CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第5回(令和6年5月1日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第5(令和6年5月1日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)、榊原悠介さん(アナウンサー)

(小高)毎週この時間は「健康のつボ~形成外科について」。形成外科ではどんな疾患を診てもらえるのか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただいています。

(小高)先週からは、形成外科で扱う代表的な疾患のひとつ、眼瞼下垂についてうかがっています。榊原さん、「眼瞼下垂」って知ってる?

(榊原)がんけん・・・だから目、ですか?

(小高)眼瞼下垂は、上まぶたが垂れてきてしまう状態です。だんだん目に被さっちゃうから見えにくくなっちゃう。

(榊原)ああ、聞いたことある!

(小高)三者から見た、見た目の問題もありますが、視野が狭くなってものが見えにくくなったり、時には頭痛や肩こりの原因にもなるということですから、放っておいていいというものではありませんね。今日はその眼瞼下垂の原因についてお聞きしていきます。

(榊原)勉強します。

(小高)野田先生につボイさんと私でうかがっています。

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(野田)大きく分けると先天的なものと、後天的なものがあります。先天的、生まれつきのものは、上まぶたを上げるための筋肉、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)というんですが、この筋肉の力が非常に弱かったり、ほとんどなかったり、あるいはそれを動かすために必要な動眼神経(どうがんしんけい)の動きが悪かったりすることにより引き起こされることが多いです。

(つボイ)はい。

(野田)それに対して後天的なものは、加齢などで目を開ける筋肉そのものが衰えたり、目を開ける筋肉というのは目の縁の所に膜状にくっついているんですが、その膜が伸びてしまったり、くっついているところが外れてしまったりして、筋肉の動きがうまく目の先まで伝わらなくなって、目が開かなくなってしまう。あるいは、上まぶたの皮膚がべろんとたるんでしまって、目を覆ってしまうことが主な原因となります。

(つボイ)加齢ということですね。

(野田)そうですね。加齢性変化によるものとなりますね。例えば80代・90代の加齢性の変化ではなく、40代・50代でも後天的に眼瞼下垂が起きてくることがあります。長時間に渡ってハードコンタクトレンズを使い続けるとによって、挙筋を支える腱膜などが慢性的に刺激されて、緩んでしまって、眼瞼下垂を発症することもあります。

(小高)若い人たちはよくコンタクトを使用してますけど、こういったことを全く知らない人もいるでしょうね。

(野田)そうですね。若い方で(診察に)来た方に「ハードコンタクト使ったことありますか?」って聞くと、結構あるんですけど、聞いたことなかったという方が多いです。

(つボイ)私ハードコンタクトですから。

(小高)あら、ずっと若い時からですか?

(つボイ)乱視はね、矯正できんのです。ソフトコンタクトでは。また別の話になりますけど(笑)気をつけないかんなぁ。

(小高)リスクとしてこういうことがあるというのは、本当は知っておいたほうがいいでしょうね。

(野田)そうですね。物理的な筋や膜の問題ではなく、頭の中で何かが起きていて、眼瞼下垂のような状態になることがあります。例えば脳梗塞や、脳動脈瘤動眼神経を圧迫して、動眼神経が麻痺して眼瞼下垂が起きている場合もあります。

(小高)脳の中で、目に関わる神経を圧迫するということですか。

(野田)そうですね。それで動きが悪くなって、目が開かなくなったりということもあります。腫瘍も同じようなことがあります。

(つボイ)へぇ~。これまでは軽いと言っちゃなんですけど...

(小高)命にはあんまり関わらなさそうと思ってたら、最後に!

(つボイ)年取ったらしょうがないかなって思ったりしてたけど、最後のほうはちょっと、原因としては深刻ですよね。

(野田)そうですね。あとは、重症筋無力症という、全身の筋肉が弱る病気が隠れていることもあるので、診察で気になることがあれば、脳神経内科の先生などと協力していくことになります。調べて、何もなければ物理的なものということで、形成外科で手術をするという流れになります。

(小高)はい。最初に先生がご覧になった時に、これは加齢によるものだなというのと、これはちょっと脳とか中の関係かなっていうのは、先生はパッと見て違いがわかるものなんですか?

(野田)はっきりと左右差があったりするものに関して、右と左が明らかに下がり方が違うとか、目の動きが悪かったり、というのと共にまぶたが下がっている場合は、頭の中で何かが起きている可能性があるので、詳しく調べることになります。

(つボイ)左右差があると頭の中で何か起こっている!

(野田)ないこともあるんですけど、その可能性を頭に入れて、細かく画像検査などをしていくことが多いです。隠れている場合もあるので、急に症状が進行したりということがあれば、早めに診察に来ていただけるといいかなと思います。

 

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(榊原)まぶたが下がってきて、視野が狭くなっているだけでも日常生活に不便を生じますが、原因が頭の中の病気から来ているとなると、命にも関わって来るので大変ですよね。

(小高)ね、そういう場合もあるということですので、しっかり診断してもらうことが大切ですね。

来週は、眼瞼下垂の治療法を野田先生にお聞きしていきます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(榊原)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について』でした。 

 

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