CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第4回(令和6年1月31日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺村真範医師(一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長)
(小高)毎週水曜日のこの時間は「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」。一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の寺村真範(てらむら まさのり)先生に、循環器を中心としたカテーテル治療について教えていただいています。
(小高)先週は心臓病の中の「狭心症」と「心筋梗塞」の違いについて教えていただきました。
(つボイ)狭心症というのは、冠動脈の内側が狭くなって一時的に発作が起こる状態。心筋梗塞は、動脈硬化した部分から血栓が飛ぶなどして完全に血管を塞いだ状態。当然これまた命に関わってくるぞと、こういうことでしたね。
(小高)どちらも怖いです。今日はその「狭心症」と「心筋梗塞」の診断と治療法についてです。寺村先生です。
~~~~~~~~
(寺村)一般的な検査として心電図やレントゲン、エコーなどがあるんですけど、特に「心筋梗塞」の場合は、多くは心電図を1枚撮ればすぐに診断がつくので、そのままカテーテル治療となります。一方で「狭心症」の場合は、心電図だけではわからないケースも多いです。あやしい症状があって病院にいらっしゃって、心電図だけでははっきりしないことも多いです。最近では心臓のCTを撮って、血管が狭くなっていないかを診て、診断をすることも増えてきています。
診断がつけば、「心筋梗塞」の場合は、『カテーテル手術』ほぼ一択になります。薬で良くなるということはほとんどないですし、カテーテルで詰まっているところを治さないと助からない方が非常に多いので、緊急でカテーテル手術をするというのが(心筋梗塞の)治療の大原則ということになります。
(小高)大変だけれども、道理は簡単で、詰まってるところを取り除く治療をすると。
(つボイ)狭いところを広げてあげるということですよね。
(寺村)それに対して「狭心症」の場合は、程度がいろいろあるので、軽いものの場合は、カテーテル治療やバイパス手術をしなくても、お薬で症状を取ってあげる治療で問題ない方もいらっしゃいます。でも、ある程度以上症状が重い場合や、血管が詰まっていたり、狭くなっている場所によっては、カテーテルによる治療、もしくはバイパス手術が必要になります。
(小高)前の時にバルーンとステントっていうのがあるっておっしゃってましたけど、患者さんの症状とか、状態による選択の違いって何かあるんですか?
(寺村)そうですね。症状というよりは病変で、基本的にステントを入れるのがスタンダードな治療ですが、血管の場所によります。例えば血管がすごくひん曲がってるケースは、そこにステントを入れてしまうと、ステントが折れてしまうことがあります。また、血管自体が細い時は入れられるステントがなかったりするので、そういう時はバルーンで広げるという治療をします。
(つボイ)(小高)ほ~。
(寺村)この場合も昔はただのバルーンしかなかったんですけど、今は薬剤コーティングバルーンといって、バルーンにも薬が塗ってあります。バルーンを広げた時に(バルーンの)表面に塗ってある薬を血管の壁に塗りつけるような感じで、血管を狭くなりにくくしてくれます。
(つボイ)じゃあバルーンを取り除いても狭くはならないと。
(寺村)狭くなりにくくなってるということです。でも、ステントを入れるのが標準的な治療です。ステントがなかなか入れづらい場合に薬剤コーティングバルーンで治療をすることになります。
(つボイ)それを先生が判断するということですね。
(小高)これは1回ステントとかバルーンを入れてしまえば、ずーっと有効なんですか?
(寺村)そうですね。中には"再狭窄”といって、バルーンで広げたところがまた狭くなったり、ステントを入れたところの内側に油かすが溜まって狭くなったりということが、多くはないですけど時々あります。
(つボイ)先生、ステント自体の劣化ということはあるんですか?
(寺村)劣化というのはあまりないんですけど、血管が曲がったところに入れると、心臓は動いてるので、金属疲労みたいなことでステントが折れてしまうということはあります。ステント自体が劣化するというよりはステントの内側にまた動脈硬化が付いてくるとか、皮が張って肉が盛ってくるみたいなイメージですかね。
(小高)じゃあステントで広げてもらったから、元気になったしもう大丈夫だ!っつって、脂いっぱいの肉食べよう!っていうのはダメなんですね(笑)
(寺村)そうですね。ステント治療やカテーテル治療と同じくらい、薬の治療や生活習慣の改善ということも大事ですね。
~~~~~~~~
(つボイ)心筋梗塞は私もかかりましたけど、一刻も早い治療が必要ということです。
(小高)ね。つボイさんも病院に飛び込んだということですもんね。カテーテルによる治療もますます進んでいるそうです。つボイさんのように心筋梗塞まで行かなくても、ちょっと胸が苦しいなといった時も、早く正確に診断してもらうといいですね。「心臓じゃないですよ」って言われても、それはそれでホッとしますもんね。
(つボイ)そういうことですよね。
(小高)早く診断してもらうといいですね。では、来週も寺村先生にお聞きします。
(小高)さて!この「健康のつボ」のコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。
(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!
(小高)『健康のつボ~心臓カテーテルについて~』でした。