CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第7回(令和6年2月21日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第7(令和6年2月21日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺村真範医師(一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長)

(小高)毎週水曜日のこの時間は「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」。一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の寺村真範(てらむら まさのり)先生に、循環器を中心とした最新のカテーテル治療について教えていただいています。

(小高)先週は心臓弁膜症にもいろいろあるというお話をお聞きしました。

(つボイ)心臓には4つ弁があって、要するにそれぞれの弁が狭くなって血液の流れが悪くなったり、開閉がうまくいかなくなったりと、建付けが悪くなったということですよね。そして血液が逆流したりということでした。

(小高)今日はその「弁膜症の治療法」を教えていただきます。寺村先生です。

 

  ~~~~~~~~

 

(寺村)「大動脈弁」や「僧帽弁」に関しては自然治癒というのはあまりないので、年齢とともに良くて現状維持、少しずつ進行して行く方が多いです。

(つボイ)そっか~。

(寺村)ある程度以上になってくると、やっぱり何らかの手術が必要になるケースが多いです。それまでの軽い程度であればお薬、主に利尿剤を飲んでいただいて、心臓の中の圧力を下げて心臓の負担を取るという治療で診れるケースもありますが、ある程度進行してくると手術が必要になってくる方が多いです。

(小高)直接その弁の部分を手術によってなんとかする。

(寺村)そうですね。手術に関しては、基本的に今は2つ方法があります。

ひとつは「開胸手術(外科手術)」で、全身麻酔で胸を開いて、固くなったり閉まりが悪くなった弁を新しい弁に取り換える『弁置換術』と言われる手術。

これに対して最近は、「大動脈弁狭窄症」に対する体の負担が少ないカテーテルによる治療が行われていて、英語の略語で『TAVI』(タビ)と私たちは呼んでいます。

多くは足の付け根からカテーテルを入れて、固くなった弁の内側に新しい弁を取り付けます。

(つボイ)カテーテルでそういうこともできるわけですね。

(寺村)そうですね。以前は開胸手術しか方法がなかったので、ある程度以上弁膜症が進行した方は開胸手術をしていました。本当は開胸手術をしなければならない症状でも、ご高齢であったり体力がなくて手術が出来ないときは、様子を見ざるを得ない方もいました。

(小高)はい。

(寺村)そういう方になんとか治療できないかということで、医療が進歩してカテーテル手術ができるようになったということですね。

(つボイ)こんな細い血管の中を運んでいくわけですか!

(寺村)そうですね。足の付け根から。

(つボイ)付け根からずーっと!

(小高)やっぱりカテーテルでやるということですから、随分患者さんの負担は軽いですよね。

(寺村)そうですね。外科手術の多くは胸の前を大きく切るのが標準的な治療なんですけど、今は外科手術も進歩して、弁の種類によってはもう少し小さい傷でできるようになってきています。それでも全身麻酔ですし、傷もそれなりに大きいので。

(つボイ)肋骨がありますよね。

(寺村)肋骨は切って、前を開ける場合は胸骨という胸の前の骨を切って開くんですけど、その場合は患者さんの負担は大きいです。傷も大きいですし、その分やっぱり入院期間も長くなるので。

(小高)そりゃそうですよね。

(寺村)それに対して、カテーテルの場合は足の付け根から、数ミリの小さい傷で管を持ち込んでできるので、体の負担は圧倒的に少ないです。短ければ数日で退院できますし、だいぶメリットはありますね。

(小高)どちらを選ぶかというのは、その症状とか進行具合とかってことですか?

(寺村)そうですね。年齢とか患者さんの体力によっても変わってきます。やっぱり外科手術の方が歴史は長いので、治療法としては確立しています。一方で、大動脈弁のカテーテルによる治療の場合は、日本では歴史はまだ10年くらいしかないので、それ以上先のことはまだわからない部分があります。まだまだ若い、例えば50代から70代前半までくらいであれば、平均寿命を考えるとまだ先があるので、体力があれば、確実に長期的なことが保証されている開胸手術をしましょうとなります。

(小高)確実な。

(寺村)ただ、ある程度年齢がご高齢になってくると、体の負担が大きい開胸手術よりは、負担の少ないカテーテル手術をしましょうとなる場合が多いですね。

(小高)総合的な判断の中でどっちがいいかとか、どのようにしたらいいかというのが決められていくわけですね。

(寺村)そうです。

(小高)すごい進歩ですね。

(つボイ)ステントまではちゃんと理解できるんですが、弁までずーっと心臓まで届けていくのはすごいことやなぁと!

(小高)途中の血管にどっか引っかかって変なとこに弁付くとかそういうのはないですか(笑)

(寺村)(笑)それは足の血管から心臓に到達するまでの血管が曲がりくねっていないかどうかとか、できるかどうかしっかり検査してやるようになってます。

(つボイ)そんな心配せんでええの!(笑)

(小高)あらそう?ごめんなさい(笑)

 

~~~~~~~~

 

(つボイ)大動脈弁狭窄症の場合は、カテーテルで弁の治療ができるんですね。      

(小高)弁をひょひょひょいっとね!

(つボイ)ひょひょひょいっ!だから体力のない高齢者でも大動脈弁の治療ができるようになったと。いい時代です!

(小高)医学は進歩していますね。T・A・V・I、「TAVI(タビ)」と呼ぶそうですよ。 来週も寺村先生にお聞きします。

(小高)さて!この「健康のつボ」のコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~心臓カテーテルについて~』でした。 

 

●第1回

●第2

●第3

●第4

●第5

●第

kyouryoukai.hatenablog.com