連載企画 『足は第二の心臓です!?~循環器内科医が診る足病のはなし~』 最終回

f:id:kyouryoukai:20170724111644p:plain

最終回 休まずに何メートル歩けますか?

世に「健康寿命」という言葉があります。これは誰かの世話を必要とせず自立して日常生活を送ることができる年齢です。世界有数の長寿国と言われる日本人の「寿命」は、厚生労働省の発表によれば男性で79.6歳、女性で86.3歳です。一方で「健康寿命」は男性で70.4歳、女性で73.6歳と実際の寿命よりもずっと少なくなります。ここから分かるのは、“人生で平均的に10年前後は何かしら介護が必要である”ということです。手助けが必要となる状況は様々ですが、足を悪くして歩けなくなることも原因の一つです。

下肢閉塞性動脈硬化症は多くが慢性疾患の為、段々と歩く距離が短くなります。そして長距離を歩かないために自分の症状(跛行)に気づきません。さてあなたは今何メートル休まず歩けるでしょうか?ご自身の健康寿命を延ばすために、足の健康にも気を遣いましょう。

動脈硬化動脈硬化によっておこる足の血管病のお話しをこれまでして参りましたが、このコラムを通じて“少しだけ足のことを気にしてみようかな”、と思って頂ければ幸いです。最後になりましたが、地域の皆さまと皆さまの足がいつまでも健康でありますように切に願っております。どうもありがとうございました。

一宮西病院 循環器内科 医長 市橋 敬(いちはし けい)