CBCラジオ「健康のつボ~脳卒中について③~」 第9回(令和元年8月28日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~脳卒中について③~」第9回(令和元年8月28放送内容) 
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、伊藤圭佑医師(一宮西病院脳神経外科医長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~脳卒中について~』。がん・心臓病と並んで日本人の死因の上位に挙げられる『脳卒中』について専門の先生にお話を伺っています。ゲストは一宮西病院の脳神経外科・医長の伊藤圭佑先生です。よろしくお願いします。

(伊藤)よろしくお願いします。

(小高)このコーナーでは脳の病気ついて色々とお勉強させていただいておりますが、代表的なのが『脳卒中』。さらに脳卒中の中にも何種類かありましたね。『脳梗塞』『くも膜下出血』『脳出血』でしたね。

(つボイ)よく覚えましたね!

(小高)この辺りについて教えていただきました。

(つボイ)発症したら症状も治療法も違いますけれども、いずれにしましても、治療は“時間との戦い”ということではありますよね?

(伊藤)そうですね。もちろんどれも『早く治療する』ということが大事なんですけれど、中でもやっぱり『脳梗塞』が一番“時間との戦い”ですね。出血の場合は大抵自然に止まっちゃっていることがほとんどなのでそんなに急ぐことないんですけれど、脳梗塞は逆に現在進行形で血管が詰まって脳の壊死がどんどん広がっている状態なので、一刻も早い治療が必要です。

(小高)この間うかがった話では、1分2分でどんどん悪くなるそうですね。

(伊藤)一部のデータでは3分で1%予後が良くなる人の割合が減るといわれています。だから30分で10%ぐらいどんどん減っていくってことですね。

(小高)30分なんて「痛い痛い!」言っていたらあっと言う間だけど、それがすごく大事なんですね。

(つボイ)先生たちも大変ですよね。

(伊藤)そうですね。なので僕ら医師だけじゃなくて、チームで『時間短縮』というのを目指していかないといけないので、脳卒中脳梗塞の患者さんを受け入れるチームを作って、看護師や他の医師さんらみんなで時間短縮に取り組んでいます。

(小高)内科の先生、外科の先生、看護師さん…。色々な科をまたいでのチームがあるんですね。

(つボイ)薬で治療したり手術をしたりするんですね。

(小高)この間、最新の治療法として『血栓回収療法』というものを伺いましたが、改めてどういう治療法なのか教えてください。

(伊藤)はい。脳梗塞血栓(血の塊)が血管の途中に詰まっちゃってその先に血液が流れないので、その血栓カテーテルを使って取り除く方法です。多くの場合はステントという金属の筒状の網に、血の塊を絡めても引っこ抜きます。

(つボイ)この『血栓回収療法』というので僕たちは命を助けてもらえるわけですけれども、これは発症からどのくらいの時間なら行えるんですか?

(伊藤)一応ガイドライン上は、適応は発症から8時間以内という場合には積極的にするようにとなっています。ただ厳密に8時間を過ぎたらできないというわけではなくて、まだ可能性があればやると場合もあります。

(つボイ)そうですか。ありがたいですね。8時間の猶予というのも昔はなかったんでしょうね。

(小高)ただ血栓回収療法も8時間以内と言いながらも早ければ早いほど有効に治療ができるということですよね。

(伊藤)そうですね。

(小高)やっぱり病院の近くに住まなあかんね。

(つボイ)本当やわ。いや、近くだけではいかん。どういう先生が、どんな技術を持っていらっしゃるかというところの病院やないとあかんと思いますよ。

(小高)先生、いきなり私が隣に越してきてもビックリしないでください。

(伊藤)ははは。

(小高)いやいやそうじゃなくて!日頃の健康に努めて病気にならないようにしましょうというのが大事でございますから。ありがとうございました。先生にはまた来週お話伺います。よろしくお願いします。

(伊藤)よろしく願いします。

(小高)一宮西病院の伊藤圭佑先生でした。『健康のつボ~脳卒中について~』でした。

 

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