連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 第4回

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第4回 足の動脈硬化は“病山の一角”!?の巻

前回は、動脈硬化性疾患が全身病である話をさせて頂きました。全身病の中でも“命に係わる臓器”となると、まず脳と心臓が頭に思い浮かぶのではないでしょうか?しかしこんなデータがあります。足の血管に動脈硬化がある方は、無治療で放置した場合、5年後に脳梗塞あるいは心筋梗塞を発症する可能性が20%、亡くなる可能性が10-15%、また足を切断しなければならなくなる可能性が5-10%だというのです!驚きますよね、“たかが足の病気じゃないの?”って。でもなぜだと思いますか?答えは「合併疾患(がっぺいしっかん)」です。足の動脈硬化がある患者さんの実に44%が、冠動脈疾患あるいは脳血管疾患を合併しているというデータが出ています。足の血管に起こる動脈硬化はまさに「氷山の一角」ならぬ「病山の一角」なのです!その病山の一角をどうやってみつけるか、またどういう治療を行うのか、今後も色々と足や心臓や他の動脈硬化の検査・治療について説明させて頂こうと考えております。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)