CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第1回(令和5年1月11日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第1(令和5年1月11日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院副院長 呼吸器内科部長)

(小高)今日から日からこのコーナーは「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院副院長 呼吸器内科部長 竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。竹下先生、シリーズ2度目のご登場です。

(つボイ)「がん」はもちろんですが、新型コロナウイルス下による生活も丸3年になって、呼吸器系の病気は気になるところです。

小高)そこで今回は、肺がんを中心にいろいろな呼吸器の病気について教えていただき、合わせて「かかりつけ医」を持つことの大切さなども教えていただきます。初回の今日は、呼吸器の病気について、基本的なことを教えていただきます。

小高)竹下先生です。

 

~~~~~~~~

 

(竹下)呼吸器の病気って、本当にたくさんの病気があるんです。ひとつの臓器でこんな
にたくさんの病気があるということに興味があって、呼吸器内科医になったんです。

(小高)そうだったんですね。まず、代表的なものですと何がありますでしょうか?

(竹下)やはり「感染性疾患」ですね。風邪とかインフルエンザとか想像されると思うんですけど、これらは上気道("鼻"から"のど"(※声帯より上まで) の気道)の病気なので呼吸器疾患ではないんです。呼吸器疾患って「声帯より下」なんです。一番多いのは「肺炎」ですね。この「肺炎」が死因の5位に位置していますので、現在も多くの方が肺炎で亡くなられているような状況です。

(つボイ)ほぉ~。カナダは進んでたってことなんですね。

(竹下)あと結核ですね。結核も年間1万2千人程が罹患されていて、まだまだ過去の病気ではないです。「結核」って人から人へうつる性質があるので、そういう感染性のところも注意が必要ですけど、治療すればちゃんと良くなるのが「結核」ですね。

(小高)なるほど~。

(竹下)最近よく言われるのはやはり「新型コロナウイルス感染症」ですね。これも最初のアルファやデルタの時はよく肺炎を起こしていたので、これもウイルス性肺炎ということなんですけど。最近の株になってくると肺炎の数は少なくなってきたんですが、まだまだ注意が必要ですね。

(小高)そうなんですね。

(竹下)あともう1つ、感染性という意味ですと「カビ」ですね。

(つボイ)カビ!?

(小高)カビ---???

(竹下)カンジダ」とか「アスペルギルス」と言いまして、そういうカビがあるんです。免疫が下がったり、高齢者になってくると肺に棲みついて---肺を破壊したり。このような「真菌感染」の感染性疾患の中でいうと気を付けなければいけない病気の1つです。

(つボイ)ありがとうございます。(笑)

(小高)外から肺に取り込んで、呼吸器にカビが付いちゃう、、、ということですか?

(竹下)そうですそうです!肺に棲みついちゃうんですね。本当に侵襲性が強いと肺を破壊して空洞を作っちゃったりする病気です。

(小高)怖いですね~!

(つボイ)ねぇ~。

(竹下)感染性疾患以外ですと「アレルギー性疾患」ですね。皆さん聞いたことのある喘息(ぜんそくなどです。

(小高)喘息(ぜんそく)持ちの友人、多いです。

(竹下)喘息(ぜんそく)も、治療することでちゃんとコントロールできる病気で、年々死亡率も減少しまして、年間死亡者数も1000人ほどまでに減少しました。

(つボイ)ほぉ~。

(竹下)それ以外には「腫瘍性疾患」です。僕がずっと専門にしてた「肺がん」ですね。

(つボイ)病名を聞いても、知ってる病名ばかり出てきますね!いかに僕らの生活の中でポピュラーな存在なのかという---身の回りでもかかる方多いですし、

(竹下)代表的なので言いますと「閉塞性肺疾患」ですね。気管支とかが狭窄(きょうさく=せまくなく)ことで起こるCOPD慢性閉塞性肺疾患)」や「肺気腫(有害物質を長期に吸入することで、肺の組織が壊れた状態のこと)」---いわゆる「タバコ」などが原因で起こる病気、こういう疾患も多いです。お薬も吸入治療などで実施しており、病気のコントロールは可能です。

(小高)私の知人が最近「肺気胸」になった人がいるんですが、

(竹下)あれは「胸膜疾患」になります。肺って2つの膜で包まれていて、内側の膜と外側の膜があるんですけど、それが破れちゃう病気が「気胸」です。若くやせ型の身長が高い方で起こりやすい「自然気胸」もありますし、肺気腫が進行して気胸を起こしやすい状況になったりもします。

(竹下)1つ大事なのが「間質性肺炎」と言いまして。

(小高)間質性肺炎」?

(つボイ)ふんふん。

(竹下)肺が固くなってくる病気なんです。

(つボイ)えぇっ!

(竹下)「肺炎」って言っても普通にばい菌で起こる肺炎とは違って、肺がどんどんどんどん固まって、膨らみにくくなる病気なんです。

(つボイ)それ原因は何なんですか?

(竹下)それなんです、、、200種類くらいあるんです、、、

(つボイ)200!

(竹下)これも難治性の疾患です。

(小高)じゃあその200種類ほどある原因の中から、これかな…?これかな…?って特定していかなきゃいけないわけですか?

(竹下)そうです。診療の中で、何かな?っていうのを見つけながら進めていきます。原因によってそれぞれ治療法も異なりますし。そういったことを毎日診療しています。

 

~~~~~~~~

(つボイ)いやぁ、一口に呼吸器の病気といっても、たくさんの種類がありましたね。しかも、聞いてもほとんど知っているものばかり。身近な病気が多い!

(小高)そうですね~、ひとつの臓器でこんなに病気の種類があるのに興味があって、呼吸器内科のお医者さんになったって竹下先生仰ってましたもんね。その竹下先生にに来週もお話をうかがっていきます。

(小高)そしてこのコーナーでは、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(小高)聞きたいところとかありますか?最近気になってるところとか。

(つボイ)質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~肺がんについて~』でした。