CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第2回(令和6年4月10日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第2(令和6年4月10日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただきます。

(つボイ)整形外科とは違う、ということを教えていただきました。骨・関節や筋肉などの運動器の機能の改善を目指すのが整形外科ということでしたね。

(小高)一方で形成外科は、病気や怪我が原因で、身体表面が見た目のよくない状態になったものを治療する外科、ということでしたね。美容外科ともまた違うのでしょうかね?野田先生です。

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(野田)美容外科と形成外科の施術の内容というか、根っこは同じものだと思っています。ただ、同じ技術をもって、美容外科はもっと美しく、形態は普通であるんだけども、より美しくなりたいという目的。それに対して、怪我や病気で機能や形態が以前よりも悪くなってしまった方を、正常にするためにその技術を使うのが形成外科という認識です。

(つボイ)保険きかないんですよね。

(野田)そうですね。美容外科は自費になります。保険病名が付くものを扱っているのが形成外科で、その枠から外れたところで、より綺麗になりたいとか改善したいとなると美容外科になってきます。

(つボイ)(小高)はい。

(野田)より普通に生きて行くために、形態などを整えていく。組織が足りなくなったり、変形してしまっているところに対して、形成外科的な技術をもって、普通に普通の人と同じように生きて行く。QOLを上げて行くようなところに貢献していくのが形成外科の役割かなと思っています。

(小高)形成外科の歴史でいくと、比較的考え方としては新しい考え方なんですかね?

(野田)そうですね。外科の分野では比較的新しくて、学会が設立されたのは1960年頃です。

(つボイ)あら、そう。

(野田)60年ちょっとの歴史というところで、比較的新しい科になります。科として形成外科は60年ちょっとなんですけれども、実は形成外科で使っている手術方法というのは、紀元前600年のインドに残されている絵に、おでこでお鼻を再建している図が載っているんですね。

(つボイ)なになに??

(小高)おでこの皮膚をってことですか?

(野田)おでこの皮膚をはがしておろしてきて、お鼻のところの欠損を補填する術式があるんですけれども、それが絵で残っているので、形成外科の技術は結構昔からあったと考えられています。

(つボイ)インドすごいですね!今でも難しいですよね?(笑)

(野田)難しいです。(笑)ほんとに綺麗に絵に残っていて、形成外科の教科書にも載っています。昔の人はすごいですよね。

(小高)その形成外科のお医者さんである野田先生。なんでまた?とか言ったらあれですけど(笑)なんで形成外科に?

(野田)さっきも言ったように、QOLですね。お医者さんって命を助けるというイメージが強いと思うんですけど、生きるというのは必ずしも「死なない」ようにするためだけじゃなくて、明日を生きていくためにプラスになるようことをするのもお医者さんの仕事かなと思いまして。学生時代に、小耳病という、耳が小さい子の耳を作ってあげる技術の動画を授業で見たときに、当たり前にあるべきところに「ない」という状態から「ある」という状態にしてあげることって、すごく大きなことだなとその時に感じました。

(つボイ)ほぉ~。

(小高)お医者さんの外科って、人間のある器官を「取る」というほうが多いですけど、「つくる」っていうね!

(野田)そうですね。作って普通の見た目にしてあげる、ということのすごさをその時に感じて感動しまして、こんなことができたらなと思って形成外科を目指しました。

(小高)形成外科の中でも、先生のご専門ってあるんですか?

(野田)ピンポイントの専門というのはないんですけど。得意というか力を入れてやっているのが眼瞼下垂症と乳房再建ですね。眼瞼下垂症は瞼が下がっている方が、見やすくなるように目を整えてあげるということ。乳房再建は乳がんで失った方のおっぱいを、なるべく元通りに近いものを作ってあげるということですね。この2つは特に力を入れてやっています。

(つボイ)私もこないだ目の眼圧を測る時にね、「目をもっと開いてください」って、「開いてますけど!」って(笑)これ眼瞼下垂かもわからんなと…

(小高)瞼が下がってきて見えにくくなるってことですか?

(野田)そうですね。大体みなさん多かれ少なかれ、年を取ってくるとあるものなんですけれども。程度問題で、あまりにも著しく、生活に支障がある方は治療をさせていただいています。

 

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(つボイ)形成外科としての考え方も、その技術の一部も、紀元前からあったというのは驚きです。

(小高)そして現代では、形成外科としてのニーズがいっそう高まっているということですね。

来週も野田先生に形成外科についてお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

■第1回

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