CBCラジオ「健康のつボ~股関節の痛みについて~」 第4回(令和5年4月26日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~股関節の痛みについて~」 第4(令和5年4月26日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、中北吉厚医師(一宮西病院 整形外科 股関節センター長

(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ」。40代・50代から痛みを訴える人が増えはじめ、その痛みをかばうことで、腰や膝に影響が広がることが多いという「股関節の痛み」について、一宮西病院 整形外科 股関節センター長中北吉厚(なかきた・よしあつ)先生にお話をうかがっていきます。

(つボイ)はい。どこの関節の病気でも「変形性」という言葉をよく聞きますよね。

(小高)変形性股関節症になった場合、どんな症状が出て、どんな状態になったら治療を始めるのでしょうか?中北先生です。 

 

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(中北)一番多いのはやはり立ち上がった時や体重がかかった時に痛い、そして長く歩くことが難しくなる、疲れやすくてすぐに立ち止まって休憩が必要になるなどが多いかなと思います。

(小高)やっぱり変形性ってことですから、形が変わって、嚙み合わなくなってその部分に痛みが出るってことですか?

(中北)そうですね、関節のクッションになる軟骨には痛みを感じる神経はないんですね。ですから軟骨がすり減ること自体が痛い訳ではないんです。ただ軟骨がすり減れば骨も壊れてきますし、それをかばうことで周りの筋肉も痛くなりますし、いい位置に骨頭がいられなくなることによって周りの組織が刺激されて、関節の中で炎症が起きてしまうと、夜中寝ていてもジンジン痛くて眠れないということもあります。痛みというのは複合的でいろいろな原因で感じているんですけれども、やはり骨が変形しているということが大元にあって、そうなる(痛みが出る)ということは大いにあると思います。

(小高)痛みの進行度というのは何かあるんですか?

(中北)はい、私たち整形外科ではレントゲンを必ず撮りますので、レントゲンの見え具合で、

前期、初期、進行期、末期といった変形性股関節症の分け方をすることが一般的ですね。

(つボイ)なんか前期と初期って同じように聞こえてしまうんですけど...

(中北)はい、おっしゃる通りで(笑)厳密に言いますと前期は、まだ関節はきれいだけれどもなにかしら今後悪くなりそうな予兆があるなという感じで、"まだ正常"というニュアンスだと思います。初期になると、少し始まってきているという感じでしょうか。

(小高)そうすると進行期はこれはもうどんどん進んでいってるなって感じですか。

(中北)そうですね、進行期の段階でどうしても痛みが強くて手術になる人もたくさんいらっしゃいますね。

(つボイ)初期の段階でも痛みは始まってるんですか?

(中北)これが人によるんですね~。

(つボイ)人によるんだ~。

(中北)初期で痛い方もいれば、まだ全然大丈夫って方もいます。

(つボイ)だけどレントゲンで見ると、構造的にこれはあかんよってことなんですね。

(中北)そうですね。ちょっと始まってるって感じですね。

(小高)痛みはそんなにないのに、何かの拍子でレントゲンで発見された時っていうのは、痛みがなくても早めに治療したほうがいいよって感じですか?

(中北)これはですね、痛みがないのに少なくとも手術は必要はないと思いますね。ですからそういう時は、なるべくいい体、若い頃の丈夫な筋力があって柔軟性もあって、上半身から連動したバランスの取れた動きのできる体を維持していただきたい。そうすることによって、骨は少し弱っていても、結果的に一生手術をしないで、自分らしい動きで人生を全うできる人もいらっしゃいますので。

(つボイ)筋トレみたいな?

(中北)そうですね。そのトレーニングの仕方が、ただがむしゃらになんでもやればいい訳ではなくて。

(小高)股関節を痛めるようなことになる?

(中北)そうですね、昔は股関節のトレーニングというと、お尻の筋肉さえとにかく鍛えればいいんだみたいに言われていたんですが、現在はそんな単純なことではないということがわかっていまして、大腿骨の骨頭を何重にも大事にくるんでいるわけですから、それだけ骨頭ががしっかりいい位置に保てることがすごく大事なんですね。それを私たちは求心位(きゅうしんい)と呼んだりするんですけれども、求心位というのは中心の位置を求めるということですね。なので、それを保つために必要な筋肉をバランスよく鍛えることが大事なんですね。なので、一つの筋肉だけを鍛えるというのは、例えば回しているコマにひとつおもりをバンと乗せたらコマはバランスを崩してしまいますよね、だからバランスよく負荷をかけていくといいますか、具体的には体幹の中のインナーマッスル腸腰筋、腸骨筋という筋肉がすごく大事ですし、上半身からの筋肉の連動もすごく大事ですので、そういったところを意識した筋トレがすごく大事かなと思います。

(小高)じゃあ、適切な指導の下でやらないとってことですね。

(中北)そうですね。

(小高)そして痛みがひどくなってくる方、痛みがひどいっていうのはかなり痛いんですか?

(中北)痛いですね。

(小高)そうなってくると、筋トレでなんとかってことではなくて、治療が必要になってくるんですね。

(中北)痛くて筋トレもできないですし、靴下がはけない、足の爪が切れない、そういう股関節を曲げる行動ができないということになります。

(小高)生活に支障が出てくると、治療が必要になってくるんですね。

 

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(つボイ)はい、変形性股関節症で進行期にもなると、痛みのあるなしや症状によって、トレーニングでインナーマッスルを鍛えるか、具体的な治療に入っていくか、分かれてくるんですね。

(小高)では、その変形性股関節症の診断はどのように下すのでしょう?来週は、股関節の痛み、変形性股関節症の「診察・検査・診断」について、中北先生にうかがいます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(小高)『健康のつボ~股関節の痛みについて~』でした。 

 

 

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