CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第5回(令和6年2月7日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第5(令和6年2月7日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺村真範医師(一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長)

(小高)毎週水曜日のこの時間は「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」。一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の寺村真範(てらむら まさのり)先生に、循環器を中心としたカテーテル治療について教えていただいています。

(小高)ここのところ「狭心症」と「心筋梗塞」についてうかがっています。

(つボイ)薬物、カテーテル治療、バイパス手術などを症状に合わせて組み合わせて治療するということでした。

(小高)今日はその治療法の中から、寺村先生のご専門であるカテーテル治療のメリット』に関して、ご説明いただきます。

 

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(寺村)カテーテル治療の一番大きなメリットは、局所麻酔下で、注射の痕が少し付くくらいの小さな傷で治療ができるため、体への負担が少ないことだと思います。

(小高)バイパス手術はやっぱり切ったりするから...

(寺村)そうですね。(バイパス手術は)全身麻酔で胸を開けることになるので、カテーテルに比べると体への負担が大きいです。入院期間に関しても、カテーテルは数日の入院ですが、バイパス手術は2週間程度になります。そういう意味でもカテーテルの方が負担が少ないです。

(つボイ)私もカテーテルの時はずっと意識があって、先生とお話しながら「今痛みはどうですか?」ということを言いながら、治療してもらいました。

(寺村)全身麻酔”じゃなくて“局所麻酔”というのも大きなメリットです。全身麻酔人工呼吸の管を入れたり、全身麻酔のお薬自体にもリスクがあるため、局所麻酔でできるのは大きなメリットですね。今おっしゃったように意識がある状態でやることも多いです。

(小高)何よりもメリットは患者さんの負担が少ない。

(寺村)そうですね。治療時間も短くて、傷も小さくて、入院期間も短い、その辺の負担が少ないというのが大きなメリットだと思います。

(つボイ)私の場合4日でしたから。

(小高)はい。私は太ももの付け根から入れたんですけど、つボイさんも太ももなんですよね。

(つボイ)太もも派ですね。

(寺村)(小高)太もも派(笑)

(つボイ)何派がございますか?

(小高)もっと心臓に近いところから入れたらええのと違うんか?と思ったりするんですけど。

(寺村)基本的には手首か、肘から入れる場合もありますが、あとは足の付け根かということなんですけど。

(つボイ)手首派、肘派、足派という3派があるらしい(笑)

(小高)これは到達するまでの血管が通しやすいとかそういうことですか?

(寺村)どこから入れても通しやすさはそこまで大きな変わりはないんですが、患者さんへの負担も少し違って、手首からの場合は、治療直後から歩けます。止血のためのバンドを手首にあてておけばいいだけなので、患者さんが楽なんですよね。

(小高)はい。

(寺村)それに対して、足の付け根の場合は、大体6~8時間くらいは寝たままになります。 

(つボイ)動いたらあかん言われました。

(小高)動かしちゃいけないところはそこだけなんでしょうけど、お股の所を動かさずにそれ以外を動かすのは難しいですよね(笑)だから結局全身動いちゃダメよっていうのがしばらく続くってことですよね。

(寺村)そうですね。しばらく寝たままでいないといけないとか、内出血も手首よりちょっと足の付け根の方が多かったりします。そういう意味で手首からの方が楽ですし、合併症も少ないので、手首からできる方は基本的に手首から行います。おそらく今どこの病院でも、狭心症心筋梗塞ともに9割近くが手首からします。

(つボイ)(小高)ほぉ~。

(寺村)ただ手首は足の付け根よりも少し管が細いです。

(つボイ)血管が細い。

(寺村)そうですね。なので完全に血管が詰まっていて、血管内の超音波を見ながらバルーンを入れたり、カテーテルを同時に何本も入れなければいけないケースは、手首から入れられないこともあるので、そういう方は足の付け根から行います。

(小高)なるほど。血管が細い例で思いつきましたけども、採血の時。どうやら私血管細いらしくて、新人の看護師さんとかだと何回も失敗される(笑)

(つボイ)あんたも太ももやこれからも。

(小高)カテーテルの血管を通すっていうのも、個人差でこの人は血管細いから通しにくいわ~とかあるんですか?

(寺村)そうですね、患者さんによってあります。

(小高)あるんだ!

(寺村)ただ採血は静脈で、カテーテルは動脈なので、採血が普段取りにくい方が、カテーテルも通しにくいということではないですね。

(つボイ)動脈と静脈の違いですね。

(小高)私は静脈が細いから採血いつも失敗されるけど、カテーテルも失敗されがちということはない。

(寺村)ないです。

(つボイ)動脈はまた違うかも分からんね~。

 

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(つボイ)いろんなことが分かりますね~。特に心筋梗塞などで急を要する場合、手術になれば大勢のスタッフなど、スタンバイに時間がかかりますが、カテーテルは少人数で準備に時間がそれほどかからない点もメリットだというお話しでした。これは私も経験しております。

(小高)はい。カテーテル治療優秀ですね。来週も寺村先生にお聞きします。

(小高)さて!この「健康のつボ」のコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~心臓カテーテルについて~』でした。 

 

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