7CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第10回(令和2年8月5日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院呼吸器内科部長)
(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~肺がんについて~』。日本人の死因第1位、がんの中でも死亡者数が一番多い肺がんについて、一宮西病院・呼吸器内科部長の竹下正文(たけしたまさふみ)先生にお話を伺います。よろしくお願いします。
(つボイ)よろしくお願いいたします。
(竹下)よろしくお願いします。
(小高)先週は「肺がんになってしまったらどういう措置をしてもらえるのか」というテーマでした。ステージ1、2の患者さんにはなんと外科的療法の手術なんです!
(つボイ)胸腔鏡ですか?
(竹下)そうです!
(小高)今まではばさっと身体を開いて骨をごりっと切って、その中の肺を…ということでしたが、この胸腔鏡というのは穴を開けるだけで大丈夫なんですよね?
(竹下)はい、数か所の穴を開けるだけで患者さんにとって負担の軽いのような治療です。当院でも6割から7割占めてるような状態です。
(小高)でも、肺がんのステージが進んでいくと、この手術ではなく違う治療法になってくるんですか?
(竹下)ステージ1、2だったとしてもですね、患者さんが高齢であったり合併症があるときは手術ではなくて放射線を選ぶこともあります。また、肺にあるがんが周囲の組織に浸潤したり、それがもっとリンパ節が真ん中の方まで広がってくるとステージ3まで上がっちゃうんですね。そうなると放射線、抗がん剤、手術といった組み合わせた治療を行うことになります。
(小高)放射線治療というのはどんな治療になるんですか?
(竹下)放射線は高いエネルギーを持つ放射線を病変に直接当ててるんです。そうすることでがんを消滅させたり、小さくするような治療法です。
(つボイ)当たってるときは痛いとかあるんでしょうか?
(竹下)いや、ほとんどないですね。
(つボイ)なんか熱そうとか痛そうとかありそうだけど…。
(小高)たしかに。
(竹下)ほとんどそういったことは大丈夫ですね。
(小高)でも放射線治療っていうと副作用のようなものもあると思うんですけど、そこはどうなんですか?
(竹下)放射線は正常なとこに当たると副作用が出るので、当てたところの周囲の組織に対しての副作用になりますので、どこに当てるかによって副作用の出方もやっぱり変わってくるんですね。
(つボイ)鉄砲とか弓みたいに標的に合わせてやらないといけないんですね。
(竹下)そうなんです。なので治療計画時に撮影した CT 画像と治療直前CT 画像をちゃんと比較してがんの位置を正確に確認して照射するやり方でやっています。最近の技術として「IMRT」という特殊なコンピューターの助けを借りて行うんですけど、腫瘍に対して集中して線量を当ててあげるというような特殊な当て方も開発されていることで、効果を高めて副作用を軽くするというものも開発されています。
(小高)放射線治療も手術と同じように進歩しているんですか?
(竹下)そうですね。すごく進歩していて、少しでも患者さんの負担を軽くできるようになってます。
(つボイ)照射するのは何分くらいなんでしょうか?
(竹下)照射そのものは数分です。準備とか含めて大体10分から15分ぐらいで1回の放射線治療は終わりますね。
(つボイ)そうなんですね。それだけで。
(小高)治療っていうのはどれくらいの期間なんでしょうか?
(竹下)当てる場所によって変わります。根治的に治すための治療であれば30回ぐらい当てるケースもあるし、放射線のもう一つの目的としては、骨や脳転移による痛みの症状を取るために当てるようなケースもあるんですけど、その時は大体の10回当てるとか。当てる回数もどこにあてるかで変わってくるんですね。
(つボイ)音はするんですか?ビビー!とか。
(小高)ははは。それはしないでしょ。何言っているの。
(竹下)それはしないですね。
(小高)はい。ということで今日は放射線治療についていろいろ伺ってきました。今度は薬物療法についてですね。先生、これもすごい進歩なんでしょうか?
(竹下)薬物療法は、がん治療の中で肺がんが一番進歩していると自分は思っています。
(小高)はい、では次回来週詳しく教えてもらっていただきましょう。今日も一宮西病院の竹下先生にお話を伺いました!ありがとうございました。新生活フロッピー『健康のつボ~肺がんについて~』でした。
◎第1回の放送内容はこちら
◎第2回の放送内容はこちら
◎第3回の放送内容はこちら
◎第4回の放送内容はこちら
◎第5回の放送内容はこちら
◎第6回の放送内容はこちら
◎第7回の放送内容はこちら
◎第8回の放送内容はこちら