CBCラジオ「健康のつボ~肺がんについて~」 第3回(令和5年1月25日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、竹下正文医師(一宮西病院副院長 呼吸器内科部長)
(小高)「健康のつボ~肺がんについて~」。日本人の死因第1位の「がん」の中でも、死亡者数が一番多い「肺がん」について、一宮西病院副院長 呼吸器内科部長 竹下正文(たけしたまさふみ)先生に教えていただきます。
(つボイ)呼吸器にはいろいろな病気があることをお聞きしました。
(小高)「間質性肺炎」と「慢性閉塞性肺疾」などは、放っておくと大変なことにもなって、普段からかかりつけ医で健康管理しておくことの重要性についても教えて頂きました。
さぁ、今日からは先生のご専門である「肺がん」についてお聞きしています。冒頭にもあったように、やはり「肺がん」は怖い病気です。まずは、肺がんの現状からお聞きしていきます。
(小高)竹下先生です。
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(竹下)肺っていう器官についてなんですけど、肺というのは口から入った空気は気管を通って、左右の気管支に分かれて、その後20回以上分岐して「肺胞」という酸素と二酸化炭素の交換をする場所にたどりつくんですね。肺がんっていうのは気管・気管支・肺胞の正常な細胞が何らかの原因でがん化したもの。原因っていうのは、遺伝子の変化とかタバコとかそういう刺激もあるんですけど、そういったもので悪くなったものを「肺がん」というんですね。
(小高)気管・気管支・肺胞それぞれの場所にできるんですか?
(竹下)そうですね。どこの場所にもできる可能性があって、気管・気管支にできると息苦しさが出たりするし、肺胞ってなるとだんだん末梢に行くんですね。どこにできても肺がんと言われます。
(小高)なんか、危険度順位みたなのはあるんですか?
(竹下)どこに出来ても肺がんは肺がんなんですけど、気管っていうのは中枢測になるんで、ここにできてしまうと窒息してしまうんですね。そういった意味で緊急性があるのは気管にできるほうなんですけど。でもやっぱり「悪性」というところで言うと、気管にできても気管支にできても肺にできても肺がんは肺がんなんですね。肺の末梢というって肺の端のほうにできるちっちゃい肺がんというのは、なかなか症状が出づらいので発見が遅れたりってことはあります。
(小高)この肺がんっていうのは、がんの中でも死亡者数が多いんですよね。それはさっき言ってたように発見が遅れがちってことですか?
(竹下)そういったところもあるんですよね。肺がんの患者数は男女合わせてすべての中で第3位と言われて、日本でも年間大体11万2千人くらいがかかっているんですね。この11万2千人っていうのは、1時間に13人肺がんが発生してるってことになるんですよね。
(つボイ)そう考えると怖いですね~。
(小高)患者数も第3位だけど、死亡者数はさらに1位って、、、ものすごく多いってことですよね。
(竹下)そうですね、発生する罹患率は3位なんですけど、亡くなる方は全部のがんの中で第1位。年間大体7万7千人の方が亡くなっているということで、さっきの例えでいうと1時間に9人が肺がんで亡くなっているということなんですね。
(小高)肺がんも最初は咳とか、そういった症状が出てくるんですか?
(竹下)そうですね、肺がんもどこにできるかで症状も変わってくるんですが、やっぱり咳とか痰とか、気管支が狭くなってくるとゼーゼーいうとか、肺がんもちっちゃいうちは症状が出ないんですが、外側に浸潤(しんじゅん)すると痛みが出るとか、血液交じりの痰が出るとかそういう症状があるんですけど、症状が出ていると、もう進行してしまっていることが多いですね。
(つボイ)でも、がんてどのがんもそうですよね。症状が出たときにはもう「えぇっ!」という状況ですよね。
(小高)ねぇ~、咳とか痰とかちょっとゼーゼーぐらいだと、風邪ひいたかなって自分をだましだましで、ほんとにしんどいなとか痛いとか血が出たっ!ってことになるまで放っておいちゃうってところもありますよね。
(竹下)そうですね、それがやっぱり早期に発見できない原因になってくるんですね。肺がんの特融の症状ではなくて、呼吸器全般の症状に似ているところもあるのかなって思いますね。
(つボイ)この咳は肺がんの咳ですねとか、この咳は気管支炎の咳ですねとかわるもんですか?
(竹下)わかんないんですよね~。だから長く続く症状に注意するということが必要かなって思います。
(小高)患者数が多いとか死亡者数が多いとか言いましたが、でもこれは早期発見できれば治りますかね...?
(竹下)そうですね、早い段階で見つければ根治が期待できます。早い段階で見つけるということが常に大事かなって思います。
(小高)治療法なんかもやっぱり進歩しているんですか?
(竹下)がんの中でも肺がんの治療は本当に進歩していて、手術にしてもだし、放射線のやり方に関してもだし、自分の専門としている肺のお薬の治療に関しても一番進歩しているのが肺がんで、それによって治療が伸びてきているのが肺がんです。