(つボイ)気持ちは私よ~くわかります。同じような病気の人ですから。

(小高)さ、今日は心臓のどんな病気のお話でしょうか。澤﨑先生です。

 

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(澤﨑)今日はね、珍しい病気なんですが、『感染性心内膜炎』という病気があります。バクテリアが心臓の中の構造物に付着すると。いろんな原因はあるんですけど、多くは歯の治療をきっかけに、歯から血液中に大量の菌が入って、それが心臓の弱いところに付く、そこで増えちゃうんです。ものすごい速度で増えます。

(つボイ)歯科治療ってやってる人多いですから、可能性は皆さんにあるということですか?

(澤﨑)そう、心臓に基礎疾患がある人、軽い弁膜症がある人、人工弁の入っている人、そういう人は要注意。

(つボイ)私や。

(小高)その歯の治療っていうのは?

(澤﨑)抜歯くらいの治療です。

(小高)そ、そんな?普通にみんなやりますよね。

(澤﨑)クリーニングとかね、歯石取るとかそんなもんじゃ入らないです。

(つボイ)ふんふんふんふん。

(澤﨑)それでね、心臓から全身に血液が流れるわけでしょ、ということは、心臓の中にできた菌の固まりが全身に飛ぶわけですよ

(つボイ)ありゃ、そこに留まってるわけじゃなくてビューンと飛んでくわけですか。

(澤﨑)どんどん増えてくから。

(つボイ)増えるからか。

(澤﨑)増えて、血液の流れに乗って飛んじゃうんです。

(小高)以前私医者さんに、歯の病気って口の中だけじゃなくて全身に広がったりもするんだよって言われたことあるんですけど、そのことなんですね。

(澤﨑)その通りです。そのことなんです。一番飛んだら困るところはどこだと思います?

(つボイ)脳?

(澤﨑)頭、正解。脳梗塞を起こすと、普通の脳梗塞と違って菌の固まりが飛ぶので、そこで菌が増えるんです。すると血管詰まるわけですから、動脈瘤をつくるんですね。感染性の脳動脈瘤が破裂すると、脳出血くも膜下出血を起こすんです。致命的ですね。

(つボイ)ほぉ~。脳以外だと、またいろんなところで?

(澤﨑)腎臓とかはね、血尿がでますよね。そうすると泌尿器科行きます。脳だと脳外科行きます。するとすぐに診断がつかない。最初から循環器内科に来ればいいけどね。だから診断が遅れることがよくあります。

(つボイ)ふーん。じゃあ心臓に付いた時点で、ちょっとおかしいなとか自覚症状はないんですか。

(澤﨑)あのね、微熱が出ます。最近は開業医さんでも抗生物質をすぐには出さない傾向にありますが、以前はすぐに抗生物質出しましたよね。そうすると弱い菌だから、いったん治っちゃうんです。ばい菌の固まりの表面の菌だけ死んじゃうんです。でも菌は残ってる。

(つボイ)中の方のやつがおるわけですか。

(澤﨑)2週間経って、もういいだろうと薬止めると、また菌が湧いてくる。また熱が出る。そうするうちに菌が心臓の組織を蝕んでいくんです。深いところ深いところへと菌が入って行っちゃう。大変ですよね。

(小高)うーーん!

(つボイ)めちゃめちゃ聞くだに恐ろしい!

(澤﨑)大変恐ろしいです。

(つボイ)心臓も悪くなるし、脳飛んだり、肝臓飛んだりいろんなところで悪さするわけですか。

(澤﨑)そうです。大抵抗生物質が効くので、以前の治療法というのは基本「4週間の抗生物質治療」だったんですが、最近は手術を早めにする傾向にあります。これは菌が頭や重要臓器に飛ぶ前に菌を取っちゃって、壊れた弁を治す。こういう傾向に変わりつつあります。

(つボイ)あの、心臓の弁にくっついたとこはレントゲンで見えたりするんですか?

(澤﨑)見えないです。超音波で見えます。

(つボイ)見えないか~。

 

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(つボイ)レントゲンではわからない。

(小高)懲りずにまた聞いてましたね。(笑)もちろんレントゲンではわかりませんが、超音波の検査でわかるそうですよ。一宮西病院の澤﨑先生でした。

(小高)そしてこの『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちしております!

(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。 

 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第10回(令和4年9月7日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第10回(令和4年9月7日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、澤﨑優医師(一宮西病院  ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長)

(小高)水曜日のこの時間は健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる先生です。

(小高)ここのところ澤﨑先生ご専門の心臓弁膜症について教えてもらっていますよ。

(つボイ)どこの弁が悪いのか、狭くなっていて血液の流れが悪いのか、しっかり閉まらずに逆流しているのかなど、どう悪いのかによって治療法も変わってくるということでしたね。

(小高)根治させるには手、人工弁に置き換えるか、自身の弁を生かす弁形成術か、という選択になります。しっかりセカンドオピニオンを聞くことも大事だそうですよ。

今日は大動脈弁の閉鎖不全症、狭窄症の原因のひとつにあげられる二尖弁についてうかがいます。

澤﨑先生です。

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(澤﨑)大動脈弁というのものは、3つの膜からできている三尖弁なんですね。3つの膜が重なり合って、120度ですよね。120度の角度は開いた時の面積が最大になる、またうまく閉じやすい。これが4枚だと閉じにくいのわかりますか?8枚だとさらに閉じにくいですよね。これは神様が創りだしたもので、もっとも合理的な3枚の膜でできています。

実は1クラスか2クラスにひとり、二尖弁の人がいます。

(小高)本来は3枚の膜なんだけれども、それが先天的に2枚の人がいるってことですね。

(澤﨑)心臓はね、赤ちゃんができたら3か月くらいででき上がるんですけども、その時に大動脈弁の膜が3枚にうまく分かれない人がいるんですね。それで3枚のうちの2枚がくっついちゃってる。

(小高)そうするとやっぱり、閉じにくかったりとか不都合が出たりはするんですか?

(澤﨑)実は最初はほとんど症状はありません。病気になってくるのは2パターンあるんですが、

1つのパターンは若い時、10代後半から20代前半に2枚のくっついた方の弁が落ち込んじゃって逆流を起こしてくる。『大動脈弁逆流』これは治療の対象になります。

(つボイ)(小高)はい。

(澤﨑)もう1つは人生の後半ですね。3枚の方でもなるんですけど『大動脈弁狭窄症』、これは3枚の方は70代で起こるんですが、2枚の方は狭くなりやすくて60代で起きてきます。これも手術の対象になります。

(小高)ということは、膜が2枚だということそのものが病気というわけではないんだけれども、病気になりやすい資質を持ってしまっているということなんですね。

(澤﨑)その通りです。

(小高)そうすると、まず自分が二尖弁ということを知っておくことが大事ってことですか?

(澤﨑)これはね、ほとんどわからないです。

(小高)わからない!

(つボイ)なんかレントゲン撮ったら見えそうなのに。

(澤﨑)見えないんです。聴診器でもわからないです。病気になってればわかりますよ。病気になる前はわからないから、みんな知らないうちになってる。

(つボイ)ほぉ~。

(澤﨑)今、循環器内科では聴診器代わりに超音波をしたりすることもあるんですけど、そうするとすぐに診断がつきます。でも、すぐに治療が必要かといったらそうじゃない。

(小高)はい。

(澤﨑)ここで大事なはなしが1つあるんですが、大動脈弁二尖弁の逆流のほうですね。従来は、まぁ20年以上前はですね、人工弁置換してたんです。

(小高)すっかり置き換えちゃうということですね。

(澤﨑)20歳くらいの方にね。生体弁だと15年くらいしか持たないから困りますよね。ただ女性の方だと生体弁を使わないと、機械弁だとワーファリンを飲まなくちゃいけない。

(小高)お薬ですね。

(澤﨑)ワーファリンには催奇形性がある。

(小高)催奇形性?

(澤﨑)赤ちゃんを産めない。出産の時にも母子共に50%の生命の危険がある。

(つボイ)へぇ~!そらいかんわ。

(澤﨑)だから機械弁は入れられないですよね。そうすると生体弁を入れて10年経ってそのうちひとりかふたり産みなさいと、産み終わって弁が壊れたら機械弁に換える。というのが昔のやり方。

(つボイ)なるほど。

(小高)でもこれ大変ですよね。

(澤﨑)それでね、私の得意な手術が実はあるんですよ。この二尖弁を、自分の弁を残したまま形成するんです。

(つボイ)具体的に2枚しかないのをどうするんですか?

(澤﨑)2枚の高さのズレを矯正して直してあげて、等しい2枚にする。

(小高)2枚は2枚のまんまなんだけれども、ちゃんと閉じやすい、きっちり合うような2枚にする。

(澤﨑)きっちり合うような2枚に形成してやるとういことですね。これをどこの病院でもやってくれるわけじゃなくて、弁置換しましょうと言われることがあるので、弁形成術ということを聞いたことがあるのですができないものでしょうかと。それを聞いてみるというのは非常に大事なことです。

(つボイ)なるほど~。

 

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(小高)二尖弁であるということ自体が病気いうことではないのですが、やっぱりそうであると大動脈弁閉鎖不全症にも、大動脈弁狭窄症にもなりやすいということなんだそうです。

(つボイ)だからまぁ、治療時にはやっぱりいろんな意見を聞くというのがいいことですね。

(小高)来週も澤﨑先生にお聞きします。

(小高)そしてこの『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちしております!

(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。 

 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第9回(令和4年8月31日放送内容)

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出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、澤﨑優医師(一宮西病院  ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長)

(小高)水曜日のこの時間は健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる先生です。

(小高)心臓のいろいろな病気について教えてもらっています。

(つボイ)心臓の弁の場所や病気によっては、人工弁に付け替えるのではなく、自身の弁を利用して治療する弁形成術も有効だということでしたね。

(小高)そうすると技術はいるんですけれども、血液が凝固しやすくなることもなく、劣化による再手術の必要性もないなど、術後の経過に関しては極めて優秀な手術法だそうです。

(小高)今日は、大動脈基部拡大の手術についてお聞きします。

 

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(澤﨑)大動脈というのは直径3㎝くらいの土管があって、その下に少し盛り上がった部分があって、そこをバルサルバ洞って言うんですね。そこに大動脈弁が3つくっついている。そして弁が開いたり閉じたりしている。これが、なんらかの理由で3㎝であったものが4㎝、5㎝と伸びていくと、大動脈基部がですね、土管じゃなくて洋ナシのような形に変わっていっちゃうの。

(小高)あぁ~、なるほど。

(つボイ)膨らんじゃうということ?

(澤﨑)そうそうその通り。そうすると、同じ血圧だと壁が太くなった方が圧に対して弱いですね、するとそこが破裂したり、そこから大動脈が裂けて乖離したりすることがあります。

(小高)怖い!

(澤﨑)あと3枚の弁は、基部が大きくなっても弁は大きくならないから、真ん中の隙間がだんだん大きくなって逆流をし始める。

(小高)ぶぶぶっと膨らんでくると弁は離れて行っちゃうから、きちっと閉まらなくなる。

(澤﨑)そうです。なんとか5㎝近くまではもってくれますけれども、それを超えてくるとダメですね。

(つボイ)うちの実家もそうやわ。建付け悪なってね。戸が閉まらんようになっちゃった。昔閉まっとったやつが。

(小高)ははははは。閉まるべき部分がしっかり閉じてないと、やっぱりいろんなところに不具合ができますよね。

(澤﨑)建付けとはちょっと違うんですけど。(笑)

(つボイ)あ、違う(笑)

(小高)自覚症状的にはどんな症状があるんですか?

(澤﨑)症状はほとんどでませんね。たまたま見つかることが多いですね。超音波またはCTで。

(小高)じゃあ健康診断とかそういうことですか?

(澤﨑)なんらかの病気でCT、あるいは超音波を撮って見つかる。

(小高)じゃあ、治療法としてはどんなものがあるんですか?

(澤﨑)これはね、昔と今と全然違います。悪いのは大動脈で大動脈弁じゃないでしょ?昔は大動脈と大動脈弁を一緒にして取っちゃうんですよ。心臓に血を送る冠状動脈は外しておいて、人工血管の中に人工弁を入れたものをあらかじめ作っておいて、それを心臓に縫い付けて、冠状動脈をまた人口血管に縫い付けるというベントール手術がスタンダードでした。現在でも基準となる手術です。

(小高)ごそっとっていうのは、ある意味簡単にわかりやすくってことですけど。

(つボイ)ユニットですよね。ユニットごとスコンと。

(小高)先生が今仰っていた、弁は実はそんなに悪くないのに一緒に取っちゃうのはなんかもったいない気がしますよね。

(澤﨑)すごいですね。気が付きましたか!(笑)

(小高)先生が今仰っていた、弁は実はそんなに悪くないのに一緒に取っちゃうのはなんかもったいない気がしますよね。気づきましたよ!(笑)

(つボイ)ケチ臭いですからね。そういうとこはあんまり捨てたない!そういうとこはね!

(小高)だってここ綺麗にまだ使えるやないの~(笑)

(澤﨑)その通りなんですよ。それに対して自己弁温存大動脈基部置換術という、大動脈と膨らんだバルサルバ洞だけを人工血管に取り換えるという方法があって、デイビット法(David法)ヤクーYacoub法)と2種類あるんですね。どちらも成績はあまり変わりません。そうしますと、人工弁じゃないから、人工弁の不利な点ね、ワーファリンと耐久性、それが心配なくなるわけです。自分の弁だから。日本ではこちらが主流になってきているんですけれども、『ベントール手術』と言われたら、自己弁を温存できないかと、そういった疑問をドクターに投げかけてみましょう。

(小高)先生今気づいたんですけど...ベントールは弁を取るからベントールなんですか??

(澤﨑)あははははは(笑)

(つボイ)今日なんか冴えてますねぇ!