CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第13回(令和2年8月26日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第13回(令和2年8月26日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位のがんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。先生よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)今週が肺がんシリーズの最終回ということになりますが、最近は薬物治療も本当に進歩していて、5年生存率というのは肺がん全体でなんと30%から40%とどんどん高くなってきてました。特にステージ1だと80%。ステージ2だと50%以上と、高い数字で治療ができるということになることはありますね。

(つボイ)ということは、ステージ1というか、早く見つけることが大事と。

(竹下)肺がんの早期発見の難しいところは、肺がんには自覚症状がなかなかないんですね。肺がんの症状として、咳、息切れなどありますが、肺がんだけの特異的な症状ではないので…。

(つボイ)咳とかだと風邪の症状だもんね。

(竹下)そうですね、普通の呼吸器疾患で起こるような症状なんです。ただ、本当にそれが肺がんの症状だった場合、その症状が出るときというのはがんがある程度進行している可能性があるんです。

(小高)ええ…。咳の症状だけで既にがんが進行している可能性があるのであれば、本当はもっと早く発見したいんですけど、何かいい方法はありますか?

(竹下)早期発見して治療を受けるまでに必要なことは健診なんです。

(つボイ)ふむふむ。

(竹下)40歳以上の方であれば、男女問わず、年に1回は健診を受けるということが大事なります。

(小高)肺がんが見つかる健診というのはやはりレントゲンですか?

(竹下)そうですね、肺がん健診は問診としてお話しを聞くのと、胸のレントゲン写真です。それに加えて、50歳以上でタバコを吸っている方は喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん)というのがあります。

(小高)なるほどね。

(つボイ)レントゲンといったら昔からあるようなものですけど、やっぱりレントゲンなんですか。

(竹下)そうですね。レントゲンで異常があれば次に進むんですけど、それがCTですね。輪切りにした写真を撮って…。

(つボイ)これは昔はなかったね。レントゲンしかなかったから。

(竹下)さらにCTでがんが疑われたら、全身を調べていくようなPET検査という検査をするだとか、脳の検査するとかで全身の広がりを見ることになります。

(小高)レントゲンで発見されるのは、もちろんステージ2、3、4とかだと分かるでしょうけど、どのぐらいから発見できるんですか?

(竹下)ステージ1や2でもこう分かるんですけど、濃度が低いとレントゲンでは分かりにくいし、サイズが1.5cmくらいあれば分かるんですけど、なかなかそれ以下のものは難しいというのと、
レントゲンだと真ん中にあると他の臓器と重なるので、分かりにくいというのもあるんですね。

(小高)だからこそ定期的に健診を受けて、発見したらすぐ治療するというような流れ?

(竹下)そうですね。前の年と比較するというのが大事なので。健診で見つかったがんは8割ぐらい治るといわれているので、早い段階で見つけるというのが一番いいんです。
ただ愛知県の健診受診率は低くて40%ぐらいとなっているので、これを50%を超えるぐらいまで持っていければいいのかなって思っています。

(小高)自覚症状があるとちょっと不安になって健診を受けようかとか先生に診てもらおうかと思うけど、忙しさを優先させちゃって、何も症状がないと「まあ今年はいいや」ってなっちゃうんだけど、そこが分かれ道ね…。

(つボイ)まあ普通に他の病気もあるから年に1回健康診断行けば、必ずレントゲン入ってますからね。そこで見つけて助けてもらえるかもしれん。

(竹下)そうですね。

(小高)健診率が上がれば、もっと肺がんもね。

(竹下)もっと肺がんの早い段階で見つけれる可能性ってのあると思います。

(つボイ)皆さんも健診率をもっと上げて、肺がんで亡くなる方を減らしたいですね。

(竹下)もう本当にそうですよね。

(小高)ということで、ここ数回にわたりまして先生に肺がんについて色々教えていただきました。諦めるなというのと、早く見つけようということでしたね!一宮西病院の竹下先生でした。どうもありがとうございました。

(竹下)ありがとうございました。

(小高)新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

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尾張西部初のSCU(Stroke Care Unit)を有する『一宮西病院・脳卒中センター』始動!

この度一宮西病院は、愛知県尾張西部医療圏で初となるSCU(Stroke Care Unit)を2020年7月に開設、そして9月より『脳卒中センター』を開設致しました。

当院の脳卒中センターの特徴は、脳神経内科脳神経外科合同のシームレスな運用にあります。脳神経内科脳神経外科が情報を共有しながらも適切に役割を分担し、それぞれの専門性を発揮して患者さんに相対します。そのため、最後の砦となる外科的治療のみならず、内科的精査や治療も得意としています。脳卒中発症後の救急診療のみならず、発症前の予防医療も含め、ぜひ当院をご利用ください。

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臨床・学術の両面で世界基準を知るドクター 循環器内科医 旦一宏

一宮西病院・医師採用サイト内に、循環器内科・旦一宏副部長のインタビュー記事をアップしました。心臓カテーテル治療の見識を広げるため、そして世界レベルの環境で臨床研究をするため、2017年からの約2年半米国ワシントンへ留学。「研究データは高いレベルの臨床を実践するためのもの」と語る旦医師の、熱い思いをご一読ください。

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側弯症治療のグローバルドクター 整形外科医 川上紀明

一宮西病院・医師採用サイト内に、整形外科脊椎外科・川上紀明部長のインタビュー記事をアップしました。川上医師が断ったらもうその治療ができる医師はいないのでは?というレベルの難治療を数多く経験。そして高齢社会の次の時代、20年・30年後を見据え、今からしっかりと子供たちを診られるチームの確立を目指す川上医師。その熱い思いをご一読ください。

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CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第12回(令和2年8月19日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第12回(令和2年8月19日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位のがんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。先生よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)がん患者の中でも年間の死者数が一番多い肺がんですが、治療法の進歩で生存率が格段に上がってきているよという嬉しいお話を先生から伺ってきました。

(つボイ)心強かったね。ステージ1、2の患者さんは軽い方ですけど、この患者さんは手術で根治するために、根から治す、と。しかも最近では低侵襲になったと。

(小高)このコーナーは大分できてから経っているけど低侵襲、言いにくいね。それから?

(つボイ)腔鏡手術。

(小高)あ、言えた、言えた。

(つボイ)はい。ということで、患者さんの身体の負担も軽くなっているよということですよね。一方で、ステージ3,4などの患者さんには薬で対応すると。ステージ1,2の方に薬かと思ったよね。そして、この薬というのは他のがんに比べても一番進歩していると。

(竹下)そうですね。

(小高)薬ね。

(つボイ)から生存率も上がってきているんです、という話を今まで聞いてまいりました。

(小高)さぁ、ここでおさらいですけど、その肺がんステージ1,2,3,4についてちょっと説明していただけますか?

(竹下)肺そのものだけにがんがある時、リンパ節転移がないようなものはステージ1です。ステージ2は、がんのサイズがちょっと大きくなるとか肺門にリンパ節転移がある場合です。次はそのリンパ節が「縦隔」といわれる肺の真ん中の方まで広がっていったり、がんが肺の外に浸潤する時はステージ3 です。ステージ4は血液の中にがん細胞が入り、脳や骨の全身に回ってしまう状態ですね。

(つボイ)だから、ステージ4になるともういかんなぁって思ってましたけれども、前回のお話だと諦めたらいかんみたいですね。

(竹下)そうですね。いろいろ選択肢が増えているのでそこから考えることができると思います。

(つボイ)ふむふむ。

(小高)生存率でいきますと、手術で根治可能なステージ1は今どのくらいの生存率なのですか?

(竹下)80%以上やっぱりますね。

 (小高)ステージ2では?

(竹下)50%以上です。

(小高)ステージ3,4になると?

(竹下)以前はステージ3で25%ぐらいで言われてたんですけどこの数値も免疫療法が加わってから上がってきています。ステージ4は以前は5年生存率が3%といわれてたんですけど免疫の薬で20%を超すぐらいまで期待できるようになってきています。

(つボイ)3%って心細いですよ。ただ20%っていったら希望を持てますよね。

(小高)そうですね。諦めずに頑張れるってなりますよね。ただやっぱりパーセンテージでいくとなるべく早い段階で見つけたほうがいいですよね。

(竹下)そうですね。やはり早い段階で見つけるとステージ1なら8割が治るので、早期発見はすごく大事ですね。

(小高)ただ、肺がんの特徴っていうとはなかなか自覚症状がないんですよね?

(竹下)そうなんです。肺に痛みの神経はなくて。

(つボイ)痛みって信号としては大事なことですよね。その信号で僕らは気づくんですけど、その信号が伝わってこないんですよね、初期のころは。

(竹下)そうなんです。

(小高)なるほど、一番いいのは、ならないように予防する。あとは早めに発見するということになってくるんですが、そのあたりのこと、一番気になりますよね?ということで、来週は肺がんシリーズ総まとめ「どうやったら早い段階で発見できるの?」を聞いていきます!

(つボイ)肺がんは早く気付いた方がいいけど、じゃあどうやって早期発見するのか?ですね。今まで聞き逃していても来週だけは聞いた方がいいですね。

(小高)全部聞いてください。

(つボイ)失礼しました。

(小高)先生、今日もありがとうございました。一宮西病院の竹下先生でした。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

 

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出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位のがんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。先生よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)ここのところは肺がんの治療法ということで、まず外科的療法・手術、放射線治療についてお聞きして参りました。

(つボイ)ステージ1とか2とか、この段階では手術、それも患者さんの負担が少ない胸腔鏡、これを使った手術が多い。

(小高)軽いときは根治が出来るから手術!ということですか、先生?

(竹下)そうですね、今は胸を開かずに数箇所穴をあけるだけでできる患者さんにとっても優しい手術法になります。

(小高)そしてステージ3になると薬物療法放射線治療を組み合わせていくということでしたが、ステージ4だとどうなりますか?

(竹下)ステージ4というのは、血液の中に癌細胞が入って、他の部位に転移するんですね。肺がんの場合だと脳、骨、肝臓、副腎に転移しやすいんですけど、そういったところにも転移してるような状態なんで、局所をとっても意味なくてですね、体全体にお薬を入れて、全身に回ってるがん細胞をやっつけるというのが薬物治療になります。

(小高)先回先生にお聞きした時に、この薬物治療も目覚ましい進歩を遂げているというお話でしたが。

(竹下)本当に肺がんは一番進歩してると思っていて、2000年代の初頭はですね肺がんと診断されたらもう手術ができないってなるといわゆる従来の抗がん剤ですね、髪の毛が抜けちゃうとか、そういう抗がん剤しかなかったんですね。現在はその抗がん剤治療に加えて、分指標的薬と免疫治療・免疫療法ってものを合わせてですね、この三本柱で治療を考えていくことになってます。

(つボイ)抗がん剤のことかと思いました、薬って。他に二つもあるんですね。

(小高)分子?

(竹下)分子標的薬といって、がん細胞に起こっている遺伝子の変化をターゲットにですね、遺伝子の変化が起こると正常な細胞ががん化しちゃうんですね。逆に言うとそういった変化にすごく依存してるということなんで、そこをブロックするようなお薬が非常に効果が高くて、副作用が軽いんですね。分子標的薬って言われています。

(小高)分子標的薬!そして、免疫療法?

(竹下)以前ノーベル生理学医学賞受賞で一躍有名になったオプジーボっていう薬があるんですけど、免疫チェックポイント阻害剤ですね、そこですごく有名になったんですけど、全員に効くわけじゃないんですね。夢の薬っていうことで最初報道されたんですけど、みんなに効くわけじゃないんです。ほんの一部の人にはすごくよく効いて、がんが本当に消えちゃうような人も出てきてるってのが事実なんですね。そういった意味ですごく効果が期待できるお薬にはなります。

(つボイ)三本柱って言われましたけど、三本の柱で治療するんですか?一本だけの人もいるのか、二本だけの人もいるのか、どうなんですか?

(竹下)これはすごく大事なことになってるんですけど、最初はバラバラだったんですけど、最近は組み合わせた治療もですねちょっとずつ広がってきていて、抗がん剤プラス免疫療法っていうのが今は主流でやられてる治療ですね。

(つボイ)抗がん剤プラス免疫療法、食後に2錠飲んでくださいな、みたいな。

(竹下)いえいえ、点滴です(笑)

(小高)このように目覚しい進歩をしてますよって先生仰られましたけど、数年前とは全然違う?

(つボイ)数字的にはどうなんですか?

(竹下)5年生存率って言うので見ると、薬物療法として抗がん剤しかなかった時は、ステージ4で3%くらいだったんです。それが今こういったお薬が出てきたことで分子標的薬が合う方は20%を超えるし、免疫療法がうまく構築してもやっぱ20%超えるって言う事なんで、すごく治療の成績も伸びてきてますね。

(つボイ)ステージ4になったらからって、アカンと思ったらアカンですね。

(竹下)ほんとこの20年近くですごく進歩してるんで、本当に色んな選択肢が考えられるようになってますね。

(つボイ)もうちょっと経つと私の言うように食後2錠にならへんの?(笑)

(小高)先生、ほんわか優しい癒し系な感じですけど、頼もしいですね!キラーンってしてますね!肺がんについて先生には色々と伺ってきました。ありがとうございました。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

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CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第10回(令和2年8月5日放送内容)

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出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。

(つボイ)よろしくお願いいたします。

(竹下)よろしくお願いします。

(小高)先週は「肺がんになってしまったらどういう措置をしてもらえるのか」というテーマでした。ステージ1、2の患者さんにはなんと外科的療法の手術なんです!

(つボイ)腔鏡ですか?

(竹下)そうです!

(小高)今まではばさっと身体を開いて骨をごりっと切って、その中の肺を…ということでしたが、この胸腔鏡というのは穴を開けるだけで大丈夫なんですよね?

(竹下)はい、数か所の穴を開けるだけで患者さんにとって負担の軽いのような治療です。当院でも6割から7割占めてるような状態です。

(小高)でも、肺がんのステージが進んでいくと、この手術ではなく違う治療法になってくるんですか?

(竹下)ステージ1、2だったとしてもですね、患者さんが高齢であったり合併症があるときは手術ではなくて放射線を選ぶこともあります。また、肺にあるがんが周囲の組織に浸潤したり、それがもっとリンパ節が真ん中の方まで広がってくるとステージ3まで上がっちゃうんですね。そうなると放射線抗がん剤、手術といった組み合わせた治療を行うことになります。

(小高)放射線治療というのはどんな治療になるんですか?

(竹下)放射線は高いエネルギーを持つ放射線を病変に直接当ててるんです。そうすることでがんを消滅させたり、小さくするような治療法です。

(つボイ)当たってるときは痛いとかあるんでしょうか?

(竹下)いや、ほとんどないですね。

(つボイ)なんか熱そうとか痛そうとかありそうだけど…。

(小高)たしかに。

(竹下)ほとんどそういったことは大丈夫ですね。

(小高)でも放射線治療っていうと副作用のようなものもあると思うんですけど、そこはどうなんですか?

(竹下)放射線は正常なとこに当たると副作用が出るので、当てたところの周囲の組織に対しての副作用になりますので、どこに当てるかによって副作用の出方もやっぱり変わってくるんですね。

(つボイ)鉄砲とか弓みたいに標的に合わせてやらないといけないんですね。

(竹下)そうなんです。なので治療計画時に撮影した CT 画像と治療直前CT 画像をちゃんと比較してがんの位置を正確に確認して照射するやり方でやっています。最近の技術として「IMRT」という特殊なコンピューターの助けを借りて行うんですけど、腫瘍に対して集中して線量を当ててあげるというような特殊な当て方も開発されていることで、効果を高めて副作用を軽くするというものも開発されています。

(小高)放射線治療も手術と同じように進歩しているんですか?

(竹下)そうですね。すごく進歩していて、少しでも患者さんの負担を軽くできるようになってます。

(つボイ)照射するのは何分くらいなんでしょうか?

(竹下)照射そのものは数分です。準備とか含めて大体10分から15分ぐらいで1回の放射線治療は終わりますね。

(つボイ)そうなんですね。それだけで。

(小高)治療っていうのはどれくらいの期間なんでしょうか?

(竹下)当てる場所によって変わります。根治的に治すための治療であれば30回ぐらい当てるケースもあるし、放射線のもう一つの目的としては、骨や脳転移による痛みの症状を取るために当てるようなケースもあるんですけど、その時は大体の10回当てるとか。当てる回数もどこにあてるかで変わってくるんですね。

(つボイ)音はするんですか?ビビー!とか。

(小高)ははは。それはしないでしょ。何言っているの。

(竹下)それはしないですね。

(小高)はい。ということで今日は放射線治療についていろいろ伺ってきました。今度は薬物療法についてですね。先生、これもすごい進歩なんでしょうか?

(竹下)薬物療法は、がん治療の中で肺がんが一番進歩していると自分は思っています。

(小高)はい、では次回来週詳しく教えてもらっていただきましょう。今日も一宮西病院の竹下先生にお話を伺いました!ありがとうございました。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。

 

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