CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第1回(令和6年4月3日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~形成外科について~」 第1(令和6年4月3日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、野田慧医師(一宮西病院 形成外科部長)

(小高)今週から「健康のつボ」は「形成外科」について。形成外科とはどんな疾患を診てもらえるのでしょうか?一宮西病院 形成外科部長の野田慧(のだ けい)先生に教えていただきます。

(つボイ)外科には、呼吸器、心臓血管、脳神経、整形、乳腺などいろいろな専門分野がありますよね。

(小高)そんな中「形成外科」という診療科は、比較的聞き馴染みが薄いかもしれません。

(つボイ)私もかかったことない。

(小高)いったいどんな病気・症状を治す診療科なのでしょうか?シリーズを通して、野田先生に「形成外科」の専門性、そして具体的に取り扱う疾患は何か?を教えていただきます。

1回目の今日は、ズバリ!「形成外科」ってどんな外科? 野田先生です。

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(野田)形成外科は、名前だけでは整形外科との区別がつかない方もいらっしゃるかなと思います。

(つボイ)私も全然ついておりません!

(野田)簡単に説明させていただきますと、整形外科というのは骨・関節や筋肉などの運動器の機能の改善を目指す外科です。 治療対象としては、背骨や骨盤などの大きな骨と、手足の四肢の骨などが主な対象となります。具体的には骨折、脱臼、打撲、捻挫、変形性関節症などを扱うのが整形外科です。

(つボイ)はい。

(野田)一方形成外科は、その表面にある皮膚だったり、皮下組織などの領域を担当しているんですけれども、病気や怪我、生まれながらの異常などによって、体表面が見た目のよくない状態になったものを治療していく外科になります。骨でいうと顔の骨ですね。顔の骨の骨折は形成外科でやることが多いです。

(つボイ)なるほど~。だいぶはっきりしてきました。

(小高)だからですかね。街のお医者さんで整形外科はよく見かけますけど、形成外科ってあまりないですもんね。

(野田)そうですね。形成外科はかなり珍しいかなと思います。

(つボイ)でも大事なところですよね。

(野田)そうですね。大きな病院でも形成外科がない病院もあります。まだ診療科としても新しい科でもあるので、すべての病院にあるわけではないんですけれども、大事なところ担当させていただいている科かなと思います。

(小高)そうしますと、形成外科ではどんな疾患を診てもらえるんでしょうか?

(野田)一番多いのが外傷、お怪我ですね。切れた傷だったり、やけどなどの外傷が多いです。あとは、ほくろや粉瘤(ふんりゅう)といわれるようなものだったり、脂肪腫などの良性の腫瘍から基底細胞癌などの皮膚の悪性腫瘍も扱っているところもあります。

(つボイ)はい。

(野田)生まれつき耳が小さかったり、なかったりするような小耳症(しょうじしょう)といわれる病気だったり、唇が割れて生まれてしまう口唇裂(こうしんれつ)という病気など、先天異常といわれるものも形成外科の領域になります。

(つボイ)なるほど~。

(野田)傷跡が異常に治ってしまうケロイドの治療もやっています。

(つボイ)(小高)ほぉ~。

(野田)あとはですね、がんだったり良性腫瘍もそうなんですけど、切除したところが大きく穴が開いてしまったものに関しては、他の場所から皮膚や皮下組織を持ってきて再建というものをします。例えば、乳房再建などがそうですね。まぶたが下がって来て見えづらいという、眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)なども形成外科でやらせていただいています。

(つボイ)あらま~。やっぱり最初のお話にありましたけど、表面ですよね。

(野田)そうですね。体表面の外科になります。

(小高)だから形を成すで形成外科ということなんですね。今お聞きしてると、単独というよりは、他のいろんな病気や怪我だったり、手術だったりするところと連携してやるタイプのものが多いですよね。

(野田)特に再建はそうですね。例えば、乳房再建であれば乳腺外科の先生方と協力して治療を行います。足の血管が詰まってしまったり、糖尿病などでばい菌が入ってしまってなる足壊疽(えそ)というものがあるんですけど、そういったものは血管を扱う循環器内科の先生とか、施設によっては心臓血管外科の先生と協力して治療を行うことも多いですね。あとは耳鼻咽喉科や口腔外科と舌癌とか下顎の癌などを形成外科で再建をさせていただくことがあります。

(小高)再建というところでいくと、病気や怪我を治すところまではちゃんと終わってるんだけど、体の表面的にもうちょっと整えられませんかねっていうところに関わってくださるのが形成外科ということですね。

(野田)そうですね。そのような科だと思っています。

(つボイ)大事なことですよね。

 

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(小高)病気が治ることはとても重要ですけれども、病気を単に治すだけでなく、治した後に、私たちが普段の暮らしで、傷とか見た目を気にせずに生活できるようにしてくれる診療科なんですね。

(つボイ)気持ちの上でも大切ですよね。知らなった、そういう専門領域があるということを私も勉強いたしました。

(小高)来週も野田先生にお聞きします。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~形成外科について~』でした。