CBCラジオ「健康のつボ~股関節の痛みについて~」 第12回(令和5年6月21日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、中北吉厚医師(一宮西病院 整形外科 股関節センター長)
(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。
(小高)整形外科のもっともポピュラーな手術で、満足度が非常に高く、20世紀もっとも成功した手術とも言われている『人工股関節置換術』ですね。
(つボイ)はい、この手術はこれまでお話にあったように評価が高いんですけれども、その手術が終わった後は、どんなリハビリが待っているんでしょうかね?
(小高)リハビリは施設や担当者によっても違ってくるそうなので、”中北先生の場合”というのをお聞きしています。先生、お願いします。
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(中北)まず翌日から、どんどん歩く練習をして頂きます。
(小高)入院中ということですか?
(中北)そうですね、手術の翌日からさっそく歩いて頂きたい。ただやっぱり傷も痛いですし、脚の長さが揃っていなかったのが急に揃ったりとか、いろんな環境の変化がありますので。
(小高)ちょっと違和感があるかもしれないですね。
(中北)そうですね。ですから、リハビリの先生の見守りのもとで、歩行器で歩く練習をして頂きます。あとは可動域訓練といって、股関節の動きをほぐしていくベッド上でのリハビリもありますね。それがまず初日、2日目にはもう杖で歩いて頂きます。
(小高)歩行器から今度は杖になるんですか。
(中北)2日目になるとかなり痛みは減って、元気な方だとスタスタ歩かれる方もたくさんいらっしゃいます。
(つボイ)これは感激でしょうね、患者さんも。
(中北)これはほんとに2日目になると喜んで頂いていますね。3日目以降はですね、階段の昇り降りですとか、
(つボイ)階段を登れる!!3日目で!
(中北)登れます。手すりを使いながらですけどね。あとは靴下を履く練習ですとか、病院の外のちょっと段差のあるようなところを歩いてみる練習ですとか、そのあたりはリハビリの進み具合に応じて、3目以降どんどんやって頂きます。
(つボイ)外まで出られる時は本当に感激でしょうねぇ。
(中北)そうですね、退院されたらいろいろな段差もありますので、そうしたことを想定した動く練習をして頂いています。
(小高)退院は大体何日?
(中北)退院はですね、私は今6日、大体1週間くらいで、片方の手術の方も両足同時の方も、大体そのくらいでお家に帰って頂けているかと思いますね。
(小高)退院後は通院しながら診ていくということですか?
(中北)そうですね、退院された後1回目は、術後3週間くらいのタイミングで外来に来て頂いて、そこでレントゲンを確認して、傷の治りを確認してですね、またリハビリに行って頂くという感じなんですけれども。この手術の合併症である『脱臼』というのは、もし起きるといたら術後早期、術後3週間、1か月以内くらいが外れやすいんですね。ですから、それを予防する意味で、最初の3週間だけはしゃがみこむ動作、大げさな背伸びのような動き、自転車に乗ることはやめて頂いているんですね。安全のためなんですけど。
(つボイ)脱臼しやすくなるんですね。
(中北)そうですね。よろけて転んだりするのも危ないですし。ですから、3週間過ぎたくらいが1回目の外来という形でやってますね。
(小高)逆に言うと、それ以外の、それ以上の激しい動きでなければ、大抵大丈夫だよってことですか?
(中北)そうですね、今申し上げたことを最初の3週はやめて頂いて、3週経てばそれもやっていいよってことになりますね。
(小高)自転車も大丈夫になる。
(中北)そうですね、もちろん元々の筋力とか、元気具合によりますけど。できる方はやって頂く。元々運動が趣味の方とか運動に復帰したいという方は、3か月経てばいいですよとお伝えしています。