CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第9回(令和6年3月6日送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺村真範医師(一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長)
(小高)毎週水曜日のこの時間は「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」。一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の寺村真範(てらむら まさのり)先生に、循環器を中心としたカテーテル治療について教えていただいています。
(つボイ)心臓病を予防するためには、生活習慣病に注意することを教えていただきました。
(小高)生活習慣病から起こる病気には、心臓とは遠いところで起こっていても、思いがけず心臓病との合併症を起こしているケースがあるということなんですね。今日はそんな怖いお話です。寺村先生です。
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(寺村)今日はですね、心臓とは関係ないように思えるのですが、かなり深く関係している病気のお話です。「閉塞性動脈硬化」もしくは「末梢動脈疾患」と呼ばれる病気があるのですが、ご存じでしょうか?
(小高)ど、どんな??
(つボイ)全然わからない。『心臓』という言葉が出てきませんからね。
(寺村)そうですよね。それぞれ足の血管の病気なんです。
(小高)足ですか!
(寺村)足なので、心臓とは一見関係ないように思いますよね。
(つボイ)離れてるし!
(寺村)離れていますし、症状も足が痛くなったりだるくなったりするので、心臓とは関係ないように思われることも多いです。しかしこれは、足の血管が狭くなったり詰まったりして、このような症状が出ているのです。この原因は生活習慣と密接に関わっています。
(小高)そうか、随分遠くだから関係ないと思いがちですけど、結局血管が固くなって血の巡りが悪くなって、みたいな話だから。心臓に帰ってきちゃいますもんね。
(寺村)そうですね。足の血管に動脈硬化がある方は、4割~5割くらいの方が心臓の血管も狭くなったり、詰まったりしていると言われています。
足に動脈硬化があるということは、イコール全身に動脈硬化が進んでいる方が多いので、足の症状だからといって全く心臓が関係ないわけではなくて、すごく深く関わっています。
(小高)う~ん。ただ、歩きにくくなるとかだるくなるとか、高齢になってくると起こるんで。
(寺村)そうですよね。病気とは全く思っていらっしゃらない方も多いです。自分はただ歳を取ったから長く歩けなくなったんだと。また、足が痛くなるので、骨や筋肉が悪いと思って整形外科に受診して、足の動脈硬化が見つかる方もいらっしゃいます。
(小高)血管系の病気だと思わなくて、困ってる方は結構いらっしゃるかも。でもそれを放置してると心臓病と密接に関係してくるってことですよね?
(寺村)そうですね。足の血管の動脈硬化が進むと、最初は歩くとだるくなったり痛くなったりという症状で、それだけで済んでいればそこまで命に関わることはないです。しかし、進行してくると、足の先端の色が悪くなったり、歩かなくても常に痛かったり、足先がすごく冷たくなったりします。さらにひどくなると「重症下肢虚血」といって、足の血管が詰まって先端が壊死して、切断が必要になるケースもあります。
(小高)それって何科に行けばいいんですか?
(寺村)足の動脈硬化の病気は、私たち循環器内科で診させてもらうことが多いです。ですが、最初は整形外科に行かれて、血管の病気とは分からずにそのまま進行して、気づいた時には足が壊死してしまったというケースもあります。