CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第4回(令和6年4月24日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第4(令和6年4月24日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただきます。

(小高)形成外科は、病気や怪我が原因で身体表面が見た目のよくない状態になったものを治療する外科、ということでしたね。

(つボイ)お便りをいただいています。

ラジオネーム ハット!はっとばーどさんより、

「形成外科のお話を聞き、患者さんに希望を与えて素晴らしいなぁと思いました。私の手術痕は、5センチ位の切開で5針縫った跡が、50年経った今でもしっかり残っています。ひざ横ちょっと上の外側であまり目立たない場所ですが、短いスカートとかを履くと見えるので、高校時代には『足にムカデの後があるね』と言ってくる意地悪な人がいたり、OLの時は『ストッキングがデンセンしてるよ』と言われたこともありました。でも、その手術のおかげで歩いたり走ったり出来ているので、コンプレックスに思ったことはありません。言われても『手術の跡だよ』とサラッと答えるだけです。が、もう少し目立たないように縫って欲しかったのも本音です」

(つボイ)私もよくわかります。私もバイクで転んだ時の怪我で、ムカデのような跡がありますので、この方と同じ傷があるなぁと思いました。

(小高)そうですね。事故などによる外傷や、体の表面の腫瘍、やけど、ケロイドなど形成外科が扱う疾患は多岐にわたります。今週からは、形成外科が扱う具体的な疾患を教えてもらいます。まずはその中から代表的な「眼瞼下垂(がんけんかすい)」について。野田先生です。

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(野田)眼瞼下垂(がんけんかすい)」というのは、音だけ聞いても何のことかわからない人がいるかもしれませんが、「眼」の「瞼(まぶた)」が「下」に「垂」れると書きます。文字通り目を開けた時に、上瞼が正常な位置よりも下がってしまっている病気です。

(小高)しっかり開けているつもりでも、瞳の部分に上瞼が覆いかぶさってきちゃうというようなことでしょうか?

(野田)そうですね。下垂にも程度があって、軽度な場合はあまり視野にかかることもなく、美容的に、見た目に瞼が下がっていて、眠そう見えるだけです。ただ、中等度・高度になってくると、視野にまぶたが入ってきてしまうので、目が疲れやすくなったりとか、ものが見えにくくなるという障がいが起きてきます。

(小高)うん。そうなると、生活するにも煩わしさが出てきますよね。

(野田)そうですね。テレビを見る時に、瞼を指で上げないとうまく見えないと仰る方もみえますし、車の運転の時にあごを上げないと見えないという方もいらっしゃいます。

(つボイ)そうか!運転中は手で押さえるわけにはいかんからね。

(野田)あるいは目が開かない分、おでこで頑張って開けようとして、眉毛がぐっと上がってしまって、頭のところの筋肉が凝ってしまって頭痛の原因になったり、首を後ろにやることで肩こりの原因になってくることもあります。

(小高)目の細い人が「目閉じてますよ!」って言われて、慌てて大きくするっていうのありますけど、目が小さい細いっていうのと、瞼が下がって細くなってくる、視界が悪くなってくるっていうのは全く別物だってことですよね。

(野田)そうですね。目の大きさというより、上瞼が下がってくる。ガチャピンがわかりやすいイメージかなと思うんですけど(笑)

(小高)半分下がってますもんね(笑)

(つボイ)ガチャピン症ってね。専門の方は言われるね。言わないか、そんなこと。

(野田)(笑)わかりやすい例でいうと、ああいうお顔かなって思います。

(小高)自覚症状としては、さっき先生が仰っていたように、なんか見えにくいとかそういったところで気づく人が多いってことですか?

(野田)そうですね。見えにくいということと、瞼が重くてうまく上がらないとか、上方のものが見えづらい、信号が見えづらいとかですね。あとは、一生懸命見ようと眉毛を上げるので、額のしわが増えたとか、いつも眠そなう顔をしていると言われるとか、夕方になると頭痛や肩こりが出るという自覚症状が出ることがあります。

(小高)老化現象として、年を取ってくるとだんだん瞼が落ちてきちゃうんだよね~なんていうのが、一定の世代になってくると会話の中に出てくるんですけど(笑)顔が老化してきたな~っていうのと、これは眼瞼下垂の可能性があるから病院で診てもらったほうがいいよ、という境目はどこで判断したらよいでしょうか?

(野田)やっぱり生活に支障が出ているかどうかが一番ですかね。

(つボイ)さっき言ってたように視野が狭くなったりとかね。

(野田)そうですね。瞼を上げないと見えない。手で瞼を押し上げるとすごく見やすくなる。というようなことがあるのであれば、やっぱり普段から少し見えづらい状態になっている可能性が高いので、その場合は一度診察に来て頂くといいかなと思います。あとは、ふと写真を撮られたときに、ものすごく眉毛が上がっていたり、自分では自覚できなかったりするんですけど、ふと鏡を見たときに、すごくおでこにしわが寄ってたりすると眼瞼下垂の可能性があるかなと思います。

(小高)最近眠たそうな目にだんだんなってきてるから、写真の時は一生懸命目をパチっパチっとやったりするんですけどね(笑)

(つボイ)そうそう、目をパチっとやるんですけどね、上にしわが寄ってますよっていうことになるのね。

(野田)そうですね。一生懸命開けようとして寄ってるかもしれませんね。その場合は眼瞼下垂かもしれません。

(つボイ)でも、いろんな難しい病気がありますが、これは自分で発見しやすい病気ですよね。

(野田)そうですね。ご自身で鏡を見たり、ふと撮られた写真を見たりしてわかる病気かなと思います。

 

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(つボイ)はい、ということでございます。みなさんもね、日頃の自分とちょっと向かい合ってみてください。運転中に首を後ろに倒して、顎を出して信号を見ている。というのも判断できる一つなんですね。

(小高)大変だし、危ないしね。見た目でもわかりやすいし、瞼が下がって来ていることで視野が狭くなっているとしたら、形成外科を受診しましょうということですね。来週は、この眼瞼下垂になる原因についてお聞きしていきます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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