CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第8回(令和4年2月23日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院 不整脈センター センター長)
(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!
(小高)さぁ、治療が必要な不整脈として、洞不全症候群そして房室ブロックについて伺ってきました。
(つボイ)はい。まぁ不整脈にもいろいろあるので、今日はどういう不整脈なんでしょうか?
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(古川)今日は「心房細動」についてお話したいと思います。一番多い不整脈です。
(小高)一番多い!?多数派!
(つボイ)あんまり属したくないんだけど私は。
(小高)改めて、心臓細動とはどういうものでした?
(古川)心房細動とはその名の示す通り、舞台は心房になります。
(小高)改め心臓の上のお部屋ですよね。
(古川)はい。心房が細動、細かく動くと書くんですけど、1分間に300回から400回ぐらいすごく早く動く結果、震えるだけになってしまう。
(つボイ)それは小高さんは自覚はあったんですか?
(小高)自分が手首とかで測った脈としては”乱れ打ち”のように、早い遅いじゃなくて、ドコドコなりますが、心臓の状態というのは痙攣のような感じなんですか?
(古川)心房が震えて、それが心室に適当に伝わるので、脈が乱れます。多くの方は脈が早くなることが多くて、しかも脈が乱れるような、小高さんがおっしゃったような”乱れ打ち”という状況になります。
(小高)私の症状でいくと、やっぱり息苦しくなって、上手に息が規則的にできないから苦しいし、ちょっと咳が出ちゃった、そんな感じでした。
(古川)心房細動の症状はすごく多彩なんですよね。もう立てないぐらいフラフラになって、動けない・息が苦しい・動悸が止まらないという強い症状の方もいれば、全く症状がない・全くわからないよっていう方もいらっしゃるんです。高齢者に多い病気なんですけども、だんだん歳をとるにしたがって、ちょっと動いたら息が切れるのは「もうこれ歳のせいだな」って本人は思ってることが、実は心房細動の症状だったりする場合もあります。
(小高)私心臓の症状って気付かずに、「ちょっとゼーゼーするな」「息が上がるな」「体力が落ちたのかな」と思っちゃうんですね。
(古川)それは歳のせいでない可能性もある、ということです。
(つボイ)それは調べてみないとわからないですね。
(小高)で、心房細動になった場合の治療法というのは?
(古川)まず第一に心房細動というのはすごく大事なこととして、「脳梗塞」が多くなってしまう病気なんですね。心房が震えるだけになってしまった結果、心房の中で血が澱んでしまうんです。その結果、血のかたまり(血栓)ができてしまいます。血栓が飛んでいったときに例えば頭で詰まると脳梗塞になります。
(小高)だから症状がなくてつらいわけではないよ、という人にとっても、実はそういった危険が潜んでいる。で、カテーテルアブレーションで管を通して心臓の悪さをしている部分の心筋を焼くんですね。
(つボイ)焼いたり冷やしたり、と前に言っていましたね。焼くと冷やすじゃ全然別のことをやっていますが、同じことなんですか?
(古川)細胞を障害させるのがカテーテルアブレーションというものなんですね。心房細動の原因の多くは肺静脈です。心臓から血液が一回肺に送られます。また肺から左心房に戻ってきます。4本の肺静脈を通って肺に戻ってきます。右から2本、左から2本の肺静脈を通って左心房に戻ってくるんですけど、その肺静脈のところから出た不整脈で心房細動が起こるってのが多いんですんですね。ですのでその肺静脈の周りを焼く、あるいは冷やすことによって、肺静脈から出る不整脈を心臓まで届かないようにすることがアブレーションです。
(つボイ)届かないように焼いたり冷やしたりするんだ…。