CBCラジオ「健康のつボ~肝胆膵の病気~」 第11回(令和6年12月11日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、矢田雅佳医師(一宮西病院 消化器内科 肝臓内科部長)
(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ!」。生命を維持するために重要な役割を果たしている「肝胆膵領域」の病気について、一宮西病院 消化器内科 肝臓内科部長の矢田雅佳先生に教えていただきます。
先週から「膵臓」のお話をうかがっています。
(つボイ)膵臓の病気も厄介そうですよね。
(小高)今日から具体的な膵臓の病気について教えていただきます。まず、よく聞きますよね。「膵炎」。膵臓の炎症ということなのでしょうが、どんな病気でどんなことになるんでしょうね。矢田先生です。
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(矢田)膵炎は、一言で言うと膵臓に炎症が起きている状態なんですが、急性膵炎と慢性膵炎というのがあります。これらは全然違う病気で、急性というのは本当に急激な炎症で、アルコールや胆石、高脂血症などの原因によって、膵臓の膵液の流れが悪くなることで起こります。
(小高)はい。
(矢田)膵液というのは消化液で、それ自体が膵臓そのものを分解してしまうんですね。要は自分の消化液で自分が溶けてしまう。そして、周囲にひどい炎症が起こることによって激しい痛みが出ます。場合によっては、炎症が全身に及んで腎臓や他の臓器がやられることで、最終的には多臓器不全になって命を落とすというケースもあります。非常に怖い病気ですね。
(小高)何かをやっちゃうと、そういうことが起こり得るってことですか?
(矢田)まず高脂血症があるとか、あとは胆石ですね。胆のうにある石が転がり出て、膵管の下に詰まることで起きることがあります。もちろん大量飲酒も一つの原因になります。脂肪分の多い食事というのも一つの原因なんですが、特に注意しないといけないのはアルコールの大量飲酒だと思います。
(つボイ)やっぱりお酒か~。
(小高)これは激しい痛みとおっしゃてましたが、お腹が痛いんですか?
(矢田)背中が痛かったり、お腹が痛かったりします。痛すぎてエビみたいに、前かがみになって痛みを表現する方が多いですね。救急車で運ばれる人も結構多いです。
(つボイ)僕らのイメージですと、急性と慢性とあって、急性の方は激しいけど割と早く治りますよと。慢性は治りにくいぞって思うのですが、これ聞いているとちょっと恐ろしいですね。
(矢田)軽い急性膵炎であれば、ちょっとご飯を止めて、安静にして点滴を受けることで治ります。ですが重症ですと、膵臓が広範囲に障害を受けてしまっていて、そこに例えば菌が入って感染を起こしてしまったりすると、全身の状態が悪くなって命を落としてしまうこともあります。本当に一回きりの病気がきっかけで命を落とすことがあります。
(小高)これはお腹が痛くて運び込まれると、病院では何をするんですか?
(矢田)病院では血液検査だったり、CTやエコーで膵臓の腫れを診ます。特にCTで詳しく見ることで、炎症が及んでいる範囲を診て重症度を判断します。