CBCラジオ「健康のつボ~乳がんについて~」 第10回(令和3年9月8日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、山内彩加さん(アナウンサー)、小高直子さん(アナウンサー)、鈴木瞳医師(一宮西病院 乳腺・内分泌外科 医長)
(山内)今月からこの時間は『健康のつボ~乳がんについて~』です。女性であれば誰でも気になる「乳がん」について、一宮西病院 乳腺・内分泌外科 医長で「乳腺専門医」の鈴木瞳(すずきひとみ)先生にお話をうかがっていきます。
(つボイ)もうこのところずっと、乳がんのいろいろなことを教えていただいています。早期発見すれば怖いがんではない!というお話ですね。
(山内)私の周りにも乳がんの人がいて、気になってはいるんです。詳しく聞きたいんですけど、今は手術も技術が進んで、温存術や再建術など、選択肢が広がっているんですよね?
(つボイ)そうなんですね!完治後の生活も、最近は大きく変わって来ていると思いますけどね。
(山内)今回はサバイバーシップについてうかがいます。お話をうかがっている鈴木先生は、直接的な治療はもちろんですが、手術後のがん患者さんのサポートも積極的に行われているそうです!(※このコーナーはつボイさんと小高さんがインタビューしています。)
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(鈴木)乳がんは、手術の術式や薬物治療など、どんどん進歩して選択肢も増えているので、患者さんと医師とできちんと相談して決めていかなくてはならない治療方針がたくさんあります。また”罹患する人が多いがん”ではありますが、”完治する人も多いがん”なので、治療後の定期健診も大切で、患者さんとの付き合いが非常に長くなります。そんな患者さんの「病気」を治すだけでなく、「人」としてまるごとケアして患者さんに伴走することをモットーに診療にあたっています。
(小高)一緒に走ってくぞー!って感じですね。
(つボイ)ふむふむ。
(鈴木)乳がん患者さん同士が悩みを話し合ったり、情報交換したりする場も大切で、患者さん同士のピアサポーポートコミュニティを支える活動にも力を入れています。
(つボイ)何ですか?この『ピアサポーポートコミュニティ』というのは?
(鈴木)はい、ピアサポートコミュニティとは、同じ病気の患者さんがお互いにサポートしあうものでして、こういう活動のひとつが乳癌や卵巣癌、子宮頸がんなど、あらゆる癌に罹患した「女性」のためのSNS型サポートコミュニティの「Peer Ring(ピアリング)」というものです。
(小高)ピアリング?
(鈴木)はい、「Peer Ring(ピアリング) https://peer-ring.com/ 」です。この「Peer Ring(ピアリング)」というものは、従来の患者会と異なって、時間や距離の制約なくスマホアプリやPCで使えるコミュニティ型のSNSを、患者さん向けに運営しています。登録した会員さんが治療に向き合う日々の日記を投稿して互いに励ましあったり、治療と仕事や、暮らしの両立についてアドバイスしあったり・・・といった、患者さん同士のコミュニケーションを取れるツールになっています。副作用があって外に出られない時や、海外在住の患者さん、あるいは地方在住者で近くに患者会が無いような患者さんでも、気軽に同じがん患者さんと悩みを共有出来て、顔が見えなくても、お互いにつながることができます。今はコロナ禍ですので、丁度時代にマッチしたツールになっていて、現在、1万人以上の患者さんがいらっしゃいます。私は医療顧問として、診察室では聞けない悩みを取り上げてコラムを書いたり、医療情報の正確性について確認したりしています。これから治療を始める方も、すでに乳がんを経験をした方でも、サイトにアクセスして頂ければ、患者さん同士のあたたかいコミュニティの場というのを実感して頂けると思います。
(小高)これ私、がんじゃなかったんですけど、10年位前に別の病気で手術した時に、私と同じ病気の方が書いたブログとか、ホームページとか、物凄い探しました!
(鈴木)そうすよね・・・。
(つボイ)いやいや~「同病相憐れむ」って言葉もある通り、同じ病気にかかった人は気持ち分かり合えますよねぇ。
(鈴木)そう思います。
(小高)そこにお医者さんが参加して下さってると、さらに頼もしいツールになりますね!
(鈴木)あともう一つ、「ピンクリング https://www.pinkring.info/ 」という団体のメディカルアドバイザーも兼任しています。こちらは、20代30代の若年性乳癌の患者さんのためのサポートコミュニティでして、この世代は、結婚・妊娠・出産などへの悩みがあるにも関わらず、周りに同世代の患者さんがそういないので、相談できる環境がなかなかありません。そういった女性の大きな不安を取り除くために、悩みを共有しサポートし合うことを目指して活動しています。
(小高)どちらも情報交換が大事だよ、というか。
(つボイ)インターネットってこういう使い方あるんですよね。
(小高)こういった活動をされて、感じられたことなどありますか?
(鈴木)はい。こういった活動へを通して、診察室の外の患者さんの生活や、診察室では聞けないような”患者さんの本当の気持ち”について、知る機会をいただいている事に私自身とても感謝しています。乳がんの適切な診断と治療は勿論ですが、必要な方に必要な情報が届いて、乳がんになっても安心して暮らせる社会を目指してサポートを継続していきたいなと思っています。「腫物に触るように接して欲しくない・・・だから乳がんのことは他人に絶対言いたくない・・・」という患者さんは、実際とても多いんですけれど、乳がんに限らず、病気になった時の不安な気持ちは一人では抱えるものではないと思いますので、受けられる周りのサポートというのは絶対受けたほうがいいと考えています。正しい知識や情報が広がって、周りの人が「そんなに心配しなくても普段通りに接すればいいんだ」「こういうサポートがあれば助けられるかな?」と、積極的に思えるような社会になれば、患者さんを支えることにつながると思いますので、そういう意味でも、患者さん、・・・女性だけでなく、ぜひ男性や地域社会の人にも、乳がんの正しい知識を持ってもらいたいなと思います。
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(つボイ)はい、ということですが・・・病気に対する不安な気持ち、一人だったら支えきれないけど、グループでお互い話し合うことができたら、ずいぶん気持ちも楽になるでしょうね。
(山内)やっぱり、女性の悩み、患者さんの悩みに寄り添ってもらえるのはありがたいですね。来週も鈴木先生に乳がんについてお話をお聞きしていきます。
(山内)『健康のつボ~乳がんについて~』でした。
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