CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第2回(令和6年1月17日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓カテーテルについて~」 第2(令和6年1月17日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、寺村真範医師(一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長)

(小高)毎週水曜放送「健康のつボ」は「心臓カテーテル」について、一宮西病院 循環器内科 カテーテル室長の 寺村真範(てらむら まさのり)先生に循環器を中心とした最新のカテーテル治療について教えていただきます。

(つボイ)カテーテル治療!私も、小高さんも、経験者でございますね(笑)

(小高)使う場所が違ったんですけどね(笑)今日は、寺村先生のご専門である「心臓カテーテル治療」の「カテーテル」について、詳しく教えていただきますよ~!

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(寺村)カテーテル」というのは、細いチューブのことなんですけれど。「カテーテル検査」とか「カテーテル治療」というのがあります。手首とか、足の付け根とかから細いチューブを入れ、血管に造影剤というお薬を流して、その瞬間をレントゲンで撮ります。そうすると、血管のどの場所がどのように狭くなっているのか、または詰まっているかどうかが分かります。これが「カテーテル検査」ですね。

(つボイ)(小高)ふむふむ。

(寺村)カテーテル治療」というのも同じように、手首とか、足の付け根から細いチューブを通して、検査で見つけた狭い所とか、詰まってる所にガイドワイヤーという、先端がフニャフニャになった針金のようなものを血管の中に通します。そのガイドワイヤー伝いに、バルーンと呼ばれる風船を持ち込んだりします。

(つボイ)(小高)ふむふむ。

(寺村)あとはステントと呼ばれる金属の筒を持ち込んで、狭くなった所を風船で膨らませ、ステントという金属の筒を入れて広げる、という治療をします。

(つボイ)検査用と治療用は、違うカテーテルを使うんですか?1回入れたカテーテルを抜いて、もう1回カテーテルを入れるんですか?

(寺村)基本的にはそうですね。検査用のカテーテルは造影するだけなので少し細めです。治療用のカテーテルは、中に金属を入れたり、バルーンを入れたりするので、検査用より少し太いですかね。

(つボイ)ほぉ~なるほど。じゃあ僕は(昔、治療してもらった時)2回カテーテル入れてもらったということですね?

(寺村)おそらく心筋梗塞の場合は、患者さんの病態にもよると思いますが、普通は検査をして、そのまま続きで治療までしてしまうことが多いですね。

(つボイ)なるほど!

(寺村)狭心症とかで、そこまで急ぎでない方はまずはカテーテル検査だけやって、日を改めてカテーテル治療を行う場合が多いです。

(つボイ)そういうことか~

(小高)バルーンは、さっきの先生の説明だと、最初はこう圧縮されてたりする小さいやつをそれを血管の中に入れるという・・・

(寺村)そうですね。バルーンは最初は折りたたまれた状態になってて、それを血管の狭くなっている所まで持っていって、手元の機械で風船を膨らませます。

(小高)フッ!ってやるんですか?(笑)

(寺村)(笑)

(つボイ)不衛生なことしたらアカンやんけ!

(小高)すみません(笑)

(寺村)手元の器具で膨らませます(笑)。ステントは風船の外側に折りたたまれていまして、風船を膨らますことで外側に折りたたまれてる部分がパッと開いて、血管の壁に密着するような感じになります。その後、風船だけ萎めて回収してくる、という流れになります。

(つボイ)ほぉ~!

(寺村)ステントは血管の中に残して、血管を広げたままの状態に保ちます。これがステント治療になります。

(小高)技術的な進化というのは、医療の世界の中でも進化が速いものとまだまだ時間かかるな、というものもあると思うんですけど、ステントとかバルーンの進化はどんな感じなんですか?

(寺村)カテーテルの治療って、もう40年近く歴史があるんですけど。カテーテルが出始めた当初は、風船(バルーン)しかありませんでした。狭い所を風船で広げて終わりだったんです。風船だけの場合だと、1回広げてもまたすぐに狭くなってきたりとか、治療直後にまた詰まったりとかするケースが多かったみたいです。それで医療技術が進化してステントというものができました。

ステントも現在主流で使われているのは、薬剤溶出(やくざいようしゅつ)ステントという、ステントに少量の免疫抑制剤が塗ってあって、血管が狭くなりにくくする効果があるものが使われています。

(小高)薬が塗ってあるステント?!

(つボイ)薬が塗ってないとまた血管が(治療後にも)狭くなっちゃう、ということですか?

(寺村)そうなんです。それが出る以前の治療は、薬の塗っていない普通の金属ステントで行っていました。普通の金属ステントだと、ステントは体からすれば異物なので、生体反応としてステントの金属の内側に皮が張られて、肉が盛り上がってくるという反応が出てしまうんです。

(つボイ)そうしたらステント入れたのに、狭くなっちゃいますよね?!

(寺村)そうなんです。それを再狭窄といいます。以前の金属ステントの時代だと2割~3割の方は再狭窄して、もう1回治療しないといけないね、ってやっていました。このような過去があったので現在は、薬剤溶出ステントが主流で使われるようになったのです。

(つボイ)(小高)ほぉ~!

 

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(つボイ)はい。私の場合は、カテーテル、足の付け根から入れましたけれども。最近はね、手首からも入れられるようになったんですね。

(小高)そうですね~、私も足の付け根からだったと思いますね!手首からの場合だと、終わってすぐに歩けちゃうそうなんです。体への負担は手首に入れるほうが圧倒的に少ないみたいで。

(つボイ)いいですね~。

(小高)さて!来週は、寺村先生に、「カテーテルで治療する心臓の病気」について教えていただきます~!そしてこの「健康のつボ」のコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~心臓カテーテルについて~』でした。 

 

●第1回

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