CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第6回(令和6年2月14日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺村真範医師(一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長)
(小高)毎週水曜日のこの時間は「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」。一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の寺村真範(てらむら まさのり)先生に、循環器を中心とした最新のカテーテル治療について教えていただいています。
(小高)先週までは、心臓の病気の代表格、「狭心症」と「心筋梗塞」についてうかがってきました。
(つボイ)検査と治療において、心臓カテーテルがとても重要な役割を果たすことも教えていただきました。
(小高)検査もするし、治療もするというね。今週からは心臓病のもうひとつ有名なのがあります。「弁膜症」についてお聞きしていきます。
そもそも「弁膜症」とはどんな病気でしょうか?寺村先生です。
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(寺村)そもそも心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしている臓器なんですけど、 4つ部屋があるんですね。右心房・右心室、左心房・左心室と4つの部屋があって、血液が循環して流れているわけなんですが、部屋と部屋の間には血液が一方向にだけ流れるように「弁」という扉のようなものが付いていています。弁の閉まりが悪くなったり、開きが悪くなることで、心臓に悪影響が出てくるのが『心臓弁膜症』といわれるものになります。
(小高)一方方向にだけ流れるための「弁」に不具合が出てくると、逆流したりとかするということですか?
(寺村)そうですね。
(つボイ)私、これ真剣に聞いてるんです。私も該当者ですから。
(小高)危ういんですね。これ種類があるわけですか?
(寺村)そうですね。「弁」は4つあって、心臓の出口のところにある「大動脈弁」、左心房と左心室の間にある「僧帽弁」、右心房と右心室の間にある「三尖弁」、右心室の出口にある「肺動脈弁」という4つの弁があります。
(小高)はい。
(寺村)そのうち特に心臓の病気で問題となってくるのは、心臓の左の方の部屋に関係してくる「大動脈弁」と「僧帽弁」ですね。それぞれ固くなって開きが悪くなるのが狭窄症といって、『大動脈弁狭窄症』と『僧帽弁狭窄症』という病気です。逆に閉まりが悪くなって血液が逆流するのが閉鎖不全症で、『大動脈弁閉鎖不全症』、『僧帽弁閉鎖不全症』ということになります。
(小高)はい。
(つボイ)覚えとかないかんですね。自分がどこが悪いんか。
(寺村)そうですね(笑)ただ、治療が必要になることが多いのは「大動脈弁」と「僧帽弁」ということで、病名までは詳しく覚えなくてもいいと思います(笑)
(小高)先生が覚えてたら大丈夫だから!(笑)
先生、4つ弁があるうちの2つの弁の話が今出てきましたけれども、残りの2つは狭窄症だとか閉鎖不全症になることはないんですか?
(寺村)ありますが、「大動脈弁」とか「僧帽弁」に比べると、そこまで治療の対象になるような逆流が来たりとか、開きが悪くなったりすることはかなり少ないです。
(小高)人命に関わるような話にはなってこない。
(寺村)そこまで多くはないです。逆流があったとしても、お薬で様子を見れたりだとか、手術が必要になる方は、左の部屋に比べると少ないです。僕たちがよく患者さんで診るのは「大動脈弁」と「僧帽弁」ということになります。