CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第10回(令和6年6月5日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第10(令和6年6月5日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのでしょうか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)体の表面を整える形成外科の扱う治療範囲、とても広そうですね。

(つボイ)しかも表面を整えようと思えば、その内側とか深いところ、場合によっては他の部位からの移植もあるということですから、これまた奥が深い診療科であるぞという気がいたします。

(小高)今日もその形成外科が扱う具体的な症状を教えていただきます。野田先生です。

  ~~~~~~~~

(野田)今日は、『皮膚潰瘍(ひふかいよう)』と『ケロイド、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)』についてお話をさせていただきます。皮膚潰瘍とは、簡単に言うと皮膚の表面のところが無くなってしまって、じゅくじゅくとした皮下組織が露出してしまっている状態。これを『潰瘍』と呼びます。

(小高)(つボイ)はい。

(野田)痛いですし、時には出血したり、そこからばい菌が入り込んで感染を起こす原因になることがあります。原因としてはいろいろあるんですが、一番わかりやすいのが床ずれですね。これは圧がずっと同じところにかかることで、血流が悪くなって組織がダメになってしまう。これが褥瘡(じょくそう)、いわゆる床ずれなんですけれども、これも皮膚潰瘍の1種です。

(小高)(つボイ)ふむふむ。

(野田)あとは動脈硬化、動脈の中が狭くなったり、詰まってしまうことによって、そこの組織の血流が悪くなってしまって、皮膚が壊死してしまう。あるいは、同じような形で抗原病をきっかけに血流が悪くなってしまって潰瘍を起こすこともあります。

(小高)(つボイ)はい。

(野田)また、動脈だけじゃなく、静脈も戻りが悪くなってしまうとむくんでしまうんですね。滞ると新しい血が入ってこなくなるので、血流が悪くなって潰瘍ができたりします。

(小高)治療法というのは?

(野田)基本的にはその潰瘍がどういう原因でできてきているかというところで、治療の方法も変わってきます。床ずれであれば、まずは除圧ですね。圧が同じところにずっとかからないように、自分で体の向きを変えられない方だったら介助して、2時間に1回は最低体位を変えてあげます。できてしまった潰瘍に対しては、塗り薬だったり、手術などで治療をしていきます。動脈が詰まってしまっている方の場合は、私たちだけでは治療が難しくて、その動脈を再開通させてもらわないと良くはならないので、循環器内科の先生と一緒にタッグを組んで治療をしたりもします。ばい菌がずっと居座ってしまうことで治らない場合は、適切な処置や抗生剤の投与をしながら治していくこともあります。

(小高)はい。もう一つのケロイドというのは?

(野田)そうですね。『ケロイド』というのが一般的な言い方なんですが、実は『肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)』と、『ケロイド』という2種類が一般的にケロイドと呼ばれてしまっています。

どういうものかというと、傷ができたところの皮膚が赤く盛り上がり、みみず腫れのようになってしまうものです。その傷の範囲を超えないものが『肥厚性瘢痕』で、その傷を超えてもりもりキノコのように大きくなっていってしまうものを『ケロイド』と呼びます。

(つボイ)なんでそんな風に盛り上がっていくんですかね?

(野田)なんでかというとですね、その傷ができた後に、治す過程で真皮という表皮の1個下の層で炎症が続いてしまって、体が傷が治っていないと判断してしまうことがあります。そうすると、傷を治すという作用が過剰に働いてしまって、コラーゲンがたくさんできて盛り上がってしまったり、血管がたくさん作られて赤く見えたり、痒かったり痛かったりという症状が出てきます。

(小高)これは、そういう風になってしまう人とならない人っていうのがあるんですか?

(野田)そうですね。同じ場所でもなりやすい体質の方とそうでない方がいます。なりやすい場所というのもあって、関節の近くだったり、体の真ん中、正中の傷というのは、体質的になりやすい方は肥厚性瘢痕やケロイドになってしまうことがあります。

(小高)これは、命を脅かすとか、そういう類いのものではないんだけれどもってことですかね。

(野田)そうですね。これは命に関わることはほぼないです。ケロイドがあまりにも広がって、そこから皮膚がんが出ることは、0じゃないですけども、基本的にはほぼ命に関わらないです。ですが、常にピリピリ痛かったり、痒かったり、あるいは見えるところだと人から見えてちょっと恥ずかしいとか、お風呂に入りに行きにくいとか、そういうことも訴えとしてありますので、なるべく目立たない傷にしてあげることが治療目標になってきます。

(つボイ)盛り上がっているから、単純に削っていくということなんですか?

野田)それはできないんです。手術で削ればいいというものではなくて、意外とそれだと再発してしまうことが多いです。その起きている炎症自体を治めてあげなくてはいけないので、基本的にはステロイドや飲み薬を使って、まず炎症を抑えていきます。それでもなかなか落ち着いてこない場合は、手術をすることもあるんですが、単純に手術をして治すだけでは再発してしまうので、その後にステロイドを使ったり、放射線治療を行うこともあります。

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)私、なんか単純な質問してますね。盛り上がったら削ればいいじゃないって。

(小高)でも先生に丁寧にお答えいただきました。

(つボイ)いろいろな原因があって、対症療法と原因の根治と両方を目指すのだから、これ複雑なことになってくるんですよね。

(小高)ケロイドに至っては、体質っていうのもあるみたいなので、先生も大変なんだそうです。

さあ、来週も引き続き形成外科について野田先生にお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第9回(令和6年5月29日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第9(令和6年5月29日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのでしょうか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)ここしばらく、形成外科で扱う代表的な治療対象、『眼瞼下垂』と『乳房再建』のお話をうかがってきました。

(つボイ)どちらも治療後の生活の質を上げるというものだったんですよね。

(小高)はい。今日は改めて、形成外科とはどんな外科なのかということから教えていただきます。野田先生です。

  ~~~~~~~~

(野田)形成外科というのは、病気や怪我、生まれながらの異常などによって、身体表面が見た目の良くない状態になっているというものを治療をして、改善していく結果です。身体に生じた組織の異変だったり、変形、欠損などに対して手術やそれ以外の技術を駆使して、機能だけではなく、形態的により正常に、より美しく、というところで、患者さんの生活の質、クオリティオブライフの向上を目指していく、そういう科になります。

(小高)以前教えていただいたのが『眼瞼下垂』、それから『乳房再建』。このあたりが形成外科さんでお世話になるものだということなんですが、先生、他にはどんな疾患を扱うんでしょうか?

(野田)そうですね、やはり私たちの外来に一番多く来られるのが外傷になります。いわゆる怪我です。

(小高)怪我ね!

(野田)外傷というのは、外から力が加わって、組織だったり、深いと臓器までいってしまうようなこともあるんですけど、そういったものの損傷が起きている状態のことを外傷と呼びます。形成外科では臓器までの損傷はなかなか扱うことがないですけれども、顔面や手足の皮膚、皮下組織、軟部組織の傷だったり、お顔だと顔面骨、骨の折れたものも、私たちの科で治療を行います。

(小高)普通の外科さんで、何針縫ってもらうか?とかってあると思うんですけど、そことの境目っていうのはあるんですか?

(野田)何針縫うっていう言葉自体が実は結構難しくて、細い糸で縫えば、どうしても細く縫わなきゃいけないので、針数が多くなります。私たちの科の特徴として、綺麗に縫ってあげるということで、どうしても細い糸を使いがちなので、患者さんに「何針縫いました?」と聞かれて、すごく小さな傷なんですけど、10針になりましたって答えることもあります。

(つボイ)そうすると結構縫わなあかんのに、3針ですってキュッキュッキュッって終わっているものもあるってことなんですかね。

(野田)そうですね。大きな糸でぎゅっと寄せればそれでいいんですけど、あまり綺麗な傷の治りにはつながらないので、適切な糸の太さで適切な距離の幅で縫っていくというのが、すごく大事になってきますね。

(小高)今おっしゃった外傷の中でも、それぞれが全部違ってくるんですよね。

(野田)そうですね。切れたとか裂けたとかいろいろありますが、切り傷、すり傷、いわゆる擦過傷(さっかしょう)、裂傷(れっしょう)といって裂けてしまった傷、刺創(しそう)、刺した傷。あとは咬傷(こうしょう)といって犬や猫に噛まれた傷。こういった色々な受傷の起点によって分類はされています。

(小高)縫い方とか、治療方法も変わってくるんですか?

(野田)そうですね。基本的に擦過傷と言われるものは、ごく浅いところでの傷になるので、あまり縫合は必要になりません。ただ広範囲のすり傷になってると、結構痛みが強いんですね。ヒリヒリする。そういう場合は、しっかり保湿力のある軟膏を使ってあげたり、くっつきにくいガーゼをご案内して、あまり痛くないように管理しながら、皮を張らせていく管理をしていきます。

(小高)はい。

(野田)切り傷、裂創、刺創あたりは、結構深いところまでぱかっと裂けて切れてしまってる場合は、元通りその層ごとにしっかり縫い直してあげることで綺麗に治っていきます。

(つボイ)層ごとにということは、表面だけぎゅっとということはないんですね。

(野田)上だけ縫うと下に空間があいてしまいそうな場合は、下を縫って上も縫ってという感じで合わせていくこともあります。ばい菌が入り込んでいそうな傷には、異物になってしまうので、あまり中の糸は入れないようにして、大きく抜ける糸で縫うというような形でいくことが多いです。

(小高)やけども外傷に入るんですか?

(野田)そうですね。やけども外傷の一つです。切った傷が一番多いんですけど、その次くらいに火傷が多いです。やけどの深さによって色々と治療法は変わってきます。浅い方だと軟膏で皮が自分の力で張ってくるのでいいんですが、深いところ、真皮のところまでやけどで障害されてしまうと、自然に軟膏だけで治すということが難しいです。手術で取り除いてあげてて、植皮(しょくひ)といってどこかから皮を持ってきてあげないと傷の治癒に時間がかかるというようなこともあります。

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)一言で外傷と言っても、切り傷とかすり傷とか刺し傷とか種類がたくさんありまして、それぞれに治療法も違ってくるので、それをきれいに治すには専門的な技術が必要であると、こういうことですね。

(小高)やけども形成外科の先生が治療してくれるそうですよ。来週も野田先生に形成外科で扱う疾患についてお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第8回(令和6年5月22日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第8(令和6年5月22日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)『乳房再建』についてお聞きしています。乳がんの手術と同時に行う「一次再建」と、基本的な治療後に改めて行う「二次再建」の2種類があるということです。

(つボイ)そして、再建方法には人工物(インプラント)による乳房再建と自家組織による再建の2種類あるということらしいですね。

(小高)今日は、その中の「自家組織による再建」についてうかがいます。野田先生です。

  ~~~~~~~~

(野田)自家組織による乳房再建」というのは、患者さんの別の部分から体の皮下組織、皮膚、あと筋肉を持っていくこともあるんですが、そういったものを血行を保ったまま、血流がいい状態で持っていくような形、これを『皮弁(ひべん)』と言うんですけど、これで胸を作っていくものが自己組織による再建です。

(小高)はい。

(野田)その持っていく部分に、血や栄養を与える血管自体を切り離さないで持っていく「有茎皮弁(ゆうけいひべん)」という方法と、1回切り離して胸側の血管とつなぎ直す「遊離皮弁(ゆうりひべん)」という2種類の方法があります。

(小高)血管を切らないで持ってくることもできるんですか?

(野田)できます。

(つボイ)近くの方でしょうね、それは。

(野田)そうですね。基本的にはお腹か背中で持ってくるんですけど、お腹も背中も切り離さずに持っていく方法があります。

(小高)何かちょっと想像が難しい。(笑)

(つボイ)血管ってそんな長くなるんですか?

(野田)そうですね。血管自体だけをつなげたものを持ってくるというよりは、イメージとしてはその血管が通ってる筋肉ごと一緒に持ってくるので、引っ張られても血管が直接グイグイ引っ張られたりはしないので、安全に持っていけます。

(小高)やっぱりこの手術のメリットっていうと、全て自分の組織っていうところですか?

(野田)そうですね。血の通った組織を持っていくというところで、インプラントに比べて、柔らかいあったかい乳房というものが作れます。あとは、体の角度を変えた時とかに、おっぱいが付いてくるような、自然なおっぱいの移動というものもありますし、メンテナンスもほとんど必要ないので、術後長く外来に通っていただく必要も人工物に比べるとないですね。

(つボイ)なるほど~。

(野田)ただ、どこかから持ってくるということで、持ってきた側に大きな傷が残ってしまいます。お腹や背中にも、20センチから30センチくらいの大きな傷ができてしまうというところが1つ大きなデメリットになります。また、どうしても手術時間が長くなりますので、1日がかりの手術になってしまうことが多いです。

(つボイ)そんな長いことかかるんですね。

(野田)そうですね。乳腺外科の先生がやって、形成外科が入って、となると1日がかりになってしまうことが多いです。

(小高)どこから取ってくるかということについては、さっき先生がおっしゃってたお腹、背中。

(野田)そうですね。大体、一般的にはお腹か背中で選んでいただくことが多いです。

(つボイ)患者が選べるということですか?

(野田)選べないこともあるんです。というのは、胸の大きさである程度決まってしまうものがあります。自分の背中を触ってもらうと、お腹に比べてお肉が少ないと思うんですけど、胸がそんなに大きくない方は背中を使えるんですけど、ボリュームが出しにくいので、胸がボリューミーな方はどうしてもお腹を選ばざるを得ないというところはあります。

(小高)せっかくだからお腹からたくさん...っていうのはダメなのかな(笑)

(野田)そうですね。お腹が痩せるのは嬉しいって方も結構いらっしゃいますけど、縦幅15センチくらいをぐっと縫い縮めるので、術後の負担は大きいです。ただ、ボリュームがしっかり出しやすいのはお腹で、胸が場所的にも近いので、柔らかさ的にもお腹のお肉で作った胸がかなり柔らかく綺麗に仕上がりますね。

(つボイ)切り取った後は、結構長い間痛いとかそういうことはないんですか?

(野田)そうですね。傷のトラブルがなければ、大体2ヶ月ぐらいでほとんどシャキっと動けるようになるんですけど、逆に言うと2ヶ月近くはちょっと突っ張った感じがどうしても残ってしまうことが多いです。

(小高)ほぉ~。

(野田)その点、背中はボリュームが出しにくいんですけれども、お腹ほどは日常生活に支障が出にくいので、どうしても長く体を休めていられないという方は、ボリュームが少なめにはなるけど、背中を選ぶこともあります。

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)自家組織による再建というのは、本来の胸に近い柔らかさとか、体の角度を変えた時の自然な動きもありますけども、持ってきた場所には大きな傷跡は残るわけですね。

(小高)自家組織による再建も、人工物による再建も、それぞれにメリットとデメリットがあるので、それぞれの環境で選択していくことになります。限られた時間の中で結論を出すっていうのはちょっと難しいですが、よく検討して納得のいく結論を導きたいですよね。

来週も野田先生にお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第7回(令和6年5月15日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第7(令和6年5月15日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)先週までは形成外科が扱う代表的な疾患、眼瞼下垂についてうかがってきました。今週はもう一つの代表例として、『乳房再建』について教えていただきます。

(つボイ)女性にとっては、がんによる乳房切除後のケアというのは、切実な問題ですもんね。

(小高)術後の生活様式に大いにかかわってきます。野田先生です。

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(野田)『乳房再建』というのは、乳がんの切除で失われた乳房を、できる限り戻してあげるという手術、それを乳房再建といいます。乳房再建は、近年いろいろと進歩してきてまして、かなり美しい本当に近い乳房というのを再建できるようになってきています。その結果として、やっぱり乳房がなくなってしまったという喪失感だったり、どうしても毎日パットを入れて調整しなきゃいけないというような日常生活の不都合が解消されます。あとは、やっぱり(乳房が)ないということ自体、精神的に苦痛に感じる方もいるので、そういったところから解放されて、クオリティオブライフの向上が期待できる手術になります。

(小高)乳房再建というのは、手順的にはどのようにやっていくものなんですか?

(野田)そうですね。乳房再建というのは、再建のタイミングでまず分ける分け方があります。「一次再建」というのが乳がんの切除と同時に再建の手術を始めるものになります。「二次再建」というのが、乳がんの手術が終わって、治療もある程度一段落したところで、再建の手術を行うというものになります。

(小高)はい。

(野田)それぞれいいところ、悪いところがあるんですけれども、「一次再建」の同時に行うメリットとしては、やっぱり1回分手術が少なくて済むので、手術回数、費用の軽減ですね。同時に自己組織などでおっぱいを一気に作ってしまった場合は、乳房の喪失という状態がない状態になります。

(つボイ)これはいいですね。

(小高)なくなったっていう実感をしなくていいですからね。

(野田)そうですね。起きたら新しく作られたおっぱいになっている、ということになります。  ただ、デメリットとしては、そのがんの告知から、がんの治療のことも考えなくてはいけないですし、さらに再建のことも考えなくてはいけないということで、時間的な制約というのがどうしても出てきてしまいます。あとは、やっぱり切除する前と直接比較ができてしまうので、満足度というところで、求められるクオリティーがちょっと高くなると思います。

(小高)そうか、連続しちゃうから、違うじゃんこれってなっちゃう。

(野田)そうですね。違和感をちょっと感じやすいところはあるのかなとは思います。

(小高)はい。一方で二次再建の方のメリットとデメリットは?

(野田)そうですね。「二次再建」のメリットは、乳房の治療が一段落してから行うので、体験の内容、方法、選ぶものをゆっくり考えることができるというところですね。あとは、なくなったところから作るというところで、0と100なので、満足度は高くなることが多いと思います。

(小高)(つボイ)はい。

(野田)一方で、二次再建のデメリットは、一次再建のメリットでもあるんですけれども、手術回数が1回分増えてしまうので、どうしてもお金とか時間がかかってきてしまうところですね。

(小高)はい。これは患者さんの選択って分かれるんですか?

(野田)そうですね。基本的には患者さんのライフプランに合わせて選んでいただくことが多いです。

(小高)再建の方法もいろいろあったりするんですか?

(野田)そうですね、最近の様式は、一つは人工物、インプラントによる再建。もう一つが自家組織、自分の組織をどこかから持ってくるというもの。再建も大きく分けるとこの2種類になります。

(つボイ)これもさっきのメリットデメリットがあるんですか?

(野田)もちろん、それぞれであります。人工物のお話をまずさせていただきますと、人工物というのは、(手術によって)皮膚が取られることが多いので、まずその足りなくなった皮膚を補填するために、組織拡張器(エキスパンダー)という風船みたいなものを入れます。それを外来でお水ちょっとずつ入れながら膨らませて、足りない皮膚をぐっと伸ばしてあげます。

(小高)皮膚を伸ばす。

(野田)そうです。拡張させて、そして2回目の手術でシリコンのインプラントに入れ替える、そういうような流れでやっていきます。

(小高)この中に入れるものっていうのは、決まっているんですか?

(野田)そうですね。今ちょっと保険適応の幅が広がったので、何社かのいろんな種類のインプラントから選んでいただくことができるようになっています。人工物での再建のメリットとしては、傷が胸以外に付かないということですね。デメリットとしては、やっぱり人工物を体に入れるということ自体が少しデメリットです。感染に弱かったりというのもありますし、それ自体に抵抗がある方には向かないです。あとは、術後に放射線治療が必要な方、あるいは放射線治療を行った後という方は、ちょっと露出の危険があるので、基本的には選びづらいです。

 

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(小高)乳房再建には手術をする時期で、まず一次再建と二次再建というのがあって、再建方法としては、人工物による乳房再建と自家組織による再建の2種類があるということです。

(つボイ)ライフプランに合わせてタイミングとか方法を選んでいくというわけですね。

(小高)いずれの方法を選んでも、再建方法の進歩によって、乳房再建によるクオリティオブライフの向上が期待されます。来週は乳房再建パート2!ということでね、さっき出た自家組織による再建について、野田先生にお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第6回(令和6年5月8日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第6(令和6年5月8日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)先先週、先週と「眼瞼下垂はどんな病気か」、そして「眼瞼下垂の原因とはなんなのか」について教えていただきました。

(つボイ)はい。メッセージをいただいています。

ラジオネーム ボンゴレ・ロソ子さん より

「手術しましたよ、6年ぐらい前に。定期的に行っている眼科で『治した方がいい』と言われ、形成外科に行きました。瞳孔にまぶたがかかり、視野を妨げそうになっていました。手術は局所麻酔で、先生とお話ししながら受けました」

ということでありました。

(小高)やっぱり眼科から形成外科に行ったわけですね~。今日は、「眼瞼下垂の治療法」について野田先生にお聞きします。

  ~~~~~~~~

(野田)眼瞼下垂症では、視野に異常がないケースに関しては、保険適用の治療は行わないんですけれども、視野が欠損してしまっているようなケースでは手術で治療を行います。

(小高)なんか目の周りの手術って、ちょっと怖っ!って思ったりするんですけど(笑)

(つボイ)ねぇ~。

(野田)結構緊張される方が多いですね。ちなみにまぶたを閉じたり開けたりするまばたきは、人間はどれくらいの回数していると思いますか?

(つボイ)まばたきな~。

(小高)あのね、前に1分間まばたきをしないっていうのをやってみたことがあるんですよ。すごい辛いですよ!1分がめちゃくちゃ長いんですよ!(笑)

(つボイ)あんた暇か。どんな時にそんなこと試すん。(笑)

(小高)今度やってみてくださいよ!なかなか目が痛いですよ。

(野田)目がすごく乾きそうですね(笑)

(つボイ)1分が辛いってことは、1分間に10回くらいは最低でもしてるんじゃないでしょうか。

(小高)スタートって言ってからすぐ辛くなりましたから、5、6秒に1回くらいはしてるんじゃないかな!?

(野田)そうですね。大体20回くらいです。

(小高)(つボイ)20回!

(野田)1分間に20回となると、1時間では1200回、起きている時間を1日16時間とすると約2万回、それを1年重ねると約720万回、なので80歳まで生きるとしたら、なんと6億回近くまばたきをすることになります。

(つボイ)それだけ使ってるということですよね。

(野田)そうですね。まぶたを開けたり閉じたりっていうところで、目の回りの筋肉はたくさん使われていることになります。

(小高)(つボイ)はい。

(野田)構造は結構複雑でですね。いろいろなものが関連しあって、目が開いたり閉じたりしています。簡単に言うと目を閉じる筋肉が眼輪筋(がんりんきん)、目の周りにぐるっと囲っているような筋肉になります。そして、目を開けるための筋肉が眼瞼挙筋(がんけんきょきん)、そのまぶたの引き上げを補助するのがミュラー、この2種類の筋肉が目を開けるために使われます。

(つボイ)ふんふん。

(野田)眼瞼挙筋ミュラーというのは、目の際の所に軟骨のような組織、瞼の板と書いて瞼板(けんばん)というんですけど、これに膜状になってくっついて、筋肉が目の奥でキュッと収縮することで目がくっと開くという仕組みになっています。

(つボイ)なるほど~。

(野田)後天的な眼瞼下垂の治療法としては、まず手術でたるんだ皮膚を取ります。これだけでかなり見やすくなる方もいます。

(小高)はい。

(野田)大抵は、筋肉から伸びている膜が緩んだり外れたりして眼瞼下垂が起こっています。くっついていることが多いので、癒着をしっかりはがしてあげて、その目を開けるための筋肉の膜をグッと張った状態にする。びよ~んと伸びているものをピシッと張った状態にしてあげる。ピシっと膜を伸びた状態で瞼板に糸で固定することで、目を開ける機能をもう一度回復させるというような手術をしています。

(つボイ)これは日帰りでできる手術なんですか?

(野田)日帰りでもできるんですけれども、結構多くの方が血をサラサラにするお薬とかを飲んでいらっしゃるので、念のため1泊2日の入院をお勧めすることが多いです。

(小高)両目同時にやるんですか?

(野田)同時にやることが多いです。別のタイミングでやると、なかなか左右のバランスを取るのが難しいので、両目一気にやらせていただいています。でも結構腫れるので、1泊はしましょうねっていうお話です。

(つボイ)手術のすぐ後というのは、瞼は動くんですか?どんな状況なんですか。

(小高)腫れているんですよね?

(野田)腫れてはいるので、完全に開きやすくなった、術後3ヶ月頃の状態ほどきれいにパッとは開かないんですけども、術前よりはパっと開きやすくなって、全然明るさが違いますと皆さんおっしゃいます。

(小高)腫れていても前より見えるようになるんだ。

(野田)術後すぐから目に入る光の量がかなり変わってくるので、見やすくなったということですね。1晩寝ると結構腫れちゃうので、またちょっと見えにくくなるんですけれども。

(小高)でも腫れが引いたら世界はこんなによく見えてたのね。ってことになるわけですよね。

(野田)そうですね。かなり明るくなりましたという方が多いです。

 

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)というわけでございましてね、この冒頭のメッセージでボンゴレさんも言ってましたけども、手術は局所麻酔ということらしいですね。

(小高)だから意識があるままなので、目の手術って意識があるとちょっと怖いような気もするんですが、術後開け方の確認をしたりするので、局所麻酔で行うということでした。

(つボイ)なるほど~。

(小高)来週も、形成外科が扱う症状について野田先生にお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

■第1回

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CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第5回(令和6年5月1日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第5(令和6年5月1日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)、榊原悠介さん(アナウンサー)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)先週からは、形成外科で扱う代表的な疾患のひとつ、眼瞼下垂についてうかがっています。榊原さん、「眼瞼下垂」って知ってる?

(榊原)がんけん・・・だから目、ですか?

(小高)眼瞼下垂は、上まぶたが垂れてきてしまう状態です。だんだん目に被さっちゃうから見えにくくなっちゃう。

(榊原)ああ、聞いたことある!

(小高)三者から見た、見た目の問題もありますが、視野が狭くなってものが見えにくくなったり、時には頭痛や肩こりの原因にもなるということですから、放っておいていいというものではありませんね。今日はその眼瞼下垂の原因についてお聞きしていきます。

(榊原)勉強します。

(小高)野田先生につボイさんと私でうかがっています。

  ~~~~~~~~

(野田)大きく分けると先天的なものと、後天的なものがあります。先天的、生まれつきのものは、上まぶたを上げるための筋肉、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)というんですが、この筋肉の力が非常に弱かったり、ほとんどなかったり、あるいはそれを動かすために必要な動眼神経(どうがんしんけい)の動きが悪かったりすることにより引き起こされることが多いです。

(つボイ)はい。

(野田)それに対して後天的なものは、加齢などで目を開ける筋肉そのものが衰えたり、目を開ける筋肉というのは目の縁の所に膜状にくっついているんですが、その膜が伸びてしまったり、くっついているところが外れてしまったりして、筋肉の動きがうまく目の先まで伝わらなくなって、目が開かなくなってしまう。あるいは、上まぶたの皮膚がべろんとたるんでしまって、目を覆ってしまうことが主な原因となります。

(つボイ)加齢ということですね。

(野田)そうですね。加齢性変化によるものとなりますね。例えば80代・90代の加齢性の変化ではなく、40代・50代でも後天的に眼瞼下垂が起きてくることがあります。長時間に渡ってハードコンタクトレンズを使い続けるとによって、挙筋を支える腱膜などが慢性的に刺激されて、緩んでしまって、眼瞼下垂を発症することもあります。

(小高)若い人たちはよくコンタクトを使用してますけど、こういったことを全く知らない人もいるでしょうね。

(野田)そうですね。若い方で(診察に)来た方に「ハードコンタクト使ったことありますか?」って聞くと、結構あるんですけど、聞いたことなかったという方が多いです。

(つボイ)私ハードコンタクトですから。

(小高)あら、ずっと若い時からですか?

(つボイ)乱視はね、矯正できんのです。ソフトコンタクトでは。また別の話になりますけど(笑)気をつけないかんなぁ。

(小高)リスクとしてこういうことがあるというのは、本当は知っておいたほうがいいでしょうね。

(野田)そうですね。物理的な筋や膜の問題ではなく、頭の中で何かが起きていて、眼瞼下垂のような状態になることがあります。例えば脳梗塞や、脳動脈瘤動眼神経を圧迫して、動眼神経が麻痺して眼瞼下垂が起きている場合もあります。

(小高)脳の中で、目に関わる神経を圧迫するということですか。

(野田)そうですね。それで動きが悪くなって、目が開かなくなったりということもあります。腫瘍も同じようなことがあります。

(つボイ)へぇ~。これまでは軽いと言っちゃなんですけど...

(小高)命にはあんまり関わらなさそうと思ってたら、最後に!

(つボイ)年取ったらしょうがないかなって思ったりしてたけど、最後のほうはちょっと、原因としては深刻ですよね。

(野田)そうですね。あとは、重症筋無力症という、全身の筋肉が弱る病気が隠れていることもあるので、診察で気になることがあれば、脳神経内科の先生などと協力していくことになります。調べて、何もなければ物理的なものということで、形成外科で手術をするという流れになります。

(小高)はい。最初に先生がご覧になった時に、これは加齢によるものだなというのと、これはちょっと脳とか中の関係かなっていうのは、先生はパッと見て違いがわかるものなんですか?

(野田)はっきりと左右差があったりするものに関して、右と左が明らかに下がり方が違うとか、目の動きが悪かったり、というのと共にまぶたが下がっている場合は、頭の中で何かが起きている可能性があるので、詳しく調べることになります。

(つボイ)左右差があると頭の中で何か起こっている!

(野田)ないこともあるんですけど、その可能性を頭に入れて、細かく画像検査などをしていくことが多いです。隠れている場合もあるので、急に症状が進行したりということがあれば、早めに診察に来ていただけるといいかなと思います。

 

~~~~~~~~

 

(榊原)まぶたが下がってきて、視野が狭くなっているだけでも日常生活に不便を生じますが、原因が頭の中の病気から来ているとなると、命にも関わって来るので大変ですよね。

(小高)ね、そういう場合もあるということですので、しっかり診断してもらうことが大切ですね。

来週は、眼瞼下垂の治療法を野田先生にお聞きしていきます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(榊原)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第4回(令和6年4月24日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第4(令和6年4月24日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただきます。

(小高)形成外科は、病気や怪我が原因で身体表面が見た目のよくない状態になったものを治療する外科、ということでしたね。

(つボイ)お便りをいただいています。

ラジオネーム ハット!はっとばーどさんより、

「形成外科のお話を聞き、患者さんに希望を与えて素晴らしいなぁと思いました。私の手術痕は、5センチ位の切開で5針縫った跡が、50年経った今でもしっかり残っています。ひざ横ちょっと上の外側であまり目立たない場所ですが、短いスカートとかを履くと見えるので、高校時代には『足にムカデの後があるね』と言ってくる意地悪な人がいたり、OLの時は『ストッキングがデンセンしてるよ』と言われたこともありました。でも、その手術のおかげで歩いたり走ったり出来ているので、コンプレックスに思ったことはありません。言われても『手術の跡だよ』とサラッと答えるだけです。が、もう少し目立たないように縫って欲しかったのも本音です」

(つボイ)私もよくわかります。私もバイクで転んだ時の怪我で、ムカデのような跡がありますので、この方と同じ傷があるなぁと思いました。

(小高)そうですね。事故などによる外傷や、体の表面の腫瘍、やけど、ケロイドなど形成外科が扱う疾患は多岐にわたります。今週からは、形成外科が扱う具体的な疾患を教えてもらいます。まずはその中から代表的な「眼瞼下垂(がんけんかすい)」について。野田先生です。

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(野田)眼瞼下垂(がんけんかすい)」というのは、音だけ聞いても何のことかわからない人がいるかもしれませんが、「眼」の「瞼(まぶた)」が「下」に「垂」れると書きます。文字通り目を開けた時に、上瞼が正常な位置よりも下がってしまっている病気です。

(小高)しっかり開けているつもりでも、瞳の部分に上瞼が覆いかぶさってきちゃうというようなことでしょうか?

(野田)そうですね。下垂にも程度があって、軽度な場合はあまり視野にかかることもなく、美容的に、見た目に瞼が下がっていて、眠そう見えるだけです。ただ、中等度・高度になってくると、視野にまぶたが入ってきてしまうので、目が疲れやすくなったりとか、ものが見えにくくなるという障がいが起きてきます。

(小高)うん。そうなると、生活するにも煩わしさが出てきますよね。

(野田)そうですね。テレビを見る時に、瞼を指で上げないとうまく見えないと仰る方もみえますし、車の運転の時にあごを上げないと見えないという方もいらっしゃいます。

(つボイ)そうか!運転中は手で押さえるわけにはいかんからね。

(野田)あるいは目が開かない分、おでこで頑張って開けようとして、眉毛がぐっと上がってしまって、頭のところの筋肉が凝ってしまって頭痛の原因になったり、首を後ろにやることで肩こりの原因になってくることもあります。

(小高)目の細い人が「目閉じてますよ!」って言われて、慌てて大きくするっていうのありますけど、目が小さい細いっていうのと、瞼が下がって細くなってくる、視界が悪くなってくるっていうのは全く別物だってことですよね。

(野田)そうですね。目の大きさというより、上瞼が下がってくる。ガチャピンがわかりやすいイメージかなと思うんですけど(笑)

(小高)半分下がってますもんね(笑)

(つボイ)ガチャピン症ってね。専門の方は言われるね。言わないか、そんなこと。

(野田)(笑)わかりやすい例でいうと、ああいうお顔かなって思います。

(小高)自覚症状としては、さっき先生が仰っていたように、なんか見えにくいとかそういったところで気づく人が多いってことですか?

(野田)そうですね。見えにくいということと、瞼が重くてうまく上がらないとか、上方のものが見えづらい、信号が見えづらいとかですね。あとは、一生懸命見ようと眉毛を上げるので、額のしわが増えたとか、いつも眠そなう顔をしていると言われるとか、夕方になると頭痛や肩こりが出るという自覚症状が出ることがあります。

(小高)老化現象として、年を取ってくるとだんだん瞼が落ちてきちゃうんだよね~なんていうのが、一定の世代になってくると会話の中に出てくるんですけど(笑)顔が老化してきたな~っていうのと、これは眼瞼下垂の可能性があるから病院で診てもらったほうがいいよ、という境目はどこで判断したらよいでしょうか?

(野田)やっぱり生活に支障が出ているかどうかが一番ですかね。

(つボイ)さっき言ってたように視野が狭くなったりとかね。

(野田)そうですね。瞼を上げないと見えない。手で瞼を押し上げるとすごく見やすくなる。というようなことがあるのであれば、やっぱり普段から少し見えづらい状態になっている可能性が高いので、その場合は一度診察に来て頂くといいかなと思います。あとは、ふと写真を撮られたときに、ものすごく眉毛が上がっていたり、自分では自覚できなかったりするんですけど、ふと鏡を見たときに、すごくおでこにしわが寄ってたりすると眼瞼下垂の可能性があるかなと思います。

(小高)最近眠たそうな目にだんだんなってきてるから、写真の時は一生懸命目をパチっパチっとやったりするんですけどね(笑)

(つボイ)そうそう、目をパチっとやるんですけどね、上にしわが寄ってますよっていうことになるのね。

(野田)そうですね。一生懸命開けようとして寄ってるかもしれませんね。その場合は眼瞼下垂かもしれません。

(つボイ)でも、いろんな難しい病気がありますが、これは自分で発見しやすい病気ですよね。

(野田)そうですね。ご自身で鏡を見たり、ふと撮られた写真を見たりしてわかる病気かなと思います。

 

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(つボイ)はい、ということでございます。みなさんもね、日頃の自分とちょっと向かい合ってみてください。運転中に首を後ろに倒して、顎を出して信号を見ている。というのも判断できる一つなんですね。

(小高)大変だし、危ないしね。見た目でもわかりやすいし、瞼が下がって来ていることで視野が狭くなっているとしたら、形成外科を受診しましょうということですね。来週は、この眼瞼下垂になる原因についてお聞きしていきます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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