CBCラジオ「健康のつボ~股関節の痛みについて~」 第9回(令和5年5月31日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、中北吉厚医師(一宮西病院 整形外科 股関節センター長)
(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。
(つボイ)人工股関節のインプラントも、術式も進化しているということでしたね~。
(小高)今日は、「人工股関節の手術法」について、中北先生に教えていただきます。
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(中北)もともとこの(人口股関節の)手術は、横向きに固定して、股関節のうしろ側、 おしりを切って入れる方法が一般的だったんですね。後ろですとか真横ですとかそういうところを切って、体をとにかく横向きににセッティングして行っていたんですけれども、21世紀に入って、それを仰向け、人が一番自然な状態で前を切って、前側から筋肉を切らずにかき分けて入れる方法ができるようになりまして、わたしもそれを一番専門としてやっています。
(つボイ)仰向けのほうが入れやすいということですか?
(中北)これがですね、横向きの方がもともと足を前にも後ろにも自由に動かすことができるので、足の操作性としては横向きのほうがいいわけなんですね。
(小高)そうか、足を動かしながらぐいぐいぐいってできるから。
(中北)そうですね、一番いい角度に足を移動させて入れられるので、手術としては横向きの方が簡単だと思いますね。
(つボイ)そうなんだ。
(小高)じゃあ、仰向けにするメリットは?
(中北)仰向けで手術するメリットは、患者さんが一番楽ですよね。体を横向きに固定されること自体が患者さんにとってストレスですし、いろんな皮膚のトラブル、神経のトラブルのリスクも上がります。例えば、手術中に何か急変が起きて対処しなきゃいけないとなっても、横向きではそれができないので、全部外して仰向けにしなければいけないですよね。最初から仰向けであれば、麻酔も安全ですし、患者さんの負担も少ないですし、手術するスタッフも横向きにセッティングする手間がないので、みんなにとっていいわけなんですね。ただその分、技術が必要にはなります。
(つボイ)あの、わたしはさっきのストレスからいうとね、自分の寝てる姿が横向きになってるんで、そっちのほうがストレスかもしれない。わたしはね(笑)
(中北)でも寝返りうてませんからね(笑)自分の好きな横向きになれるわけじゃないんですよ。
(つボイ)そっかそっか。本人しかわかれへんもんね。(笑)
(中北)無理やり自分の快適さと関係ない横向きにセッティングされて、固定の器具でガチガチに留められるので。
(つボイ)今言われて気づきました。