CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第7回(令和2年7月15日放送内容)

7CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第7回(令和2年7月15日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

f:id:kyouryoukai:20200725141509j:plain

(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)今日は肺がんにおける『タバコの影響』について先生にお話しを伺います。やはり喫煙するということは、肺がんになりやすいということでしょうか?

(竹下)そうですね。もちろん、肺がんのリスクがタバコだけということではないんですが、他の肺疾患があると肺がんになりやすいということがあります。
例えば『慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)』。みなさんは『肺気腫(はいきしゅ)』という名前の方が聞きなじみがありますでしょうか。これはタバコで肺の壁がどんどん壊れて、大きな袋みたいになって、息苦しさや咳がでるような病気です。
もう一つは『間質性肺炎(かんしつせいはいえん)』といって、肺が固くなり膨らまなくなる病気です。これも200種類ぐらいの原因があるんですけど、これも肺がんになりやすいと言われています。とはいえ、一番の危険因子はやはりタバコです。

(小高)タバコを吸っている人、吸ってない人はどれくらい違うものなんでしょうか?

(竹下)男性で4~5倍くらい。女性で2~3倍くらい肺がんになりやすいと言われています。

(小高)肺がんは肺のいろんな場所にできるとのことでしたが、肺がんになりやすい場所はあるんですか?

(竹下)肺の真ん中にできるような『扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)』とか『小細胞(しょうさいぼう)』といわれるタイプの肺がんは、ほとんどが喫煙者です。

(つボイ)そうかぁ。

(小高)これ、一番気になる人が多いと思うんですど「タバコをやめたんだけど…つい最近なんだよね」って人。やめてどれくらいたったら危険度が減るなど、あるんでしょうか?

(竹下)いろいろ言われていますが、一般的には20年ぐらい経たないと、吸ってない人と同等のリスクには戻らないと言われています。

(小高)あら…。今ガーンって衝撃を受けている方も何人かいるかもしれませんね…。

(つボイ)ほんとやわ…。吸いだしたらだいぶ長い間リスクを背負わなくてはいけないということですね。

(竹下)そうですね。

(つボイ)でも「うちのおじいちゃんは90歳まで生きて、たくさんタバコを吸ってたよ」なんてことも言われることもあると思いますが、個人差はあるんでしょうか?

(竹下)タバコの感受性というのがありまして、感受性が高い人もいれば、そうでもない人もいるので個体差があります。

(つボイ)そうなんだ。お酒みたいに、ちょっと飲むだけで酔っぱらう人と酔っぱらわない人がいるのと同じですか?

(竹下)そうですね。

(つボイ)周りがたくさん吸うからって、真似してやるとダメな人もいるわけですね。

(小高)なるほど。「自分は大丈夫と思ってたくさん吸っていたら病気になっちゃった」って後から気付いても遅いもんね。

(つボイ)遅いね。分からないからやめておいたほうがいいですよね。

(竹下)やはり禁煙は大事ですね。

(小高)肺がんになってしまった人って「俺もうなっちゃってるし」ってタバコを吸う人もいると思うんですけど、これもやめた方がいいですよね。

(竹下)予防という観点でも禁煙は大事ですが、病気を持っている人の禁煙(重症化予防)も大事です。例えば手術をするときに、タバコを吸っている人だとリスクも上がります。抗がん剤なんかも、タバコによって影響するような薬剤もあります。

(小高)やっぱりタバコは百害あって一利なしですね。

(つボイ)効果が薄れてしまうということですね。

(竹下)そういうケースもありますね。

(つボイ)あらま~。

(竹下)ちなみにタバコを吸っている方は、肺がんだけでなく心臓や血管系でもリスクが高くなります。禁煙をすれば、およそ3年でリスクは1/3まで下げることができると言われています。

(つボイ)やっぱり禁煙しないといけないんだね。

(小高)そうだね。自分で吸っている人も禁煙した方がいいし、家族とか周りの人が吸っててもやめてって言いたくなりますね。

(つボイ)はぁ~。受動喫煙

(竹下)そうですね。

(小高)受動喫煙については、また来週、先生にお話しを伺っていきます。先生、来週もよろしくお願いします。

(つボイ)お願いします。

(竹下)宜しくお願い致します!

(小高)はい。ありがとうございました。一宮西病院の竹下先生でした。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

   ◎第2回の放送内容はこちら 

  ◎第3回の放送内容はこちら  

  ◎第4回の放送内容はこちら  

 ◎第5回の放送内容はこちら

◎第6回の放送内容はこちら

 

世界が認めた診断力 放射線診断医 木口貴雄

一宮西病院・医師採用サイト内に、放射線診断科・副部長の木口貴雄医師の単独インタビュー記事をアップしました。木口医師は北米学会が主催する画像診断コンテストで毎年チャンピオンに輝く『世界が認める放射線診断医』です。木口医師が一宮西病院へ赴任したきっかけ、画像診断に向き合う思いなどを熱く語っています。

f:id:kyouryoukai:20200722195459p:plain
◎画像クリック(タップ)で、一宮西病院・医師採用サイトへリンクします。

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第6回(令和2年7月8日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第6回(令和2年7月8日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

f:id:kyouryoukai:20200720075612p:plain

 (小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)初期は自覚症状がなくて、気づいたときには他の部位に転移していたりして、がんの中では死亡者数の一番多いと、ちょっと厄介な病気なんですが、最近は治療法も発達して、生存率も上がってきてます!ということでした。

(つボイ)実際はどのような状況なのでしょうか?

(竹下)皆さんは「がん」と聞くと、大腸がんとか、男性なら前立腺がんとか、女性なら乳がんなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。肺がんの患者さんは全てのがんの中でおよそ3位と多く、年間でおよそ11万人が罹患しています。この数字は、日本全国で1時間に大体13人が肺がんになっていると思っていいぐらいの数字です。

(小高)は~。結構いらっしゃるってことですよね。これは増えているんでしょうか?

(竹下)そうですね。年々増加傾向にあります。

(小高)先生がおっしゃるように、がんの中では亡くなる方が非常に多いと。

(竹下)患者数はがんの中で第3位ですが、亡くなる方は全てのがんの中で1番多く、全てのがんの中でおよそ20%ぐらいを占めていると言われていまして、年間およそ7万5千人が肺がんで亡くなってるというのが現状です。

(つボイ)そうすると、1時間でいうと何人が亡くなっているんですか?

(竹下)1時間で日本全国で大体9人ぐらいが亡くなっているということになります。

(つボイ)ええ…。男女比はありますか?

(竹下)男性の方が大体2倍くらい多いです。

(つボイ)いやだいやだ。

(小高)ただ、治療法が発達してきているということでしたが、実際はどうですか?

(竹下)そうですね、手術や放射線治療だけではなくて、一番は薬物療法が進化してきていると言われております。かつては肺がん全体で5年生存率が20%未満でしたが、最近では30~40%ぐらいと上がってきております。

(小高)これは各ステージでいうとどれくらいの生存率になるんですか?

(竹下)肺がんのステージは1~4まであるんですけど、ステージ1はおよそ80%以上で、5人に1人は治ると言われています。ステージ2でも50%以上は治るといわれていますし、ステージ3も治療法が増えて徐々に上がってきてですね、大体25%ぐらいまで上がっています。ステージ4は個々複雑で薬が合う合わないとかで変わってくるんですけど、薬が合う方は20%以上の期待できるような症例もよくあります。

(つボイ)なるほど。ステージ1で80%というのは希望が持てました。やはり早く見てもらうということが大事ということですね。

(竹下)本当にその通りだと思います。やはり早期発見。

(小高)早期発見が大切ですね!ところで、予防法だとかはあるんでしょうか?

(竹下)肺がんに大きく影響があるのはやはり「タバコ」なんですよね。

(小高)あ~やっぱり影響力が大きいんですね。つボイさんはタバコを吸いますか?

(つボイ)吸わない。

(小高)じゃあちょっと安心ですよね。吸っているという方や、やめたけど長年吸っていた…という方は不安に思われているかもしれないので、「タバコ」が与える影響について次回はお話ししていただきます。先生、来週もよろしくお願いします。

(つボイ)お願いします。

(竹下)宜しくお願い致します。

(小高)はい。ありがとうございました。一宮西病院の竹下先生でした。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

   ◎第2回の放送内容はこちら 

  ◎第3回の放送内容はこちら  

  ◎第4回の放送内容はこちら  

 ◎第5回の放送内容はこちら

一宮西病院では2020年7月より、SCU(Stroke Care Unit:脳卒中集中治療室)を開設しました

一宮西病院では、2020年7月よりSCU(Stroke Care Unit:脳卒中集中治療室)を開設しました。SCUとは、脳卒中を発症して間もない患者さん、すなわち病態が不安定な患者さんに対して、効率的に初期治療を行う病棟です。神経内科医、脳神経外科医、看護師、理学療法士および作業療法士が、24時間体制で患者さんの治療にあたっております。

f:id:kyouryoukai:20200717144930j:plain

●SCUのメリット
脳卒中治療ガイドラインには、SCUで治療することにより、死亡率の減少、在院期間の短縮、自宅退院率の増加、長期的な日常生活能力と生活の質の改善…を図ることができると明記されています。

脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管の病気です。脳の血管が詰まって脳細胞が死んでしまう病気(脳梗塞)、脳の血管そのものが破裂して出血を起こす病気(脳出血くも膜下出血)があり、これらをまとめて脳卒中といいます。脳卒中は、がん、心臓病に次いで日本における死因の第3位であり、年間約30万人の方が発症しているといわれています。また寝たきりの原因の約3割を占めています。

脳梗塞に対する血管内治療
血管が詰まる脳梗塞では、血の固まり(血栓)を薬で溶かす点滴治療(血栓溶解療法)のほか、血管にカテーテルを通して血栓を除去する治療(血管内治療)を実施しています。

◎SCU(Stroke Care Unit:脳卒中集中治療室)はこちら SCU(Stroke Care Unit)~脳卒中集中治療室~ | 外科系 | 一宮西病院 | 社会医療法人 杏嶺会

脳神経外科はこちら 脳神経外科 | 外科系 | 一宮西病院 | 社会医療法人 杏嶺会

◎脳神経内科はこちら 脳神経内科 | 内科系 | 一宮西病院 | 社会医療法人 杏嶺会

脳梗塞の治療~~血栓回収療法~はこちら 脳梗塞の治療 ~血栓回収療法~ | 外科系 | 一宮西病院 | 社会医療法人 杏嶺会

一宮西病院・気胸センター始動!患者さんの負担が小さい【単孔式(たんこうしき)胸腔鏡手術】を積極的に実施しています

肺は風船のように空気で膨らんでいる臓器ですが、その肺が何らかの原因で破れてしぼんでしまう病気が「気胸」です。それ自体で命を落とすことは稀な病気ですが、破れた肺が元に戻るまでの間、息切れや胸痛などの症状が続き、部活動・仕事・飛行機による移動などが制限されるため、生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼします。一宮西病院では2020年5月より【気胸センター】が始動、呼吸器内科・呼吸器外科・救急科が連携して治療を行う体制を整えました。

f:id:kyouryoukai:20200713183930j:plain

気胸の手術は一般的に、2~3か所の創からアプローチする【胸腔鏡】で行われますが、当院ではさらなる低侵襲化(身体への影響を小さくする)を推進、一昨年より(原発自然気胸の患者さまに限り)1.5~2 cmの創・1か所で手術を行う【単孔式(たんこうしき)胸腔鏡手術】を導入しました。従来の胸腔鏡手術と比べ整容的に優れ、痛みも少ないといわれています。2019年の【単孔式胸腔鏡手術】は、全ての気胸手術の75%を占めました。

f:id:kyouryoukai:20200713183943j:plain

患者さま個々の病状、社会的背景(仕事・受験など)を考慮し、最適な治療を提案して参ります。

◎一宮西病院・気胸センターページはこちら。

YouTube<一宮西病院>チャンネル こどもから大人まで!自宅でできる頭痛の予防法

意外と多いお子さんの頭痛、特に小学校高学年から中学までに多いといわれています。多くの世代を悩ませる頭痛について、日本小児神経学会・日本睡眠学会所属・一宮西病院・小児科の水川医師が解説します。お子さんが頭痛で悩んでいるという親御さん、ぜひご覧ください。

◎動画内で紹介している<頭痛ダイアリー>は、下記サイトからダウンロードできます。(一宮西病院・小児科ページ/頭痛コラム内にございます)

子どもの頭痛について | 内科系 | 一宮西病院 | 社会医療法人 杏嶺会

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第5回(令和2年7月1日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第5回(令和2年7月1日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

f:id:kyouryoukai:20200708174251j:plain

 

(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ』。新型コロナウイルスの影響で5月、6月と過去の放送の中から総集編をお送りしてきましたが、今日からレギュラーの放送に戻ります。

4月にお送りしていたのは日本人の死因第1位の癌の中でも死亡者数が一番多い、肺がんについてです。一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生です。4月から2ヶ月空けてのご登場です。お久しぶりでございます。

(竹下)ご無沙汰してました。またよろしくお願いいたします。

(小高)先生には4月も1か月間かけまして、肺がんの基本というのと教えて頂いてたんですが、私を覚えてるんですよ。私覚えてるんですけど、やっぱり、間が空いてしまったんで…つボイさんはほら、忘れてしまっていませんか?

(つボイ)私はあの、覚えていますけど。聞いてる人が忘れているかもしれませんので、ちょっと復習をしてはどうでしょう?

(小高)ははは。改めて「肺がんとは何か?」という基礎から教えていただけますでしょうか。

(つボイ)先生、お願いいたします!

(竹下)はい。みなさんがご存じのように、肺は呼吸する器官です。そしてみなさん、1日のうちに大体2万~3万回呼吸しています。呼吸というのは、鼻や口から入った空気が気管を通って左右の気管支に分かれます。大体20回以上分裂して、最終的にはあの肺胞というところまで行って、そこで酸素と二酸化炭素の交換が行われます。

(小高)なるほど。肺がんというのはやっぱりその肺のどこかが癌化するということですか?

(竹下)そうですね。気管や気管支、また肺胞の正常な細胞が何らかの原因…例えば遺伝子に傷が入るとかそういったもので癌化したものが肺がんです。正常な細胞はいつか分裂が止まります。ただ、がん細胞は増殖能力が高くてですね、周囲の組織に浸潤しながら増殖したり、血管とかりんぱに乗って全身に広がっていくというような特徴があります。

(つボイ)転移するということですか?

(竹下)そうですね、血液に入ったのがいろんなところに広がっていくということがあります。

(つボイ)う~ん、厄介なものだね。

(竹下)肺には元々の痛みの神経があんまりなくてですね、末梢にできる肺がんというの実はほとんど症状がありません。

(小高)症状がでるときというのはどのような時ですか?

(竹下)症状がでているときは、ある程度癌が進行しているときが多くてですね。でもこの段階ではもう手術が難しくて、すでに先ほどお伝えしたように転移していることもあり、転移した先の症状が先に出て見つかることもあります。

(小高)なるほど。例えばどんな場所ですか?

(竹下)脳はいろんな間隔などを支配しているんで、そういった運動神経麻痺とか、吐き気がしたりとか、頭が痛くなるとか…。骨に転移するといえばかなり痛みが強いので骨からわかって、当科に紹介なることもよくあります。

(小高)別のところに症状がでて、そっちの癌だと思っていたら元々の肺がんだったんですよと分かるということですね。しかもその場合はかなり重症化してしまっているという…。

(竹下)そうですね、転移しているのは進行してしまっているということになります。転移があるからですね、肺がんの患者数は男女合わせて癌の中で第3位なんです。死亡数は全ての癌患者の中で一番多いという風なことになってます。

(つボイ)まぁ、いろんな癌がありますけど。癌の中でもやっかいなものですよね。

(小高)そうですよね…なんか思い出してきた。やっかいだったね。あ、でも最近の事情としてはどうですか?治療法とか。

(竹下)そうですね、たしかに死亡者数が1位といっても、治療法は他の癌よりも著しく進歩していて、生存率は近年上がってきているし、治療の選択肢は広がってきています。

(つボイ)あ、よかった。

(小高)ちょっと安心しましたね。この後のところからですよ、来週また教えてもらえますか?

(竹下)来週じっくりお伝えします。

(小高)ありがとうございます。よろしくお願いいたします!一宮西病院の竹下先生でした。

   ◎第2回の放送内容はこちら 

  ◎第3回の放送内容はこちら  

  ◎第4回の放送内容はこちら